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■トーク * トップインタビュー 「愛・地球博」は 「自然」と「交流」が織り成す ソフト重視の博覧会になる (財)2005年日本国際博覧会協会 事務総長 坂本 春生氏 自然、交流、参加をテーマにした ソフト重視の博覧会に
次に愛・地球博には「地球大交流」という特色があります。いままでの博覧会は、国威発揚の手段として利用されてきたという側面がありましたが、愛・地球博は、もっとグローバルな視野をもっています。つまり、先進国だけが自分たちのすばらしさをアピールするのではなく、各国・民族の文化や多様性を認め合いながら、文化や技術、芸術、そして人々の交流を図っていける博覧会にしたいのです。地球上には先端技術もあれば、自然と共存する素朴な生活もある、という多様性を知ることが大切なのです。それが「地球大交流」の意味です。 3つめの特色としては、「開発型ではない」という点が挙げられます。いままでの万博は、要するに新たなハードが未来を拓くというものでした。しかし愛・地球博は、里山であったところを(博覧会が)終わったら、もっとすばらしい里山にして戻そう、公園ももっとよい公園にしよう、ということを目指しています。 ですから「自然を大切にする」という手法で進められています。自然をなるべく壊さない。そして、自然と一緒に過ごすことがいかに幸せかを感じていただきたい。したがって、会場面積は約173へク夕ールありますが、実際に建物を建てたりするエリアは非常にコンパクトです。建物も巨大なものは建てません。
そして自然の起伏を残して改変を極力抑えた「グローバル・ループ」を巡らして、一定の高さの動線をつくり、ループに沿って6つの 「グローバル・コモン」を配置します。コモンは一種の”共有地“で、交流を盛んにしていただくために複数の国々で共有し、そこで一つの文化を表現していただき、「世界」が交流できる場にしていきたいと考えています。 また、あまり廃材が出ないよう、なるべく解体しやすく、リサイクルもできるモジュール形式のコンパクトな建物になりますし、愛・地球博終了後にも使える施設は使うなど、できるだけ廃棄しないことが方針です。 こうした特色に加えて、「市民参加」と「広域連携」もキーワードとして挙げられます。以前のようなハード中心の博覧会でしたら、鉄道や住宅などが残りますけれども、今度の場合は残るのはほとんどソフトです。どれだけこの地域に発信力がついたか、とか、みんなが交流を実感したか、世界や自然への認識を深めたか、というソフトなんですね。 ですから、「広域連携」という考え方で愛・地球博がはじまる前からたくさんの行事を行なったり、開催中も会場以外で広域に連携した事業をやっていただいたりして、広く人々に参加してもらいたいと思っています。そういう事業を「愛・地球博パートナーシップ事業」と位置づけていますが、すでにパートナーシップ事業は200を超えていて、さらに増えています。 ![]() グローバル・ループのイメージ
坂本 そうですね。従来の博覧会などでは、会場にしてもパビリオンにしてもとにかく「大きい」「巨大」ということに驚かされましたよね。それが以前の博覧会の見方でした。でも、いまの人たちはそんなものでは圧倒されないんですね。だから、そういうことにおカネをかけるのではなくて、むしろ、ソフトで感性やクオリティを追求していくことに知恵もエネルギーも使っていくべきだと思います。 広い地域からの 市民参加の実現にチャレンジ
坂本 私もそう思います。中身(ソフト)を重視するとすれば、ある程度キャパシティも考えなければいけないでしょう。今回の場合は、物理的状況から控えめな集客になっていますので、それを逆手にとって、新しいことにトライしてみようと思ったわけなんです。小規模だからできる、ということをやってみようと。 今回の博覧会は20世紀型の博覧会として見ると、不利な条件ばかりです。でも、それを有利にしようと思って考えているなかで、その努力自体が新しい博覧会のあり方につながっていくことがわかったんです。
坂本 博覧会会場が決まるまでは紆余曲折があり、「愛知万博検討会議」を通じて市民の方々のご意見をうかがったのですが、それによって非常にいい選択ができたと思っています。ただ、外から意見を述べるだけでは参加ではないと思いますので、これからは展示や催事の参加者として活躍していただきたい。一つには「地球市民村」という国際的なNGO・NPOによる参加の試みがありますが、地元も含めて全国の地域からの参加を呼びかけています。そのために会場内に「市民交流プラザ」という展示・催事や参加体験の場をつくり、市民の方々が主体となって運営していただきます。いまは市民参加コーディネーターを起用して、ワークショップなどを開きながら各地の方々とさまざまに議論していただいているところです。 博覧会だけにとどまらない 観光振興のビジョンが必要
坂本 愛・地球博後に残せるものの一つに「観光立国(地)」もあります。海外、とくにアジアから人を呼べる観光地を興す、という意味ではまたとないチャンスだと思っています。いまでは産業観光なども盛んになってきていますが、この地域は産業資源が豊富ですから、産業観光地域としてアピールすることは可能です。 むしろ、観光振興のビジョンを描くことで愛・地球博も生きてくると思うのです。たとえ1500万人集めても、終わったら誰も来ないのでは意味がないですから。そのとき来られた方にもう一度来ようと思っていただくためにも、産業観光への視点が必要でしょう。会場で先端技術に触れることで産業都市としての側面を連想していただく工夫も必要でしょうし、陶磁器会館やトヨタ産業博物館などもあるわけですから、会場から地域へと広がらないといけない。先ほどパートナーシップ事業について触れましたが、会期中だけでなく、そうした活動を通してその地域に観光という資産を残せれば、非常にいいことですよね。その地域がもっている文化・産業資産、歴史遺産などを上手に活用していただきたいですね。 私は、とりわけアジアからの観光客を誘致したいと思っています。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや東京ディズニーシーだけではない、アジアの発展につながっていくような新しい観光のあり方があっていい。その意味でこの地域が観光エリアになっていく意義は大きいと思います。 もちろん、それだけではない観光都市を目指すことも大切です。海外からアーティストが来ても、東京と大阪だけで名古屋は外されてしまうことが多い。でも、ここがすばらしい発信力、すばらしい感受性をもっていると世界に認知されれば、また違ってくると思うのです。そういう意味でも、愛・地球博はこの地域にとって非常に重要だと思いますね。
坂本 最初の前売券を販売する1年半くらい前に全国へ広がって盛り上がってというのがいいのではないでしょうか。ですから、そこに照準を合わせていきたいと考えています。新聞広告や、全国的なイベントなどはその時期に向けてやっていくつもりです。キャラバン隊をはじめいろいろな活動も今後展開していきますが、いまはその前段階として、全国をまわりながらいろいろな団体の方とお話ししたり、全国の学校に修学旅行を呼びかけたりと、地道な活動をしています。旅行会社のツアーに組み込んでいただくことも大切ですから、料金もなるべく早い時期に決めていくつもりです。
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