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[tansei.news]2007年「新日本様式」100選展

  2007年11月28日〜12月2日の5日間、東京・上野の東京国立博物館・表慶館2階において、(株)丹青社が会場設営をサポートさせていただきました『2007年「新日本様式」100選展』(主催:「新日本様式」協議会)が開催されました。

「新日本様式」は、常に新しい技術や文化をつくりだす「たくみのこころ」、全体への責任意識をもちながら個性を磨き、気品と気概のある生き方を求める「ふるまいのこころ」、そして異質な考えや新しいものを尊重しながら、自己を確立し、多様性と調和を重んじる「もてなしのこころ」という3つのこころを基本思想としており、わが国の伝統的な技術・デザインや機能、コンテンツを融合させ、現代生活に潤いと輝きを与える日本らしさを追求し、新しい日本様式を確立させようという試みです。

 今年、第2回目となる07年「新日本様式」100選では、選定対象161点の中から63点が選ばれました。昨年度の53点と合わせて116点の「新日本様式」100選が選定されたことになります。なお、優れた企業、個人等の社会的評価や新たなブランドの確立を目指すため、「新日本様式」100選に選定された商品には「Jマーク」が付与されます。

 今回の展示会では、63点全点を紹介するとともに、『「新日本様式」三望展』が同時開催されました。三望展は、「新日本様式」協議会ものづくり委員会が行なった「心」(こころプロダクト ワークショップ)、「食」(食卓文化 ワークショップ)、「間」(ウォール・トリートメント ワークショップ)の3つのテーマによるワークショップの成果発表の場として開催されたもので、本展と一体的に観ることで、「新日本様式」への理解を深めるとともに、新しい日本のものづくりの可能性を感じさせるものとなりました。また、会期初日の28日には、博物館内の平成館大講堂において、今年の100選を選定した評議会委員を代表して(財)機械産業記念事業財団 会長 福川伸次氏、建築家・環境デザイナー 彦坂 裕氏、東京藝術大学教授・同美術館 館長 増村紀一郎氏、デザイナー 宮城壮太郎氏の4名をパネリストに迎え『「新日本様式」100選シンポジウム』が開催されました。

 短期開催ではありましたが期間中3114名と、多くのお客さまの来場があったことは、日本の新しいものづくりへの関心の高さと、今後の「新日本様式」を展望するうえで非常によい契機となったといえるのではないでしょうか。

2007年「新日本様式」100選に選定されたプロダクツからコンテンツまで全63点が展示された 2007年「新日本様式」100選に選定されたプロダクツからコンテンツまで全63点が展示された
2007年「新日本様式」100選に選定されたプロダクツからコンテンツまで全63点が展示された

東京国立博物館・表慶館において開催。期間中3,000人を超える来場があった 東京国立博物館・表慶館において開催。期間中3,000人を超える来場があった
東京国立博物館・表慶館において開催。期間中3,000人を超える来場があった

「新日本様式」三望展

「新日本様式」協議会ものづくり委員会では、「新日本様式」の商品、コンテンツなどの開発、提供、新しいライフスタイルの実現を支援するための活動を行なっている。同委員会では、3つのワーキンググループを立ち上げ、これらの活動を具体的に推進するため、さまざまな調査・研究を行なってきた。

 今回、同時開催された『「新日本様式」三望展』は、こうした活動の研究成果の発表の場であり、すでに製品化されたハード・ソフトの評価を行なう「新日本様式」100選に対して、「新日本様式」の理念やスタイルをもとに具体的なものづくりを行なうことは、今後のわが国のものづくりを考えるうえで非常に重要なトライアルとなったといえるだろう。

三望展では、 「せつない」「あざやか」「なごやか」「こまやか」といった日本の「こころ」を出発点にものづくりの新たな可能性を探る「心」、多様化する現代の食の状況を「食の曼荼羅」として捉え、新しい食卓文化のあり方について提言する「食」、日本の住空間に深遠な印象をつくりだしてきた「仕切り」「飾り」という2つの行為を和の作法を用いた新しい設え(室礼)として表現する「間」の3つのテーマによる展示が紹介された。

)主催者である 「新日本様式」協議会理事長 中村邦夫(松下電器産業会長)様の挨拶 レセプションパーティーの様子 レセプション会場になった東京国立博物館・法隆寺宝物館
左●)主催者である 「新日本様式」協議会理事長 中村邦夫(松下電器産業会長)様の挨拶
中●レセプションパーティーの様子
右●レセプション会場になった東京国立博物館・法隆寺宝物館

三望展
総合展示ディレクター
 
道田 淳
(有)エイト・エフェクト 代表

道田 氏

 ウォール・トリートメント ワークショップでは、日本の伝統的な空間を仕切ると飾るという2つの手法に着目し、現代的な視点を加えた新しい表現が目指されています。
  日本の居住空間は、可変性があり、あいまいさや融通が利くところが特徴ですから、会期中同じ展示で通すのではなく、変化をつけるということで、初日は「晩秋のもてなし」、2日目は「初月の室礼」、3日目は「厳冬の美意識」、4、5日目は「春爛漫」と4つシーンで季節の移り変わりを表現する「うつろいの間」を提案しました。

 今回、3つのワークショップから出てきた素材を活かして、来場者であるお客さまにどのような形で伝えていくかということが私に課せられた役割だったのですが、同時に参加されたワークショップのメンバーが「三望展」に参加した意義や充足感を感じられるものとすることで、これからの日本のものづくりにつながるプロジェクトにしたいと考えていました。

 今回、ワークショップには多くの企業の方が参加しており、通常の企業活動のなかではつながりのもてない異業種間で交流できたことは非常に有意義だったといえるでしょう。共通言語がない者同士でものづくりをするということは非常に苦労を伴うものですが、こうしたプロセスを経ることは、日本のものづくりの基礎体力をつけるうえでも非常に重要な取組みであったと思います。


並河氏

こころプロダクト
ワークショップ
主査
 
並河 進
(株)電通 コピーライター

 日本の「こころ」をテーマにものづくりというものを考えてみました。日本らしい 「せつない」「あざやか」「なごやか」「こまやか」という言葉をキーワードに表現を試みたのですが、心象を表す言葉だけに、最初はメンバー個々にイメージする内容は異なるなど、難しい側面もありました。

 そこで、色彩、温度、香り、速度、質感、音色という6つの要素でそれぞれの言葉に対する成分分析を行なうという手法をとりました。これによりメンバー間でそれぞれの言葉に対するイメージの共有化を図り具体的なものづくりに向かうことができました。

 もともと「新日本様式」は世界に対して新しい日本ブランドを発信することが目的であり、三望展を海外でも開催できればよいなという思いもあります。日本のものづくりの技術的な側面だけでなく、エモーショナルな価値を伝えたいですね。  すでに数社の企業から「話を聞かせて欲しい」という反響もでています。三望展が、日本のものづくりによい影響を与えることができれば非常にうれしいことですね。


「食」
食卓文化 ワークショップ
主査
 
浅香 嵩
(社)日本インダストリアルデザイナー協会
理事長

浅香氏

 当ワークショップでは、「新日本様式」の概念で日本の食卓文化に何か提案できることがあるのではないかという問題提起があり、まず有識者を招いて「食」に対する知見を広めていくことからスタートしました。

 現代は核家族化の進行やライフスタイルの変化により、家族で食卓を囲む機会が減るなど、食のあり方が大きく変わってきています。

 そこで、季節の祭事を見直そうということで、議論を重ねるなかで、大勢で鍋をつつくための座卓やお膳、器の提案や、あるいは旅とか、家庭を離れたところの「食」としての新しいお弁当スタイルの提案も行なっています。

 今回の三望展では、意図する内容のいくらかでも伝わり、新しい日本のものづくりのきっかけづくりになれば、第一歩としては成功といえるのではないでしょうか。

 特に参加者それぞれが独自の意見をもち、異なる視点があることは私自身大きな刺激になりましたし、競合する企業がその壁を越えてコラボレーションできたことは、新しい日本のビジネスモデルをつくるためには非常にいい機会となったといえるのではないでしょうか。


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