新施設情報
 
ヴェネチア・ビエンナーレ 第9回国際建築展日本館帰国展
 グローバルメディア2005/おたく:人格=空間=都市、東京都写真美術館で開催
 後期 2月22日(火)〜3月13日(日)


 
 
 2月27日のNHKの新日曜美術館を見た方はご承知だろうが、「都市を変えるポップカルチャーOTAKU・おたく」として紹介されていた展覧会がこれ。
 昨年のヴェネチア・ビエンナーレで、大評判をとった、日本館=おたく館の凱旋展覧会、それが今回再現された「おたく:人格=空間=都市」だ。
野心的な展覧会を次から次へと企画する東京写真美術館(以下、写美と記す)が主催した。
 
 
左●会場平面図
中●会場入口
右●会場受付
 
会場入口周辺には、海外で活躍する日本人映像作家の紹介・新人発掘を行う展覧会「グローバルメディア展第3回」の展示も併設されている。

 西欧人が考えている日本観とまったく異なる日本を表現した。
主催者である写美の担当学芸員である森山朋絵氏は「海外で下される従来どおり内在的感性の評価から逸脱をはかる」と記した。 (公認パンフレットから)
 今回のキュレーターに迎えられた森川嘉一郎氏はヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館のコミッショナー。新進気鋭の建築学者だが、同時におたくである。 これは展示を見ればよくわかる。徹底的な凝り性である。
 森川氏は、「70年代以前は「おたく」という言葉はなく、当時「ハカセ」とあだ名 されていたようなタイプの少年たちが、後におたくになっていった。大阪万博でピークを 迎えた未来信仰、科学技術信仰が急速に失墜したとき、その代償として彼らが育 んでいったのがアニメやゲームなどの「おたく文化」。その後1989年の宮崎勤の事件 によって世間一般に「おたく」という呼称が極めてネガティブなイメージで定着し、 今にいたるまで蔑称として機能してきた。そうしたおたくたちが90年代から秋葉原に 集中するようになり、世紀をまたいで、その景観をおたく趣味に塗り替えた。都市の 計画主体によって人が集められたのではなく、おたくが集まった結果として街が急変 したという新しい都市現象が、この展示の下敷きなのです」という。
 
左●展覧会入口:この絵は、パソコンの絵文字いわば顔文字で作られてます。
中・右●おたくの原点、EXPO'70の展示
 
「イコンの変遷」。背後にある写真パネルは、おたくのパブリックイメージの形成と 関わった宮崎勤やオウム真理教の事件などを掲示している。
 
左・中●「新横浜ありな」は小学生2年生。ヴェネチア・ビエンナーレに向て、新しく作られたキャラクター。 学校生活、家庭環境など、細かい性格付けがされている。
右●ヴェネチア・ビエンナーレの時の記録写真や記録。

 
 森川氏は著書『趣都の誕生』で、秋葉原のことを「おたくの趣都」と命名している。
人(オタク)が主人公の街だが、たしかに、秋葉原の街で見かけるオタクも変化してきている。 10年前のオタクといえば、小太り、めがね、スニーカー、ジャンパーかTシャツ、ショルダーバッグがトレードマーク。 この頃ではめちゃファッショナブルでオシャレなニューオタクも増えている。 (どうして、そんなオシャレな奴がオタクだってわかるんだ!って。。オタク同士ではピクピクとわかるんだなぁ。)
 確かに好意的な評価も受けることも多くなってきたが、やはりオタクはオタク、まだまだキワモノだろう。 このような展覧会を行うことに関して、東京都の美術館である写美自体はどう思ってるんだろうか。 これに関して、明確な回答が帰って来た。「東京写真美術館だから、この展覧会をやるのだし、やれるんです!」(写美広報担当・久代明子氏)
 さすがである、後は応援するのみ。
 
おたくの個室。オタクの香りがぷんぷんしてくる。(苦笑)
 
レンタルショーケースは、アキハバラなどのおたくが集まる街に最近増えている文化。 アクリルケースを借りて、自分の趣味のものを販売する。
 
コミックマーケットの平面図。コミックマーケット(コミケ)は世界一大きな同人誌即売会のイベントで今年の冬で67回目になるそうだ。 現在は東京ビッグサイトを使っており、1日平均約15万人(×3日間あるいは2日間)が参加する日本最大のイベントになっている。
 
秋葉原を変遷を3つの模型によって構成。家電の時代からおたくの時代へ。
 
背後左端の壁面が「おたくのオンラインコミュニティ」。オタクの世界はインターネットに載せて様々に拡大していく。日本全国ついには世界中へ。
 
 森川氏のホームページでは、最後に以下の行がある。
「上昇志向的な高層マンションとITセンターが、文化的下方志向現象たるオタク文化の中心地に、巨大に並置される。 その境界面で、いったい何が起こるのか。まずは日々刻々と鉄骨が建ち上がっていく風景を楽しみながら、その対決を待ちたい。」
 有無。まさに待ちたい。何が生まれてくるのか、大いに楽しみである。
 
リーフレット
 
関連サイト:
・おたく:人格=空間=都市 --ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展 
・森川嘉一郎さんのホームページ 

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