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「東山魁夷の人間像」を伝える記念館が"ゆかりの地・市川"に誕生
 
 市川市東山魁夷記念館

 20世紀の日本を代表する日本画家である東山魁夷画伯の画業を顕彰し、その人間像を伝える「市川市東山魁夷記念館」が2005年11月12日、画伯が生涯の大半を過ごした千葉県市川市に開館した。
 東山画伯は、戦後まもない1945年(昭和20年)から99年(平成11年)に逝去するまでの50余年間にわたり市川に在住。画伯が自ら「私の戦後の代表作は、すべて市川の水で描かれています」と語るように、市川の地は、画伯の生活および芸術の原点といえる。

東山魁夷画伯が生涯の大半を過ごした“ゆかりの地・市川”に開館
東山魁夷画伯が生涯の大半を過ごした“ゆかりの地・市川”に開館
 市川市では現在、『彩り豊かな文化と芸術を育む文化都市』をコンセプトに“街かどミュージアム”と名付けた文化活動施設のネットワークづくりを推進。寄贈された民家や文化資産などを保全するとともに積極的に活用し、文化活動の拠点となるように整備を進めているが、市川市の名誉市民でもある東山画伯の画業を称え顕彰する同記念館は、この「街かどミュージアム都市づくり」の中核的な施設となる。
 地下1階地上2階建の建物は、画伯の人間形成、そして東山芸術の方向性に影響を与えた「留学の地・ドイツ」に想を得た八角形の尖塔のある西洋風の外観が特徴で、エントランスは八角形の塔の下に設けられ、エントランスホール右手が展示室棟で、『人間・東山魁夷』をコンセプトに、1階展示室に画伯の人生を辿る資料を展示し、2階展示室には東山作品と会する展示空間が広がる。
 またエントランス左手には、映像資料を上映するほか講演会などに活用する多目的室や、オリジナルグッズや絵葉書、図録などを販売するミュージアムショップ、窓から光と緑が差し込む開放的な空間の中で軽食や喫茶が楽しめるカフェレストランを配している。
 年間入館者数は10万人を目標としているが、開館記念特別展「東山魁夷の軌跡」が開催された05年11月12日〜06年1月15日の49日間で約1万6000人が来館。来館者は、市川市内からが約40%、市川市以外の千葉県内からが約40%を占め、千葉県外からの来館は約20%だが北海道から九州まで日本全国に広がっている。
 同館では、作品展示のみならず資料展示についても定期的に展示替えを行い、常に新しい情報を発信していくことで記念館のファンの拡大を図っていきたい考えである。

建物は東山画伯の人間形成や東山芸術の方向性に影響を与えた留学の地・ドイツに想を得た八角形の塔のある西洋風の外観が特徴 八角形の塔の入口を入ったところがエントランスホール。インフォメーションの右手に展示室、左手にはミュージアムショップやカフェレストランを配置
(左)●建物は東山画伯の人間形成や東山芸術の方向性に影響を与えた留学の地・ドイツに想を得た八角形の塔のある西洋風の外観が特徴
(右)●八角形の塔の入口を入ったところがエントランスホール。インフォメーションの右手に展示室、左手にはミュージアムショップやカフェレストランを配置

1階展示室は東山画伯の人生を追体験できる資料を展示 1階展示室は東山画伯の人生を追体験できる資料を展示
1階展示室は東山画伯の人生を追体験できる資料を展示

2階展示室は日本画をはじめスケッチ、リトグラフなど東山芸術の世界に浸れる空間 2階展示室は日本画をはじめスケッチ、リトグラフなど東山芸術の世界に浸れる空間
2階展示室は日本画をはじめスケッチ、リトグラフなど東山芸術の世界に浸れる空間

2階の尖塔下のスペースは休憩室となっている 多目的室では映像資料を流すほか講演会なども開催する
(左)●2階の尖塔下のスペースは休憩室となっている
(右)●多目的室では映像資料を流すほか講演会なども開催する

ミュージアムショップでは絵葉書や図録、オリジナルグッズを販売 カフェレストラン「白馬亭」。店名は東山画伯が作品のモチーフとして多く描いた白馬にちなみ命名された
(左)●ミュージアムショップでは絵葉書や図録、オリジナルグッズを販売
(右)●カフェレストラン「白馬亭」。店名は東山画伯が作品のモチーフとして多く描いた白馬にちなみ命名された

市川市東山魁夷記念館 施設長
大瀧 晴夫

"東山画伯ゆかりの地"ならではの施設として
「東山魁夷」の人物そのものに触れ
その芸術にも触れられる施設を目指します

大瀧氏
 1945(昭和20)年に熊本で終戦を迎えた東山魁夷先生は、市川市高石神に仮寓し制作を再開され、以来、1999(平成11)年にお亡くなりになられるまでの50余年、市川にお住まいになられました。
 東山先生といえば、それこそ日本人なら誰もが知る国民的な画家です。しかし、その方を顕彰する施設が、その生涯の大半を過ごした土地にないのはいかがなものかという話は、市川市でも以前からありました。
 そうしたなか、美術学校で同窓であった建築家・吉村順三氏の設計により1953(昭和28)年に建てられた現在の東山先生の御自宅の近くに土地が購入できることになったことから、施設の建設について具体的に動き出したのです。
 市では、東山先生の奥様をはじめ、先生をよく知る方をメンバーとするアドバイザー会議を設け、東山先生を顕彰していくためにはどういう施設がいいかという話し合いを重ねました。
 当初は、美術館という案もありましたが、すでに長野県信濃美術館に東山魁夷館があり、東山先生の作品の多くは同館に収蔵され、展示されています。
 そうしたこともあり、“東山先生ゆかりの地”である市川ならではの施設として、作品の展示だけではなく、画家であると同時に、文筆家でもあった東山先生の人物像そのものに触れ、合わせて、その芸術にも触れられる施設をつくれないかという話になりました。
 そこで「記念館」という方向性が明確に打ち出され、今回の市川市東山魁夷記念館の開設となったわけですが、将来的には東山先生の御自宅を譲り受けて「資料館」にするという覚書を市と東山家の間で結んでいます。
 記念館の展示室は現在、1階展示室を資料展示、2階展示室を作品展示としています。資料展示というと、どうしても常設になりがちですが、当館では作品展示だけでなく資料展示についても、テーマを設定して展示を変えていきたいと考えています。
 開館してまだ2か月ほどですが、東山先生のファンの広がりには改めて驚きました。
 東山先生が書かれた原稿や手紙など「ここでしか見られない物」を見ることができるということで、北海道や九州から、お越しになられる方も少なくありません。
 また、先生の代表作のひとつである「道」という作品は、青森県八戸市の種差海岸を描いた絵なのですが、ついでではなく、その絵を見るために八戸からお越しになられる方もいらっしゃいます。
 その意味で、奥様をはじめ東山家には、資料の提供をはじめとして、さまざまな面でご協力いただいており、非常に感謝しております。
 なるべく多くの人に、多くのところから来ていただきたいと考えていますが、そのためにも今後ますます、展示企画の充実を図るとともに、講演会や演奏会などのイベントなどについても企画していきたいと考えています。


データ 2006年4月現在
[所在地] 千葉県市川市中山1-16-2
[オープン] 2005年11月12日
[建築・事業主体] 市川市
[敷地面積] 2,800.94m2
[建築面積] 522.00m2
[規模] 地下1階地上2階建
[延床面積] 1,388.37m2
[施設内容] 1階展示室(150m2)、2階展示室(130m2)、多目的室(30m2)、情報コーナー、ミュージアムショップ、カフェレストラン「白馬亭」
[駐車場] 20台(有料)
[開館時間] 10:00〜17:00
[休館日] 毎週月曜日(祝日にあたる場合はその翌日 )、年末年始(12月28日〜1月4日)
[通常展観覧料] 一般500円(400円)、高校・大学生250円(200円)、中学生以下無料
※( )内は団体(25名以上)
※特別展開催の場合は別料金
[URL] http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/higashiyama/index.html
 

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