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"海外ボランティア発祥の地"に誕生した JICA地球ひろば
1968年の開所以来、多くの海外青年協力隊員を世界各地に送り出してきた”海外ボランティア発祥の地“「広尾青年海外協力隊訓練所」が改修され誕生した「JICA地球ひろば」は、その『全国拠点』となるもので、施設を訪れる市民の「途上国の人々への共感や連帯感を育む場」となり、「国際協力に関わる市民団体の情報発信や交流、研修の拠点として利用される場」となることを目指している。 東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩1分に建つ地上5階建のビルに展開する同施設の1階には「体験ゾーン」「企画展示スペース」「カフェ・フロンティア」を配置。 体験ゾーンは、途上国の暮らしの現状や地球が抱える問題、国際協力の実際などについて映像や造形物などで展示。ゾーン中央のスペースには『地球案内人』と呼ばれるスタッフが常駐し、見学に訪れた市民と一緒に、「いま世界が直面している課題」を考え、「何か自分にできることはあるか」を探る。 企画展示スペースは、国際協力や国際理解等を目的とした活動を行う市民団体に貸し出し、パネル展示等によって、その活動などを紹介できるスペースとして活用。カフェ・フロンティアでは、世界各地の料理を、背景にある文化の紹介とともに提供。「居ながらにして海外体験を楽しめる場」として、国際理解の促進に役立てている。 また2〜5階には、企画展示スペースとともに「交流ゾーン」として講堂やセミナールームを設けるとともに、「団体オープンスペース」として団体ミーティングルーム、団体作業コーナー、団体掲示板、ロッカー、メールボックス、さらに46人まで利用可能な「宿泊施設」を配し、NPO等の市民団体の活動を支援している。 交流ゾーンや団体オープンスペースの施設を利用するには、事前に団体登録が必要で、国際協力活動もしくは国際理解教育活動(途上国を対象にしたものに限る)をしている団体、または、これから活動を始めたいと考えている構成員5人以上の団体で、その設立趣旨や活動内容が同施設の設置趣旨に沿っている団体が登録できる。
−まず最初に、「JICA地球ひろば」設置の目的をお聞かせ願います。 草野○JICAでは近年、『国際協力を日本の文化に』ということを提唱し、国内にある16のセンターで市民参加事業を展開しています。この国際協力への市民参加事業の全国拠点として「JICA地球ひろば」が設置されました。市民の間で国際的感覚を高めていくためには「理解して共感をもつこと」、「連帯感をもつこと」が重要です。また、途上国への国際協力や国際理解を目的とした活動を行っている市民団体の活動に対する協力・支援を総合的・一元的に行っていくための拠点が必要だと考えた訳です。さらに、中学生や高校生など次の世代を担う人たちが、地球温暖化や飢餓などの世界規模の問題や、途上国でいま起きていることなどに対し関心を寄せる「広い目」をもっていただくために、JICAがお役に立ちたいと思います。「JICA地球ひろば」は、これらの機能を集約した施設です。国際協力に関する情報や知見を「地球ひろば」に集め、そして全国のJICAセンターを通じて市民に発信し、多くの市民がそれぞれの形で国際協力するのを支援したいと考えています。 −お話の中に「市民」という言葉がございましたが、「地球ひろば」は、これまでのJICAの施設と異なり、「市民」を主役に据えていますね。 草野○日本と途上国との関係は、国家間の協力あるいは援助だけでなく、市民の発意によって市民同士が協力し合い、お互いの地域社会が元気になるようなものが増えていくことが重要だと思います。「国際協力を日本の文化に」するとは、そういうことだと考えています。この「JICA地球ひろば」では、多くの市民の方々が訪れ、途上国のことや国際協力のことを考え、語り合い、発信する場として活用いただければうれしいです。 −打合せスペースやメールボックスの無料貸出しなど、一般市民だけでなくNGOなど市民団体への支援にも力を入れられていますね 草野○NGOや学生サークル、地方自治体や大使館などに、自分たちの活動を発信し互いに交流するスペースを提供することは、冒頭に申し上げた『国際協力を日本の文化に』していくためには、非常に大切なことだと考えています。すでに70団体以上が登録し利用しています。また、JICAでは、草の根レベルでの開発協力プロジェクトや開発教育などの市民団体による活動を、各地にあるJICAセンターを通じて支援しています。「JICA地球ひろば」では、関東圏のNGOなどへの活動支援も行っています。 −国際協力や海外経験の豊かなスタッフを「地球案内人」として配置していますね。スタッフを置くことは、イコール運営費がかかるということで、一般的には敬遠されがちですが、それにもかかわらず、あえてスタッフの充実を図ったのは、どのような理由からでしょうか。 草野○訪れた人たちの意識が活性化され、自分の中で眠っていたものが揺り起こされ、自分にはこれができるかもしれないと気づいて、行動につなげていただくような空間にしたいと考えました。展示で臨場感を出すことはできるのですが、それを記憶の中に残して行動を起こす“くすぐり機能”のようなものをもたせることは、なかなか難しいことだと思います。せっかく「地球ひろば」にお越しいただいたからには、インパクトを強く受けて帰っていただきたい。そのためには、やはり人と人とのインタラクションが最も効果的だと考えました。また、「地球案内人」たちは、訪れた市民一人ひとりに合った国際協力は何かを一緒に考える相談役割や、「交流ゾーン」の利用案内の役割も担っています。 −展示では、途上国が抱える問題を示すだけでなく、途上国がもつ豊かな文化や素晴らしさなども紹介されていますね。 −年間5〜6回の展示更新を予定され、そのために展示の演出も、できるだけ動かしやすいもの、簡単に替えられるものにされていますが、頻繁に展示替えをしていく狙いはどういったところなのでしょうか。 草野○博物館や美術館のように展示物そのものに高い価値があれば、多くの人が来るのでしょうが、私たちが「地球ひろば」で提示したいものは、「国際協力の必要性」です。その背景にある、私たち日本人と同じように守られなければならない「途上国の人々の暮らし」や、暮らしを危うくする「開発問題」や「地球規模の問題」が展示物です。いつも同じものでは、誰も2度3度とは訪れてくれないと思います。JICAにはリソースがたくさんありますから、それをもとに展示を定期的に入れ替えていくことで、常に新しい情報を発信していき、リピーターを呼び込んでいきたいと考えています。 −これから国際協力に取り組もうという市民の方に伝えたいことはございますか。 草野○国際協力というのは「与える」とか「あげる」ではなく「一緒に行う」ということだと思います。「困っているから助ける」ではなく「一緒に何かできたら楽しい」、「お互いが元気になる」。それは「友達と一緒にするのと同じ」と感じられるように、多くの日本人がなれたらいいですね。 データ 2006年6月
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