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■海外情報 * overseas network The Museum Report in New York City 第5回 (2001.11)
またワールド・トレード・センター崩壊後のリスポンスとしてヒストリカル・ソサイエティでは写真展を開催。逃げ惑う人々や跡地の様相などが大きなパネルを通してありありと伝わってきた。 2階はマンハッタンの川べりの風景を10メートル以上の長い紙にわたって描写した作品を展示。これは作家のペリコリがボートに乗ってマンハッタン島を一周した時にビデオ撮影した風景を丹念に描き写したもの。ワールド・トレード・センターもしっかり描かれていて、悲哀を感じた。
他にも特別展として、原爆スパイ容疑で処刑されたローゼンバーグ夫妻にまつわる品々を展示。実際に彼らがソヴィエトにアメリカの情報を売ったのかどうか真偽の程は定かではないが(無実だったとの見方もある)、この展覧会では夫婦が実際に使った出納帳や電気椅子が展示されていた。 3階はThe Henry Luce III Centerで、NYの生活用品や武器、絵画などを通して来館者が学習をする施設。面白いのは、展示品にはすべて作家名や特定の地域が記されていない。ただ使われていた年代ごとに、机なら机が80個、花瓶なら花瓶が200個、スプーンならスプーンが400個と無造作に並べられており、解説は一切なし。実はこの学習センターは“物は語る”と題されており、物がもっている流行スタイルから見る側が、当時の暮らしぶりを推測するというもの。全部で4万個の展示品を収蔵している。 1階から3階までぎっしりNYの歴史が保存・再現された博物館である。
1983 年に設立されて以来、常に新しいアートシーンを紹介し続けている。 MoMAが正統派の現代美術を紹介する一方、ニュー・ミュージアムは奇抜なコンテンポラリー・アートを展示している。前前回のポール・マッカーシー (裸でケチャップを塗りまくるお騒がせな作家)に続き、今回の特集はトム・フリードマン。1500個のチューインガムを噛んで丸めて一つの大きな玉にした作品や、スパゲッティの麺、一パックを茹でて全ての端と端をつなぎエンドレスにした作品、6ヶ月間に渡ってスーパーから盗んだ200個の小さなボールを展示した作品など本気で馬鹿をやっている所が素晴らしい。
© 1998 The New Museum of Contemporary Art 今回のワールド・トレード・センターに対するニュー・ミュージアムのリスポンスとして“ワールド・ヴュー Open Studio”展を12月1日〜1月13日まで開催予定。これはLower Manhattan Cultural Council (以下LMCC:ローワーマンハッタン文化協会)と共同企画したもの。 LMCCは毎年5ヶ月単位でアーティストをニューヨークに招待し、アトリエを開放して作品製作の場を提供してきた。ところがそのオフィスはワールド・トレード・センター5の92階にあったため、貯蔵してあった作品群も破壊され、アーティストも1人亡くなった。LMCCは2日だけ見学のためにアトリエを民間に開放していたのだが、今回作品発表の場が破壊されたため、ニューミュージアムの1階を使って、追悼の意味もこめて同展が開かれることになった。亡くなったアーティストを弔うと共に、破壊された作品も修復して出品する予定。 他にも地下のメディアZラウンジでは最新のメディアを使ったアートを無料で放映している。ミュージアムショップでは現代美術書の品揃えも豊富である。 若者が集まるソーホー・エリアだけあって、パワーが漲っている美術館だ。暗い雰囲気が漂っているニューヨークの中で、こういった美術館には頑張ってもらいたい。 (2001年11月 スミ・ヒロコ)
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