| ■トーク * Break! NEO専門店!! 連載14回 ダイナック 高原 洋氏/ (株)ダイナック 代表取締役社長 聞き手/ (株)丹青社 営業開発室 SCマーケティング研究所 所長 松本 大地 社名の由来となった「食の楽しさをダイナミックにクリエイトする」を理念に掲げる同社は、効率のみを追求することなく、常にクオリティの高い店舗づくりを展開し続け、マーケットから高い支持を得ている (株)ダイナックはサントリーグループの外食部門の中核を担う企業であり、かつグループ企業では唯一の上場企業でもある。
スローフードの時代といわれる今こそ
高原 はじめはサントリーのパイロットショップを出店するための会社としてスタートしています。親会社が元々、元気のよい会社ということもあり、収益ということよりも、むしろ新しいことにチャレンジするということが大きなミッションでした。一時期は108業態の店がありました。しかし2000年に株式公開をするにあたって収益性と成長性を重んじることが大変重要な課題となりました。そこで業態を絞り込み、出店戦略も首都圏と近畿の都市部に集中することにしました。今年6月段階で、84業態、274店舗、社員数は1016名となっています。今期の売上見込みは385億円です。日本の外食で株式公開しているのは89社ですが、ほとんどがマニュアル化したチェーンビジネスの会社です。私どもはブランドがたくさんあるという点で非常にユニークな会社です。しかも従業員の半分以上が調理師、バーテンダー、ソムリエなどの技術者というのが特徴です。 当社のような多業態は非効率です。同じものを大量につくるところには勝てません。しかし、当社のような業態を必要とするお客様は着実に増えてきていると思います。早さ、安さだけでは世の中は回っていきません。スローフードの時代と言われるこれからはまさにわれわれの出番だと思っています。
高原 この世界はいままで男社会でした。最近は女性ががんばっていますから、古い体質を変えていくようにしたいと思っています。
マニュアルにとらわれることなく
高原 チェーンビジネスではマニュアルに沿ってやるのが一般的ですが、私どもはそれをやると味も素っ気もなくなります。個人の色合いを出せることを得意とする会社ですので、最低限守ることだけはきちんと守って、あとは出来るだけ自由にやってもらうという考えです。ですから店によって色合いに違いが出てきます。ワンパターンにはしたくないですね。 私どもの店では購買システムにおいても、仕入れ全体をABCという3つのランクに分けています。A群はダイナックのバッジをつけているかぎり使わなければいけない商品、B群は個々の店で自由にチョイスしてよい商品、C群はそれぞれの店の自由選択です。この3つの枠の中で各店が営業するための調達をすればよいということになっています。そういう仕組みで自由度を大きくしているわけです。
高原 基本的な入社研修以外はパターンにはめた接客対応ではなく、オン・ザ・ジョブということでそれぞれの店で育てていくやり方です。それから店長、調理長、エリア長など課長クラスをそれぞれ10人くらいの小グループで集めて、毎月社長懇話会を開き、私が"商いの心"について直に話をしています。社員教育というより寺子屋みたいなものですが。
高原 以前は日本全国に多く出店すればよいという拡大主義でしたが、5年前から物流戦略や効率的なスーパーバイジング活動を考えて、首都圏と近畿圏の都市に集中させたわけです。確かに都市型出店では土日をどうするかという課題があります。平日の5日間で事業の採算がとれればよいのですが、そうでない場合は土日には結婚式などに利用していただくというようなことを考えていきたいと思っています。
スタッフの魅力や技術を高め
高原 当社は社員の半分以上が調理師、バーテンダー、ソムリエという会社ですから、社内で一番ウエイトをおいているのが商品開発です。最近、グルナビさんの上場記念の料理コンテストがあり、そこで当社の調理師が全国で2位に入賞しました。カクテルコンテストでは毎年少なくても本選20人の中に2人は残るという実績を残しています。多いときは3、4人入ることもあります。技術者集団で互いに競い合い、そこから新しい商品が出てくるということです。
高原 課題はたくさんあります。技術者集団を抱えて独自な路線で事業化しようとしていますから、日本の外食企業では特異な会社といえます。そういう新しいスタイルの企業化に向けて足を踏み出したという意味では、課題は常に人の部分にあります。しかし、それをやっていくとこんな面白いものはありません。
高原 酒を介した楽しい食空間の中、「味」と「サービス」でしっかりと高い評価をお客様からいただくという意味において、日本を代表する外食企業になりたいと思っています。それから、たくさんの若者を預かっていますから、彼らが嬉々として働ける職場づくりをするのが私の夢です。入社当時、一国一城の主を夢見て目を輝かせていても組織になじんでくると夢がなくなってしまうケースがあります。それをみるのは寂しい。彼らが夢を実現できるように精神的にも応援したいと思っています。
関連サイト : 株式会社ダイナック
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