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ミュージアム・マイル
Museum Mile
http://www.museummile.org

マンハッタンの5番街は104ストリートから82ストリートにわたってミュージアムが9つ並んでおり、この通りは別名ミュージアム通りと呼ばれている。北から順に、エル・ムゼオ・デル・バレオ(スペイン語でご近所美術館の意味)、ニューヨーク市博物館、ICP(International Center of photography)、ジュ−イッシュ・ミュージアム(ユダヤ人博物館)、クーパーヒューイット・ナショナル・デザイン・ミュージアム(Cooper-Hewitt National Design Museum Smithsonian Institute)、ナショナル・アカデミー・デザイン・ミュージアム(National Academy of Design Museum)、グッゲンハイム美術館、ゲーテ・インスティチュート、メトロポリタン美術館。
これらの博物館がスポンサーとなって1年間に一回行われるのが、ミュージアム・マイル。
 
  1978年以来の息の長いイベントで、毎年6月の第2火曜日に行われる。今年は6月6日に行われ、およそ1万人以上の来館者が訪れた。開催時間は夕方6:00から9:00まで入館料は無料になり、ダンスやコンサートの他、アートのワークショップなど数々のイベントが野外で実施された。
中でもエル・ムゼオ・デル・バレオでは、グアテマラの儀式であるソーダスト・カーペット(おがくずを着色したものを道路に、カーペットのように敷き詰める)や、フェイス・ペインティング、チョーク・ムーラル(道路にチョークで絵を書く)などのイベントを用意しており、子供や大人が道路にうずくまって絵を描く姿が見られた。
 
 日本でも昔は道路に白皙などで落書きする子供もみられたが、今ではめっきりその数も減ったように思われる。目抜き通りで、数百人に及ぶ集団落書きをしたあと、子供達がその後、民家に悪戯書きすることも無く、翌日には車の流れに任せて、きれいにチョークの跡が道路から消えているところなど、いかにもアートと街が一体化しているニューヨークらしさを感じた。
 
 また、ゲイ団体(Lesbian and Gay Big Apple Corps)による生演奏がニューヨーク市博物館の前で行われたのも、ゲイ・パレードが毎年開催されているニューヨーク市らしい。ミュージアム・マイルは、市民にとって最もポピュラーなイベントで、長年にわたって参加している家族連れや、この日を心待ちにしている子供達も多い。
中南米の地図を描いたソーダスト・カーペット
中南米の地図を描いたソーダ
スト・カーペット

 
タイ−ノ(中南米の祖先)のマークをスタッフが顔に描いたフェイス
タイ−ノ(中南米の祖先)のマ
ークをスタッフが顔に描いた
フェイス・ペインティング

 
数百人が思い思いの形を道路に記したチョーク・ムーラル
数百人が思い思いの形を道路に記したチョーク・ムーラル
 
 
 
 
 
P.S.1 コンテンポラリー・アート・センター
P.S.1 Contemporary Art Center
Museum of Modern Art affiliate
22-25 Jackson Ave at 46th Ave Long Island City, New York 11101
http://www.ps1.org
 
P.S.1コンテンポラリー・アートセンターは、1971年、公立学校の校舎を改造して、コンテンポラリー・アートを展示している。P.S.1とはPublic School No1の略。場所はマンハッタンから少し離れたクィーンズに位置し、アート好きの若者のメッカとなっている。地下や屋上、喫茶店、トイレなどあらゆる所に作品が展示してあり、「こんな所にまで作品が…」と来館者を驚かせている。
 
外観
外観
内臓のようなオブジェクトが吊る下がっているトイレ
内臓のようなオブジェクト
が吊る下がっているトイレ
トイレの壁紙のトイレ(壁紙はマルセル・デュシャンの「泉」)
トイレの壁紙のトイレ
(壁紙はマルセル・デュシャン
の「泉」)
タクシーのボディとタイヤを使ったカフェ(作品はNavin RawanchikulのI
タクシーのボディとタイヤを
使ったカフェ(作品はNavin RawanchikulのITaxi)

 
P.S.1はメッセージ性の強い、かつデザイン的にもすぐれた奇抜なインスタレーションをに次々に展示しているが、中でも今年の夏、1番の目玉展示は“Buzz Club:News from Japan ”。 
映像作家で学芸員、東京芸術大学講師でもあるデイヴィッド・ディヒーリ氏と P.S.1の補助学芸員である木幡和枝さんが日本の若手アーティストの作品を通して、日本の現代文化を紹介している。
 
  展示室は2つに分かれており、そのうちの一つは巨大な蜂の巣が設置され、巣の一つ一つの中に、コンピューターの画面を使った映像作品や、ソフト・ビニール製のアニメキャラクターの人形、色とりどりの携帯電話などが並べられている。来館者は巣の中に入ってそれらの作品と遊ぶ事ができる。 
 何故、蜂の巣型なのかをデービットさんに聞いたところ、巣の一つ一つのセルは個人、または個人的な空間を表し、巣全体はその集合体、社会を意味するとのこと。 
私達は、個人個人でありながら、携帯電話やパソコン、テレビ、ファッションなどのメディアを通して、お互いにコミュニケーションしながら、今を生きている。蜂の巣はその縮図であるという。 
個々のセルは完全に密封されていないので、横で他の人が何をしているかが観察でき、その後、巣の上に登ってお互いが何を体験したのかを情報交換することができる。 
作品とコミュニケートする来館者たち
作品とコミュニケートする来館者たち
 
蜂の巣内部
蜂の巣内部

 もう一つの展示室は、2ヶ月に渡り、日本の若手アーティスト5組の作品を紹介する。
ファッションメーカー、スーパー・ラヴァーズのデザイナー田中秀幸(7月1〜8日)、ビットマップ詩人集団デラウェア(7月11日〜22日)、中川装置(7月25日〜8月12日)、ゲームクリエーター・伊藤ガビン(8月15日〜26日)、メディアアーティストの岩井俊雄(8月〜9月7日)。
 
田中秀幸は、電気グルーヴのピエール瀧とタサカとのユニット、プリンストンガを結成し、モニタージャック(電気屋さんに並んでいる売り物のテレビなどに自分達で作った映像を突然流し、お客の反応をビデオで撮影)した映像をで上映。電波の都合で今年は見送られたが、デラウェアの携帯電話用のゲームを P.S.1で受信して一緒に遊ぶ計画もあったという。
中川装置は、着なくなった来館者の服の一部を交換し、新しい服に仕立て直して来館者に返すというリサイクル・プロジェクトを計画。
他にもダンス・ダンス・レボリューションやプレステーションを使ったワークショップも開催されている。
 
スーパー・ラヴァーズの田中秀幸さんのインスタレーション
スーパー・ラヴァーズの田中
秀幸さんのインスタレーション
いずれも、コミュニケーションを中心としたインタラクティブな新しい試みばかりだ。
日本といえば、far East(遥かな東の国)として分類され、中国の一部かと思っているアメリカンも多い中、このバズ・クラブはニューヨーカーの美術愛好家にはかなりのセンセーションを巻き起こしている。日本とは何か、こうしたデジタル・メディアをつかったアートはどこまで発展していくのか?と考えさせられる展覧会である。
 
 他にも、P.S.1は、毎年の夏の恒例イベントとなりつつある、“サマー・ウォームアップ”を開催。
“夏”をイメージした屋外インスタレーションの中、来館者はビールを片手にハンモックの上に寝そべったり、ダンスやバンド演奏をアートとともに楽しんだ。今年は、青い扇風機やスプリンクラーが野外に設置され、白い網目生地でできたオブジェクトが風に揺られ、都会の熱い夜に涼しさを演出した。開催日の7月7日と17日には会場に入りきらないほどの長蛇の列ができ、ニューヨークで最もHOTなサマーイベントとなった。
 
スプリンクラーでクール・ダウンする来館者たち
スプリンクラーでクール・
ダウンする来館者たち

 
(取材協力・写真提供:デイヴィッド・ディヒーリ氏)
 
(2001年7月 スミ・ヒロコ)

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