新施設情報

建築家 村野藤吾のディテール
−旧千代田生命本社ビル(現目黒区総合庁舎)写真図面展−
   2004年2月11日〜4月11日 目黒区美術館

 
 
  昨年、心斎橋そごうが解体された。(ヴォーリスの設計したものだが)隣の心斎橋大丸は、とても大切に扱われているにもかかわらず、あの瀟洒な建物が取り壊されるのは忍びなかったという建築ファンも多かったはず。その、心斎橋そごうと目黒区総合庁舎の外壁のイメージはよく似ている。「それを指摘する方も何人かいます。」(目黒区美術館学芸員・降旗千賀子氏)という。
 
 この建物の設計者が、村野藤吾。今回の企画展の主人公である。戦前から戦後1980年代までの日本の建築デザインをリードしてきた名建築家で、もっとも芸術家らしい建築作家であり、今言うところのアトリエ系作家であろうか。
 
 この目黒区総合庁舎は旧千代田生命本社であったが、同社の倒産にともない目黒区が購入し、耐震補強なども含め内部を改修し、区の総合庁舎として使うことにした。改修工事の終了したのは、約1年前、改修工事には約1年間をかけている。
 
 もとのオーナーの性格でもあろう、趣味性の高い建物であり、茶室など和室もあり、この建物を区役所として使うのは大変だろうとは思う。でも、この建物の玄関周辺を見れば、文化的価値を残そうとした意味がわかる。目黒区の英断に拍手を送りたい。
 
 今回の展覧会は、目黒区美術館所蔵作品展<でぃてーるノ誘惑>を同時開催している。同時開催というよりも、一体化して運営している。村野作品と現代芸術の作品がマッチしていて好ましい。
 
 
左●目黒区総合庁舎全景
右●目黒区総合庁舎正面

 
左●インテリアデザインまで気をつけた村野藤吾らしい中央階段
右●着色ガラスを使った入口の衝立(岩田藤七 作)

 
左・中●正面入口ホール
右●ガラスモザイクを使った明り取り(作野旦平 作)

 
和室と茶室
中庭に面して、和室と茶室がある。現在は目黒区区民はじめ、ひろく一般に公開して、お茶会などで使われている。
この部屋はすごい、襖など1枚ずつ柄が違う。一見の価値がある。
 
茶室の入口

左●庭の舛型 手水鉢
中・右●和室

 
 
目黒区美術館正面(目黒区総合庁舎から徒歩で20分)

 
左●展覧会開催の挨拶
中・右●1階正面のホール。中心になる図面が並ぶ。

 
ノートに書き物をしている若いファンが多いと思って聞いてみた。彼らはインテリアデザイナーを目指す学生達。課題で村野氏のインテリアデザインを調べに来たという。先生もオシャレな課題を出すものだ。

 
左●この家具は全て、村野氏のデザインだと思っていたのだが、「椅子はオリジナルの土台はそのままで外皮ははりかえ、その際に脚もかえてしまっている。テーブルは多分その時に購入されたもので村野事務所デザインではない。」(降旗氏)とのこと。
右●この壁面の時計も、旧千代田生命本社用に誂えられた時計達

 
このように、1966年の村野作品の写真と現代美術が並んでいても違和感がない。
 
展覧会用チラシ
 
 
原設計 : 村野,森建築事務所
改修設計 : 安井建築設計事務所
資料協力 : 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
京都工芸繊維大学は、村野藤吾に関するコレクションで有名。今回公開された図面は、全て同館の所蔵である。 http://www.ipc.kit.ac.jp/~siryokan/
展覧会で使用した写真の撮影 : 新良太

 
関連サイト:
・目黒区美術館ホームページ 

 

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