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■世界の都市を探求するとき、必ず訪れたいのがマーケット、いわゆる市場である。マーケットに出掛けると、普段の生活風景を体感することで、その街のライフスタイルが覗ける。そして、Face to Faceのコミュニケーションをしながらの楽しいショッピングで、活気やエネルギーを感じることができる。欧米の多くの都市では広場や公園、街路を使った市が定期的に開かれ、街の風物詩の一つになっている。
■ニューヨークでは“ユニオン・スクエア”で週4回開催されるグリーン・マーケットは、ニューヨーカーの台所を支える質量共に人気のマーケットで、ユニオン地区の庶民だけでなく、有名レストランが点在するグラマシーからもプロの料理人がやってくる。パリは市内に70カ所以上もあり、マルシェ(市場)と呼ばれる。“マルシェ・ラスパイユ”は地下鉄レンヌ駅で降り、地上に上がると道路の真ん中の広い緑地帯で開かれている。野菜や果物が豊富でオーガニック市も有名で、近くには私の大好きな世界最古の百貨店ボン・マルシェがある。ロンドンは、先般の日本SC協会の月刊誌にて執筆した“ロンドンの街・SCづくり事情マーケット”の文中にあるように、イギリスではマーケットも商店や地域住民と共生していくという街構成員の意識が強く、どんな小さな町にも存在する。カテゴリーの山積みばかりのつまらない街よりも、地域特有のライフスタイルやコミュニティーづくりを中心市街地に求めていることがわかる。
■7月に訪れたアメリカ西海岸北西部の都市ポートランドでは、感動的な“サタデイマーケット(&サンデイ)”に出掛けた。3月から12月24日までの土日に開かれる青空市で、30年の歴史があるマーケット。路面電車の線路を隔てて、橋の下で開かれるサタデイマーケットと、スキッドモアマーケットに分かれ、後者は飲食中心に何を売ってもいいマーケットであるが、サタデイマーケットは独創性のある手作りの商品という規則がある。例えば、Tシャツもここだけしかないデザインのもので、バッグや靴も手作り、その他アート作品や個性的な雑貨が並ぶ。面白いカテゴリーでは、タトゥーやネイル、似顔絵書きもオリジナルなので規制の枠内にあり、圧巻だったのが猫専用の枕のお店で、中にマタタビの香りを仕込んであるユニークなものだった。サタデイマーケットを訪れる人々から生まれる笑みも、小さな感動とともに日常生活の活力になっていくようだった。
■さて、世界を代表する都市の中で、生活者に愛され、来訪者に感動を与える常設マーケットが無いのは東京だけではないだろうか。マーケットは良質な人と人とのコミュニティーを創る効用がある。東京が真の創造都市と呼ばれるには、コミュニケーション・デザインづくりが重要な都市戦略になるであろう。
■感動マーケティング視点⇒1.なんでもありの雑多な市場ではなく、ポートランドのようにコンセプトをつくり、その枠での規制があることで、個性的で感動的な市場になっていく。
2.世界どこでもマーケットは大人気。SCでも、その地域らしい品揃えのマーケットや、朝市や夜市などを導入すると集客の柱になる。

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1●パリのマルシェ・ラスパイユは野菜や果物が豊富に並ぶ
2●イギリスのどんな街にもあるマーケットはコミュニティー業態として親しまれている
3●ポートランド・サタデイマーケットは一日中大勢の人で賑わう |

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4●ここしか買えないサタデイマーケットオリジナル猫専用枕のお店
5●思わず購入したアートフルなマグネットの店主はハンディキャッパー
6●タトゥー貼る店も客のリクエストに応じたオリジナル。店主の服装が面白い。 |

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7●子供の似顔絵を書くアーチストと子供をあやすパパ
8●微動だしないパフォーマーもサタデイマーケットの楽しい雰囲気をつくる |
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