| HOME > tansei.net22号 > 特集 指定管理者制度 |
インタビュー(株)丹青社 営業本部 クリエイティブセンター事業企画部長 プロデューサー/ [聞き手](株)丹青社 tansei.net 編集長 「指定管理者制度」は『官から民へ』という構造改革路線に基づき、 「住民サービスの向上」と ─「指定管理者制度」の概要についてご説明ください。 田村● 「指定管理者制度」とは、博物館や図書館、公園、保育園など、地方自治体が設置する『公の施設』の管理運営を、民間企業やNPOなど「民」の団体に広く委任する制度で、「行政サービスの民間開放」という構造改革の流れの中で、平成15(2003)年6月に「地方自治法第244条の2」の改正により創設され、同年9月から施行されたものです。 それまでは、地方自治体が『公の施設』の管理運営を委託できる団体は、地方自治体が出捐・出資した財団法人や第三セクターなどに限られていました。これを「管理委託制度」と呼んでいました。『公の施設』の管理運営に「民間」の参入を可能にした「指定管理者制度」は、「住民サービスの向上」や「行政コストの削減」に『民間のノウハウ』の活用を図ることを目的としています。 ─「管理委託制度」により『公の施設』の管理運営を行っていた財団法人や第三セクターなども、「指定管理者」の対象になるのですか。 田村● 財団法人や第三セクターなども指定管理者として運営することになります。 『公の施設』への指定管理者制度の適用について簡単に説明しますと、それまで「管理委託」を行っていた施設については、改正法施行から3年間の経過措置期間が設けられましたので、平成18(2006)年9月1日までに「指定管理者制度」に移行するか、または自治体が直接運営するかを各自治体が判断することになります。 また「自治体直営」の既存施設については「引き続き自治体直営」か、「指定管理者への委任に移行」かを、各自治体が検討・判断します。新規施設についても「自治体直営」か、「指定管理者に委任」するかを各自治体が決定します。 いずれにしても、行財政改革の流れの中で、「指定管理者制度」を導入する施設は増加していくものと思われます。 ─指定管理者への管理運営の委任に際し「利用料金制」が導入されるケースが多いと聞きますが、「利用料金制」とはどういう制度なのでしょうか。 田村● これは「管理委託制度」のときから設けられていた制度なのですが、入館料収入などの施設の利用料金収入を、施設の運営者の収入とすることで、運営者の経営努力が働くようにする制度です。つまり施設利用者が増えれば、それだけ運営者の収益が増すわけです。その収益をイベントの開催などにも弾力的に活用することができるので、施設利用者へのサービスの向上にも資することができます。 ─「PFI」(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、どのような点が異なるのですか。 田村● 「PFI」とは「民間資金等の活用による公共施設等の整備」のことで、公共施設等の建設から維持管理、運営まで、資金調達を含めて一括で民間に委ねる手法です。膨大な初期投資が必要なため民間側のリスクも高く、資金調達力の関係で大企業でないと参入が困難です。これに対し、「指定管理者」は、施設の管理運営業務だけであり、資金力もあまり必要としないため、企業だけでなくNPOなどの市民団体も参入することができます。また、事業期間も「PFI」は「10〜30年間」など長期であるのに対し、「指定管理者」は「3〜5年間」など、比較的短期という特徴があります。
行政・市民・利用者など ─丹青社の指定管理業務への取組みとしては、「埼玉県防災学習センター」の指定管理業務がスタートしましたね。 田村● (株)日立ビルシステムを代表とする共同事業体(JV)として、平成18年4月1日から、埼玉県防災学習センターの指定管理業務を開始しました。 約50年間の事業実績に基づく日立ビルシステムの「安全で快適な環境の提供」と、丹青社の展示業界のトップ企業としてのノウハウを活かした「防災に向けた交流拠点づくり」により、防災に関する効果的な学習機会を提供し、県民ニーズへの即応と効率的な運営を実践していきます。 防災に関する体験学習の施設ですので、施設の維持管理だけではなく、体験学習の指導など、この施設を通じて県民の防災に関する知識と理解を深める業務を行っています。指定管理期間は平成18(2006)〜22(2010)年度の5年間です。 ─平成19年3月にオープン予定の「島根県立古代出雲歴史博物館」の指定管理業務についても、4月1日から行っていますね。 田村● 「島根県立古代出雲歴史博物館」については、一畑電気鉄道(株)を代表とし、近畿日本ツーリスト(株)との3社の共同事業体(JV)により指定管理業務を行っています。 この指定管理業務の特徴は、資料収集、調査研究、展示企画等の「学芸業務」および「普及交流業務」のうちの教育普及活動の企画・実施や学校連携などは県が行い、指定管理者は「普及交流業務」のうちの体験イベント、WEBによる情報発信、友の会事務等のほか、「誘客・広報業務」や「施設管理業務」、自主イベントの企画・実施等の「自主事業」を担当していることにあります。 指定管理期間は、平成18〜22年度の5年間で、開館前1年間の誘客・広報活動等が含まれています。 ─「横浜人形の家」は「指定管理者」ではありませんね。 田村● 「横浜人形の家」は、リニューアルを機に、経営の独立採算を念頭に置いた自主・自立の管理運営方式を目指し、施設管理、受付・案内・誘導、企画事業を一元的に行うとともに、開館形態や事業展開など市民ニーズに対応する施設運営の「一括総合委託方式」が導入されました。そして、同施設を運営してきた(財)横浜コンベンション・ビューローから、丹青社・トーイズ・アクティオ共同事業体が管理委託を受け、施設運営を行っています。 共同事業体が行う業務の範囲は、「施設の運営に関する業務」「施設の管理に関する業務」「人形劇に関する業務」などで、・「横浜人形の家」の運営・管理に関する総合的助言、・人形等資料の保管管理・収集・活用、・常設展の相談・調整、・収蔵庫・研究室の管理、・館内ボランティア運用の応援、・大規模修繕、・データベースの管理、・モニタリングの実施・評価、・友の会関係などの業務は財団が行います。 ─最後に指定管理者制度への取組み方針についてお聞かせください。 田村● 丹青社としては、博物館など公共文化施設の「指定管理者制度」において、これまで培ってきた施設づくりのノウハウを活かしながら、行政サービスの一部の担い手として、市民サービスの向上や行政コストの削減、さらには市民に役立つ施設づくりとその活用まで幅広く貢献していくことを目指します。 取組みの方向性としては、コア事業である博物館や観光施設、行政広報施設などの文化施設分野における設計施工業務と、「指定管理者制度」における普及・集客事業などの管理運営業務を両輪とし、丹青社の強みを活かしたソリューションを提供していきます。
今後も、施設の管理運営業務の受託を拡大していくとともに、受託した管理運営業務を通じて施設運営ノウハウを蓄積し、コア事業である文化施設等の設計施工業務にフィードバックしていきたいと考えています。そして、個々の施設運営にあたっては長期的な視点で運営に携わり、行政・市民・利用者など『お客様』との最適なパートナーシップを確立していくことを目指します。 ![]() このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。 Copyright 2006 TANSEISHA.co.,ltd. All right reserved. |
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