■近代建築
熱海市、2005年11月から旧日向別邸を公開
唯一現存しているブルーノ・タウトが設計した建築物である熱海市の旧日向別邸の地下室。これが漸く公開されました。昨年11月のことです。
今までは自由に見学できたのですが、この2月からは事前予約制度に変わりました。土日には100人以上の見学者があり、建物の管理の不備や説明員の不足が顕著になったようです。
タウトは他に、麻布の大倉邸、銀座のミラテスの3作品の設計をしているのですが、いずれも今は無く、残されたのはここ1つです。ここも長く、某大手企業の別荘になっており改修工事がされています。天井の表装材が変えられていたり、灯具を追加されていたり、これから、徐々に元通りにしていくんでしょう。
それでも、この会社は大切に使ってくれていたんでしょう、十分に当時の雰囲気は感じられます。
ご承知のとおり、タウトはナチスに追われる様に日本に逃げてきました。ナチスに配慮した、当時の経済界、建築界は、彼には建築家としての仕事をほとんど与えませんでした。その結果、日本でのタウトは、建築評論家、工業デザイナーとして有名です。そのタウトの唯一の作品ですが、地下室は写真撮影は許されておりませんので、熱海市のホームページの写真をお楽しみください。
・旧日向別邸 ブルーノ・タウト「熱海の家」
玄関脇の隠し扉?を開けて地下への階段を下ります。地下室といっても、急勾配の崖を使ってます。地下室マンションみたいなもんですので、日当たり良好です。灯具はこの写真の列になった電球だけです。これの釣元は、いぶして曲げた竹のチェーンです。階段の欄干も格子も竹。桂離宮の意匠をひねってモチーフにしています。
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| 庭から望んだ外観(庭の下に地下室がある。) |
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左●玄関
右●通りから見た外観 |
日向利兵衛というオーナーは、アジア貿易で名をはせた方ですが、なんとも剛毅な方だったようです。ナチスに逆らってタウトを使い、しかも予算・期限上限なし、ほとんど文句も言わなかったようです。(これこそがタウトが出した条件です。彼が敬愛する小堀遠州が施主に出していた条件だそうです。)
このオーナーは成金趣味の目が利かない成あがりじゃないのか、いえいえ建築を見る目はある方だと推測してます。というのは、旧日向別邸の1〜2階は、東京国立博物館や銀座和光を手がけた渡辺仁の作品ですが、ちょっとみると普通の住居です。ところが、内外の素材がすごい。。伊豆石の床、手づくりタイルの温泉風呂、天井・壁にいたるところまで、目立たないように檜や桐を使ってます。派手さは無いが、よく見ると・・・
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左●かつて、龍安寺を模した庭園があった庭。晴れた日には大島まで見通せます。
右●桧皮葺(ひわだぶき)の天井 |
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左●温泉風呂。寝湯まであります。床は全て伊豆石です。
中・右●壁のタイルは手焼きだそうです。 |
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熱海市役所お手製のパンフレット |
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