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■2年前に開催された21世紀最初の国際博覧会「愛・地球博」。“自然の叡智”をテーマに設定し、当初は自然や環境という地味な題材で人が呼べるのかと危ぶまれていたが、結果185日間に2200万人が訪れた大成功の博覧会であった。私も2度出掛けたが、今思い返して見てもあの感動が蘇ってくるのが、「国際赤十字・赤新月パビリオン」である。オープン当初は目立たない存在であったが、来館した人々の口コミによって伝播し、しばらくしたらグローバル・コモンのエリアでの最大人気パビリオンとなってしまった。詳しくは、tansei.net19の愛・地球博視察ツアー記をご覧頂きたいが、世界で起きている悲惨な現実、そしていかに命の大切さを教えてくれたその映像メッセージは、人々の心に大きな感動をもたらした。私の隣にいた若い女性は泣きながら、「長い時間並んだかいがあったね」と一緒にいた友達と話していた。“とかく今の若い者は”と、いぶかしそうな視線を送る大人が多いが、どの時代であっても、どの世代であっても感動を求める心は不変である。
■最近の新聞にて、SMAPの中居正広さんが主演で「私は貝になりたい」が映画化されるという記事を見た。この映画は昭和33年に公開されたフランキー堺主演での戦争、そして東京裁判での非条理な運命に巻き込まれた普通の理髪店主の物語である。召集された主人公が、上官の命令で米兵捕虜の腕を刺したことで、戦後に絞首刑の判決を受けたドラマ。最後に「もう人間なんていやだ。兵隊に取られる事も無い。そうだ私は貝になりたい」と言葉を残した。小さい頃、白黒画面でのテレビ放送見たことがあり、その記憶はずっと残っていた。それを再び目にしたのが、9年程前の夏、小田原高校の文化祭に出掛け、教室で行われた高校生達が演じた劇が「私は貝になりたい」であった。冷房も無い教室に暗幕を張り、大道具・小道具も簡素な舞台装置ながら、真面目に真っ直ぐに心を打つ展開に、観客は大粒の涙を流さずにはいられなかった。演じた彼らもフィナーレは涙、涙の渦であった。何故、このシリアスな題材を選んだのか不思議であったが、クラスメートと一緒にこのテーマに取り組み一緒に表現した彼らの青春が羨ましくもあった。きっと生涯の思い出になっていることだろう。
■前述の国際赤十字の話に戻るが、この展示プロデューサーは丹青社のコミュニケーションデザインセンター洪部長であった。実は丹青社が係わったことを知らずに入館し、いったい誰がこのようなシナリオ、デザインをやったのだろうかとパビリオンの人に聞いて初めて知った次第であった。近くにはアメリカ館があって、オーディオアニマトロニクスのディズニーランド調のロボットが派手に演出をしていたが、意外と人気はしぼんでいった。瞬時の驚きよりも、心にロングセラーのメッセージを送り届けることは難しいが、それを表現することが、今の時代の要請なのだろう。しかし、愛知万博の話になると、今だに国際赤十字館の話題になる。感動の大きさそして質が展示の世界にも問われてきている。
■感動マーケティング視点⇒1.バラエティーが氾濫する現在、世代を超えて感動できる作品が希求されている。
2.SCにおいても、モノの豊かさでの施設提供から、環境共生、人とのふれあい、コミュニケーションなどのココロの豊かさでの尺度が、顧客満足度を押し上げる時代になってきた。

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1●愛・地球博「国際赤十字・赤新月パビリオン」に並ぶ人々
2●シアター内部では赤十字の白壁、赤いソファーに寝転び天井からの映像を見る |

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3●来館者がそれぞれ感じた展示映像での思いを綴るコーナー
4●世界各国の人が一日200枚のメッセージを残した |
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