トーク * Break! NEO専門店!!
 
川上氏 BUNGO/B-COMPANY 
 
川上 健二郎氏(株)ぶんご 代表取締役 
 聞き手/ NEO専門店研究会主宰 松本 大地
 
若者層の感性にフィットした
家具・インテリア・生活雑貨ショップを展開


 
 「家具も雑貨も、ファッションや生鮮食品と同じ」という考え方のもと、「BUNGO」「B-COMPANY」という2つのブランドで家具・インテリア・生活雑貨のショップを展開する(株)ぶんご。本物の自然素材に徹底してこだわりながらも、時代の変化と客層の感性をいち早く捉えた商品開発は、若者を中心に強い支持を受けている。川上社長は、良質な素材を求めて東南アジアの奥地にまで足を伸ばし、若者たちのライフスタイルや感性の変化を見逃さない鋭い観察力で情報収集を欠かさない。そんな、生活者の視点にしっかりと足を据えた商品づくりが、いま、熱い視線を浴びているのである。
 
海外旅行の一般化で大きく変わった
インテリア事情

 
―この会社をはじめられて何年になりますか。
 
川上 1969年の創立ですから、もう30年以上になります。それまでは、竹の問屋をやっていた大分の実家でクラフトバンブーを扱っていましたが、池袋のパルコに、バンブーショップ「ぶんご」をつくるチャンスがあり、東京に進出しました。
 
―「B-COMPANY」という名前を使うようになったのはいつ頃ですか。
 
川上 1991年からです。それまではインテリア小物を扱っていて、適正坪数が15坪くらいの店をやっていました。ところが、パルコ津田沼店は30坪あったので、店の構成を変えテーブルやソファを扱うようになりました。従来の店とは少し性格が異なっていましたので、「ぶんご」と区別する意味で「B-COMPANY」という名前にしました。しかし、ターゲットである若者になかなか「ぶんご」という名前が定着しないということもあって、その後、「B-COMPANY」のほうに統一する方向で進めています。
 
―その頃というとアジアン雑貨がブームになりはじめた頃ですか。
 
川上 それ以前でしたね。日本の竹製品というのは、越前、大分、京都と産地が少なくて非常に高価です。素材自体も違うし、つくられる製品も違う。これらを東京に集約して売るというのは大変でした。民芸品ブームのときはそれでもうまくいったのですが、日本人がどんどん海外旅行に出かけるようになって、若者の目が海外を向くようになると状況は変わりました。海外でいろいろなライフスタイルやインテリアに接するようになったことで、それを自分の生活のなかにも取り入れてみたいと、興味を持ちはじめたのです。そこで、東南アジアでは日本にはない素材が安く入手できますので、技術指導をすれば面白いものができると考えたのです。
 
 それまでは、冬はこたつ、夏は扇風機というような、固定化されたスタイルから抜けられなかった。それがこの15年くらいで大きく変わってきたのです。マンションを比較すると、その変化が如実にわかります。築10年、築20年のマンションと最近のマンションを比較すると、こうも違うかというくらいインテリアが変わってきています。
 
(左)●今年4月24日、JR立川駅「ルミネ立川店」6階に新しくオープンしたB-COMPANY
(中)●モダンな感覚の店内に、アジアンテイストの醸し出す温もりが調和している
(右)●豊富な品揃えのショップ。隣りには同じようなテイストのカフェがある。

 
 
感性を大切に
若者層にターゲットを据える

 
―メインターゲットとされているのはどういう人たちですか。
 
川上 20〜35歳くらいまでです。30歳までがシングル、それから上がヤングミセスという想定です。
 その意味では、パルコへの出店は正しかったと思っています。いろいろなターゲット設定の仕方がありますが、私どもはひとつの目安として年収200万〜600万円くらいの感性豊かな若者をターゲットにしています。
 
 とくに大切に考えているのはセンスです。そのセンスを磨く入門編として私どもの家具を利用していただき、やがては卒業していっていただければいい。家具は一生ものと、背伸びして高いものを買う必要はありません。生活や感性はどんどん変化していくものですから、自分のセンスに合わせて家具も“着替えて”いってほしい。そのためにプライスも抑えるよう工夫しているわけです。来店する若者を見ていると、服のセンスもいいですね。ファッションとインテリアが同じ感性で受け止められているのがよくわかります。
 
―そういう自由な若者層を中心にするとなると、エリアも限定して出店するわけですね。
 
川上 地方はどうしても時差がありますからむずかしいですね。札幌や福岡などは東京とほとんど時差がありませんが、物流経費がネックです。経費を上乗せしたプライスでは無理なのです。良い出店条件はいただいているのですが、なかなかむずかしくて、何かいい方法はないかと検討しているところです。
 
―現在、何店舗出店されているのですか。
 
川上 18店舗です。首都圏以外では松本と名古屋にあります。7割の店が坪50万円以上の効率を出しています。
 
―ところで、顧客管理はどのようになさっていますか。
 
川上 いまのお客さまにはいつか卒業していただくことを前提にしていますので、顧客を管理するということは考えていません。一度買っていただいたお客さまに何度も購入してもらうのではなく、口コミで広がってくれればいいのです。ですから、DMも出しません。買い物するとき、あの店は必ずチェックしておこうと思ってもらえる店になれればいいと思っています。
 
―生産拠点はどこに置いているのですか。
 
川上 現在はベトナム、インドネシア、台湾、マレーシア、タイ、中国です。カンボジアやラオスなども検討中です。
 
 
ブランド価値を守るために
素材のクオリティにこだわる

 
―どのようなポリシーで商品開発されているのですか。
 
川上 いまの若い人たちは体型ひとつとってみても以前とは違っています。テーブルの高さにしてもソファの大きさにしても、それに合ったサイズを見極める必要がありますし、そのうえで感性に合わせたデザインをしなければならない。ただ現地生産したものを売っているわけではありません。消費者の方々は目が肥えているので、その価値観をよくわかっているようです。
 
 いまの若者のファッション感覚には驚かされることがよくありますが、インテリアの場合でも、とんでもない組合せを好む感性があります。あまり飛躍するとビジネスとしては危険ですが、発想としては忘れてはいけないポイントです。あらゆる色を自由自在にコーディネートして着こなしている若者たちに対して、その感性にフィットした家具とはどのようなものなのかを常に考えています。形と色はもちろんですが、音やにおいも大事な要素です。非常にむずかしいことですが、直接的な香りではなくて、雰囲気というにおいをどうお店で演出するかを考えています。
 
―いまのブランド価値を守っていくには、出店戦略が重要でしょうね。
 
川上 出店のお誘いはいろいろあるのですが、生産拠点のキャパシティには限界がありますし、素材にもこだわっていますから、大量に調達できるわけではありません。
 ブランド価値を守るには、商品のクオリティは重要です。見た目は同じような製品でも、水分率を測ってみると違いがすぐにわかります。私どもは8〜10%の良質なものしか使いません。よくバリなどで観光客相手に販売されているものは40%というものもあって、これだとすぐに割れたり反ったりしてしまいます。
 
―これからの事業展開についてお聞かせください。
 
川上 昔は、婚礼5点セットなどといって家具は一生ものと考える価値観がありましたが、いま、そんな家具がふさわしい広い家に住める新婚世帯などほとんどいません。にもかかわらず、いまだにそういう家具をつくっている腕のいい職人さんが大勢います。その人たちの技術を活かしながら、時代に合った家具づくりを提案していければと思っています。
 
 また、ビバリーヒルズやニューヨークなどのブランドショップ街には、高級ブランドショップと並んで小さな、しかもすばらしいインテリア雑貨の店がありますが、そういう店と同じように銀座や青山のようなところでやってみたいと思っています。地価が高いところだから高級品ばかりというのでなく、入るとほっとするようなお店をつくって、地に足のついたビジネスをやりたいと思っています。
 
―本日はありがとうございました。
 
関連サイト : B-COMPANY & BUNGO  
 
 
主宰の一言 
matsumoto.jpg  ヤングゼネレーションにとって、豊かな生活をおくる為の必須アイテムになりつつあるB-COMPANY。そのマーチャンダイジングは、都市生活をする若者感性軸での微妙なバランスの上で成り立っている。バーゲン時でもせいぜい通常プライスの10%オフ。リーズナブルだが、決して価格の安さを強調する店ではない。店自体が川上社長の頭の中にあるインテリア・コラージュからのセレクトであり、その「眼力」を評価する人々を顧客にしている。そこそこのスケールになってきた現在、「ビーカンパニー」のセカンドラインが登場しても良い頃合いだろうか。
 
(NEO専門店研究会主宰:(株)丹青社 営業開発室SCC2部 部長
松本大地)
 

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