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■Break! NEO専門店!! 連載16回 木村 達央 氏/ (株)ジャパンイマジネーションは、今年1月、わが国のレディスファッションの老舗企業である(株)デリカが、子会社である(株)クリスティアと(有)クロワールインターナショナルとの合併にともない社名を新たにしたものである。現在、同社は9ブランド、1美容室、計113店舗を展開。昨年のグループ売上は233億4400万円に達している。 新宿通りに開業した
木村 私はあまりそういうことに関心はないのですが、今年は設立60周年で、会社の還暦を祝わなければならない年廻りでした。いつの間にか業界の中では古手になり、同時に生き残り、と言われるようになってきました(笑)。
木村 そうです。戦後間もない1946年11月、新宿大通りの三越の並び、伊勢丹の斜め向かいあたりの場所に父親が開業した婦人服・子供服の洋品小売業が当社の出発点です。父親は大蔵省に入り、税務署勤めを経て一時期銀行勤めもしたという経歴の人で、独立してこの商売を始めたのです。
木村 普通のファッション会社とはまったく違う原点です。最初は「大東繊維」という社名だったのですが、すぐに「三恭」と変えた。父の恭也という名前からとったのですが、これだって硬い店名ですよ(笑)。
木村 やはり当社の歴史を振りかえると、いくつかの節目がありました。父親が店を始めた時。そして法人の設立。その次の節目は64年に新宿のステーションビル、現在の「新宿マイシティ」に出店した時です。
木村 その新宿ステーションビルに出店したということが、当社の方向性を決めたと思います。64年という年は、戦後の商業施設の歴史を紐解くとなかなか面白い年で、翌65年に渋谷の東急プラザができました。66年には新宿西口広場の所に小田急エースと呼ばれている地下街ができた。その次の67年には大宮ステーションビルができたのです。そして一年飛んで69年に池袋パルコがオープンしている。 このように、64年に新宿にステーションビルができた頃から、世の中がショッピングセンター、ファッションビル、駅ビルの展開時期となった。ステーションビルがスタートだったものですから、現在も当社の出店はJRさんが一番多い。その後、東急さん、小田急さん、それからパルコさん、と出店していくなかでだんだんに会社も大きくなり、店舗数も拡大していきました。
木村 そして次の転機となるのが、時代が大きく下がって1996年。これこそ私がこれまでいろいろなところで“渋谷にセクシーファッションの突風が吹いた”と言っている96年です。ここで会社自体の中身・方向性ががらりと変わっていきました。
社名を変え
木村 従来のデリカという社名は、72年に三恭から変更したもので、いい社名だと思っていました。ところが近年、「デリカテッセン」という言葉が使われるようになってから、「御社は飲食関係の会社ですか」と聞かれることが非常に多くなりました。株式公開会社の中にデリカと名乗る会社が3社ぐらいある。うちの「デリカ」はデリカシーからとったものですし、先に商標登録もしているのですが、こういう事態になるとどちらが先とか言っても仕方がありません。それで少し前から社名変更を考えていたのですが、ちょうど会社を合併することになったので、よい機会だから社名を変えようと決心したわけです。
木村 それはまだ遠い先のことだと思いますが、意気込みだけはということですね。それとイメージとしては、ジャパンイマジネーションという会社の下に、セシルマクビーだけでなく、いくつかのブランドを育てたいという思いがありました。 新しい社名を決める段階では、やはり株式会社セシルマクビーだな、と思っていた時期があります。「キリンビール」とか「味の素」という社名のように、メインブランドの名前をつけた方がいいのかなと。しかし、そうするとセシルマクビーだけになってしまう。やはり当社としては、今後、セシルマクビーに比肩するブランドを育てていきたい。それとめでたく還暦を迎えた会社ですから、ここで生まれ変わる必要もあると。そんな思いも込めて社名を変えたわけです。
SHIBUYA109
木村 そんな大袈裟なものではなく、これは運が良かっただけです。私はかなりの運命論者なんですよ。ベストを尽くしたあとは運だと。セシルマクビーが大化けしたことも、別に秘話など何もないのです。ただ運が良かっただけです。
木村 そうです。109ができた時にデリカで出店しています。今と同じ場所ですが、面積は半分でした。ずっとそこそこの売上げだったのですが、もっと成績を伸ばそうということで、セシルマクビーに変えることにしたのです。もっとも当初は今とはかなりテイストの異なる業態でしたが。
木村 109の売上が1990年のピークを境に落ち込み始めると、109としてはこう考えたわけです。渋谷の街にはこんなにたくさんの若い子がいるのに、一歩、ビルの中に入ると誰もいない。街にいるお客さまが109に入って来るようなテナントに業態変更をしようと考えたわけです。この単純明快な発想が109のリニューアル成功の秘訣だと思います。
木村 当社の業態開発とかブランドの開発というのは、あなたまかせの部分もある(笑)。デベロッパーやお客さまからの要望を受けて創ってきた。
ただし、カリスマ販売員という発想は素晴らしいと思います。理想的なのは、カリスマが店長だけでなく、販売員一人一人がカリスマになることです。なぜならカリスマというのは、お客さまから見ると憧れの対象ですから。 たとえばセシルマクビーであれば、セシルマクビーの服を着て素敵に見えないとカリスマにならない。ブランドで仕事をする人に一番大事なことは、確かに接客の言葉遣いも大事ですが、それ以上に自分自身がそのブランドになりきることです。そういう意味でまさにカリスマ販売員というのは、ブランドの販売員の理想型だと思います。
いい人・いい人材が 集まれば
木村 セシルマクビーは3月に新店が静岡にオープンしますので40店舗になります。当社の今決算期の売上げは213億3700万円、これは1月元旦に合併しましたので、昨年の旧デリカの売上げに旧子会社の1月の売上げが加わった数字です。現時点の会社規模としては業態数は9ブランド、1美容室、店舗数は113店舗、社員数が常勤・パート込みで約800名です。地域的には北は札幌、仙台、南は福岡まで。その間は広島、岡山、金沢、新潟、浜松、静岡のほか、大阪、京都、名古屋、関東圏の主要都市に展開しています。 基本的な考え方としては、店舗をつくり過ぎないという点に尽きるということです。諸先輩の例を見ても、小売店が駄目になる9割の理由はお店のつくり過ぎだと思います。問題はそのブランドにとっての適正な規模はどの程度かということですね。これはそれぞれのブランド、そのターゲット、その特徴、それをやる会社のさまざまな力などによって異なってきます。
木村 この間日本ショッピングセンター協会でそのことについて講演をしたのですが、私は一番大事なのは、テナントとデベロッパーの役割分担を双方がちゃんと理解しあうことだと思います。SC草創期のころはデベロッパー、テナントの双方が素人でした。ですから両者が協力しあって運営にあたるといった一体感があり、そういう時代が長く続きました。ですが、SC間の競合が激しくなってきた近年以降、デベロッパーもテナントも素人ではやっていけなくなり、双方がそれぞれの分野のプロであることが求められるようになりました。ところが、プロ同士の新しい関係が、まだちゃんとできていないし、十分な自覚もされていない。そこのところに双方のギクシャク感が生じていると思います。
木村 デベロッパーの場合は、まずコンセプトメーキングとテナントを集め、そしてテナントの力を引き出すような日々のオペレーション(宣伝・販促活動)。テナントはMDとCSです。この双方の役割分担を平等の立場でお互いに努力し達成すること。こういう関係が発展するSCの条件です。
木村 そう、そう。世の中が急速に変ってきていることをもっと強く自覚する必要があります。
木村 その質問が一番困りますね。私は、父親もそうだったのですが、基本的にファッションというのが全然わからないのですよ(笑)。
木村 それが当社の創業以来の基本的な仕事の取り組み方です。SPAでなければこれからのファッション業界は生き抜けないと言われてきましたが、私達は、品揃え型専門店として究極のビジネススタイルを追求してきました。
木村 今までのデリカ時代のキャッチフレーズは「素晴らしいデリカを創ろう」というもので、サブ・コピーは「より楽しく・より豊かに・より美しく」というものでした。社名を変更したので、キャッチフレーズも変えないといけないのですが、基本的にはそういう会社にすることが、今も私の夢ですね。ともかく、まず、いい人・いい人材がどんどん集まって来てほしい。そうなれば毎日一緒に仕事をしていても楽しいし、個人的にも幸せになれる。私は経営者ですが、何年後に何店舗にしたいとか、何年後に売上げをいくらにするなどということは、あまり考えていません。もちろん単年度の売上目標は立てますが、それよりも小売業の業績というものは、先ほど申し上げたように、5つの要素の結果だと思っています。これをトータルに高めていけば自ずと業績はよくなると確信しているからです。 そしてそのために一番大事なのが人です。ですから本当によい人材がどんどん集まって来るような会社にすることで、企業として成長し業績につなげていきたい。そういう会社になって、もうあまり社長のやる仕事はないなぁ…という心境に達するのが、私の夢です(笑)。
関連サイト : (株)ジャパンイマジネーション
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