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■JRが誕生して20年となった。エリアごとに株式会社に分割された中、JR九州の列車デザインは突出した美しさがある。先日、大分から博多、鹿児島と九州を横断した際、その美しさに浸ることができた。大分からはソニック40号に乗車。白いかもめと呼ばれる丸みを帯びたスタイリッシュなフォルム。車内は黒の革張りシート、木を多用した内装でゆったりした空間であり、ベンツの高級車に乗っているような心地良さであった。翌朝は博多より鹿児島中央に向かう。まだ新幹線が途中の新八代から鹿児島中央までしか開通していないため、博多と新八代間はL特急リレーつばめ号に乗車。グレーの色合いに重厚感と優雅さを併せ持ったデザイン。今回は初めてグリーンに乗車し、新八代までの1時間45分の列車体験をした。新八代から鹿児島中央までは新幹線つばめに乗り換え、優しい丸みのあるフェイス、日本の美を表現した上品な内装の車内と共に、新幹線は鹿児島中央まで快走した。
■美しさは列車のデザインだけではなく、車内で働く客室乗務員や車内販売員の対応、振る舞いが美しく、内から外から滲み出るその“所作(しょさ)”は感動的な“躾(しつけ)”が備わっているようだ。車内での案内インフォメーションから始まり、飲料サービス、新聞・雑誌のサービスなども小気味よく、車窓の楽しさが助長する。ユニフォームも清潔感あるブレザースーツが良い印象を与え、客室乗務員から車内販売員まですべて髪を後ろで束ねたシニョンのヘアースタイルであった。ここまで統一感があってもお仕着せ感がなく、キリッとした雰囲気と程よいホスピタリティが感動の空気感をつくっていた。
■列車デザインから接客デザインまでJR九州のソフト戦略は、大きなファンづくりに成功した。そのデザイン戦略で活躍したのがドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏である。水戸岡氏はインテリアデザインから、幅広く列車や駅舎までデザインの領域を拡げている異彩なクリエーターである。だからこそ、車内のカーテンや座席のデザイン、材質などにも細かい工夫と個性が生きている。このデティールへの拘りの積層があるからこそ、感動の空気感が醸成されているのであろう。詳しくはtansei.net23号での水戸岡氏と牛建務氏とのトーク:Design対談から、水戸岡氏のフィロソフィーを覗くことができる。あらためてデザインの大切さ、底力を感じ得た九州の列車であった。
■さて、鹿児島中央駅内には質量ともに心がひかれる素敵な焼酎BARがある。焼酎どころの鹿児島らしさが駅にあるのも嬉しい。街に出れば風情ある路面電車が走っているが、これがまた鹿児島らしさを放ち、線路には芝生が生育した緑が街を優しく包む。天文館通りの大動脈の賑わいと、周りの路地のストリート文化も妙に優しさが漂う。JR九州の列車は、街の中にも小さな感動を運んでいるようだ。
■感動マーケティング視点⇒1.列車であっても、ハードとソフトのデザインを戦略化することで、移動するための交通機関から、感動を生み出す交通機関になる。
2.ローカルの楽しさは、そこならではの優しさに遭遇することであり、その体験は感動に変わることがある。

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1●L特急リレーつばめ号の重厚感あるフォルム
2●つばめ号客室乗務員のレベルの高いホスピタリティ
3●現在、九州新幹線は新八代から鹿児島まで走る |

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4●街なかのBARではありません。鹿児島中央駅内の焼酎BARです。
5●街なかを走る路面電車。線路には芝生や花壇がある。
6●賑わいを見せる天文館通りのアーケード |

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7●路地に入ると個性的な物販、飲食店が並ぶ
8●ローカルフーズ白熊のお店はたくさんあります |
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