
TATE MODERN
Report 09_May.2006
イギリスに居て気付かされる事のひとつは、古い物を大切にする文化が根付いているという事だ。建物も家具も車もとにかく修理して使う。だから古い歴史のある物が残るんだと思う。日本に比べてボロボロの車も沢山走っている。日曜大工が上手な事がいい父親である事の条件であるとも聞いた事がある。リノベーションという言葉が日本でも流行っているかもしれないが、英国ではもともと修理して使う行為が習慣として日常に浸透しているようだ。
という事で、今回は代表的な公共リノベーション建築として有名な現代美術館、"TATE MODERN" について触れたい。以前はテートギャラリーに収蔵されていた20世紀以降の現代美術コレクションを移して出来た世界最大規模のモダン・アート美術館だ。最新のアートと古い建築物を上手に蘇らせたリノベーションが共存しているいかにもロンドンらしい空間だと思う。テムズ河沿いに佇む長方形の建物に長い煙突が一本立っているという外観(写真1)は、今はもうお馴染みだが、もともとはバンクサイド発電所という火力発電所だった。建物としても見栄えのするその発電所はもともとSir
Giles Gilbert Scottという建築家によるものだ。1982年に発電所が閉鎖した後はしばらく何の用途としても使われていない空っぽの状態が続いた。世界規模のコンペを経て、スイス出身の建築家ユニット”Herzog
and De Meuron”のリノベーションプランによって2000年に"Tate Modern"がオープンした。むき出しの柱を隠すわけでなく、もともとの建物が持つ特徴を生かしながら考えられたものだと言う。大き過ぎるくらいのダイナミックな吹き抜け(写真2)を見上げると、元々は何か違う用途で作られた建物であろう事を想像させる。高さ35m×長さ152mという巨大な空間は、かつてはタービンホールとして使われていた。付け加えられた水色のペントハウスと呼ばれる層のガラス窓から見下ろすエントランスホールの景色も面白い。その大きな吹き抜けの奥のスペースも展示として使われていたのを一度見た事がある。

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現在ギャラリーとして使われているスペースはかつてはボイラーハウスだったらしい。7層の建物は1階の緩やかなスロープを降りるメインエントランスと2階の河側から入る2つの入り口があり、2階の一部と3階4階5階がギャラリーとして使われている。1階、2階、4階にはShopがあり、2階にはcafeが、4階にはshopに併設されたespresso
barがある。4階は特別展示の階で様々な現代アート展が3ヶ月くらいの期間で開催される。6月4日まではAlbers and Moholy-Nagy : From
the Bauhaus to the New World(写真3)が開催されている。3階、5階はコレクションギャラリーの展示だ。ちょうど今2000年のオープン以来の展示のリニューアル工事をしていて(写真4)5階は閉鎖されている。20世紀の現代アートの鍵になる4つの時代Cubism,
Futurism, Vorticism, Minimalismに焦点を当てて改築予定らしく、この5月末に完成予定だ。6階はメンバーズルーム、7階はレストラン&バーがある。

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寄付は募っているが、特別展示以外は無料で入場できる。NFT(National Film Theatre)やヘイワードギャラリーなどテムズ河沿いに並ぶギャラリーにも近く、訪れやすい場所なので何度来ても飽きない。観光客も多いが地元の人もよく来る場所だと思う。頻繁に足を運ぶ人のために、6階には年契約のMembers
Roomがある。1年間のメンバーシップ契約をすると、4つのTATEギャラリー(Tate Britain, Tate Liverpool, Tate Modern,
Tate St Ives)の特別展示に無料で入れる。エレガントなメンバーズルームの利用、ガイド雑誌の送付、混んでいる展示の優先予約が出来る。ちなみに値段は£49(約1万円)。メンバーでないのでメンバーズルームの中を見た事は無いが、Tate
Modernの4階以上の階からはテムズ河を含むロンドンが見渡せ、とても見晴らしがいいことが大きな特徴だ。そして何となくおいてあるソファーがとても座りやすく、ついつい景色を前に長居してしまう。プライベートビューが1年間楽しめるのであればメンバーになる価値は有るのかもしれない。Tate
Modern オープン時間は、日曜日 − 木曜日 10:00〜18:00、金曜日 − 土曜日 10:00〜22:00で、金曜日土曜日は遅くまで開いている。2階の河側の出口には芝生もあり、晴れた週末には、そこでくつろぐ人達も多い。Tate
Modernはロンドナーの週末のための施設と言ってもいいかもしれない。

5.1Fのミュージアムショップは品揃えも多く、TATEオリジナルグッズも多い。
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6.2Fのミュージアムショップ。斜めに立つガラスは、とてもシャープな印象だ。
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7.2Fのcafe |

8.最上階にあるrestaurantとBar。眺めを楽しみに来た多くの人でいつも賑わう。壁面のペインティングも定期的に変わる。
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9.最上階7階から見た風景。右下に見えるのが真正面にあるミレニアムブリッジ。昔は揺れ過ぎるため危険ということで一時閉鎖されたがその後、補強され今では普通に通行可能だ。その先に見えるのがセント・ポール大聖堂。
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10.芝生でくつろぐ人達。 |
Tate Modern, Bankside. London, SE1 9TG
www.tate.org.uk
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