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■海外情報 * overseas network 留学生から見たミラノ 第2回 (2004.1)
イタリア生まれのデザインにあこがれを抱き、イタリアに留学したいと思う人は少なくないでしょう。実際、ヨーロッパ国内からでも多くの留学生がイタリアに集まり、ヨーロッパ外の国々からも多くの留学生が集まってきます。では、イタリアでのデザイン教育とはどのようなものなのでしょうか。イタリアでのデザイン教育というのは、他の国々と異なり、昔は建築学科しかありませんでした。よって、イタリア人の有名なデザイナーは、みな建築学科を卒業しています。しかし近年多くのデザイン学校が生まれ、また、建築学科から独立してインダストリアル学科が生まれたりと、デザインの教育システムの変化が見受けられます。 ミラノで特に世界から多くの留学生が集まるのが、 POLITECNICO DI MILANO (ミラノ工科大学建築学科、同インダストリアル学科) Domus Academy (ドムスアカデミー) Istituto Europeo di Design (インスティテゥート エウロペオ ディ デザイン) です。私の留学先のDomus Academy(以下DA)は、特にプロダクトデザイン(Master in Design)が有名で、それ以外にもファッション学科などがあり、学生のほとんどが留学生です。留学生の中には自国で様々な経歴を持った人々が集まるので、学生間のコミュニケーションだけでも十分勉強になります。また期間が一年間というとても短い時間であるというのも特徴です。Master in Designでの授業というのは、主にグループワークを中心とし、一つの課題に取り組み、一年の中で5,6のグループワークと講義、レポート、そして卒業設計をこなすというかなりハードなスケジュールになっています。 語学は?と思われる方もいらっしゃると思いますが、イタリア語と英語が必要になります。 私はどちらもできませんので、いままでにこんなに勉強したことがないと言うぐらい勉強をしました。また、全体の学生数の割合から考えて日本人は少ないほうなので、いやでも日本語以外の言語が必要になります。 前置きはこれぐらいにして、私のDA留学開始ということで今回は2003年卒業設計をお送りしたいと思います。卒業設計のシステムは、数点の課題から一つを選び、担当教官と唯一1人でプロジェクトを進めていくことができます。また、DAの特徴としては、企業とのコラボレーションというのがあります。以前では、その企業と進めて行く上でよいデザインをする学生には、その企業での研修や製品開発に携わることができるなどの特典があったようです。 今回のテーマは以下の3つです。 (1) Il bagno canbia pelle (with TEUCO) (2) Digital Instruments (with Oregon Scientific) (3) Light for living space (with Artemide) (1)はシャワールームの提案、(2)は時計の提案、(3)は照明の提案となっています。 (1)ではシャワールーム全体の提案やプロダクト一つの提案、(2)では時計という機能に対して他の機能を追加したり、また、時間を知るとはどういうことかを考え、自ら考える時計を提案する、(3)では生活空間における光のあり方の提案となっていました。なにぶん今回は私が実際プロジェクトを行ったわけではないので、若干プロジェクトの目的とは異なるかも知れませんが、見学した上で感じたことなのでご容赦下さい。またプレゼンテーションでは皆がムービーを制作していて、このムービーを中心に説明していました。ムービーの質も高く、本物の製品のCMではないかと思うぐらいのものでした。なかにはムービーだけではなく、モックアップを制作しながら、各自趣向のこらしたプレゼンテーションとなっていました。 卒業設計展は、DAの校舎内で行われ、学生達が自ら展示を行い、各自グラフィックや模型、ムービーを準備し、展示をしていました。なかでも、ファッション学科の作品は特に見栄えのするものでした。展覧会初日には、卒業式も行われ、展覧会オープニングパーティーと卒業式を同時に行っていたので、学校中が人であふれかえり、音楽が鳴り、ワインと軽食がでて、賑やかなものでした。 この卒業設計展とプレゼンテーションを見て、改めて自分がここで生活と勉強がスタートするのだという実感と興奮を覚えました。特に海外での教育で重要なことは、教わるという受け身ではなく、自ら勉強をするという自発的な気持ちが重要だと思います。私も一年間という短い時間ではありますが、学校内外問わず、人から、街から、生活から吸い取ることができる知識、感覚すべてを吸収したいと思います。 今回のレポートでは、学校や教育の紹介だったので、興味の無い方には辛いものだったかも知れませんが、このような学校に留学する人間からみたミラノやヨーロッパが、実は生のミラノの情報であったりすると思いますので、あえて書かせていただきました。
イナガキマコトHP : border (2004年1月 イナガキマコト)
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