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2007年4月12日
丹青社 リテールクリエイションセンター
松本 大地 |
■尊敬する恩師の1人に、一橋大学の米倉誠一郎教授がいる。先生には、アーク都市塾ビジネススクールのイノベーション・エッジコースにて、数々のマーケティングの考え方をご教示頂いた。そこで、日産や、シャネル、虎屋などの成長戦略を考察した際、時代を担うキーワードとして、ヘリテージ&イノベーションを学んだ。過去の歴史や文化を継承しつつ、時代の変化に対応した改革が重要であり、目には見えないが伝統を守りながらも、小さな変化・変革をする企業や街が息づいている。それは不易流行と呼べる。
■日本毛織は1896年(明治29年)創業のウールの総合メーカー。1919年に操業した印南工場(加古川市)は、伝統を大切にしながらも、未来に向けて挑戦する不易流行の教本であった。ピーク時は5000名の人が従事し、その家族や関係先を含めれば、加古川は日本毛織の企業城下町であった。現在、255名体制で、主力の毛織物を生産しているが、生産量は変わっていない。変わったのは近代技術の導入により、多くの工程が人の手から機械に変わったことである。しかし、不変なのは染色の最終判断をする熟練の目であり、出来上がった毛織物をすべて検品する目であり、手である。これは変わらぬヘリテージであるとともに、世界のマーケットに対応するブランドという信頼に繋がる。新しい生産技術の開発やコスト対応のためのイノベーションは凄まじいスピードで進んできた。このクルマの両輪のような関係は、企業の成長戦略には欠かすことはできないと思った。
■企業城下町の栄枯盛衰はその企業の行く末に左右される。ピーク時の加古川ではニッケの工場長が異動すると、町をあげてのパレードがあったとのこと。いまだに残っている事務所や寄宿舎、要人を迎えたゲストハウスは近代産業遺産であり、実際使用されていることに感動を覚えた。反面、企業城下町の商店街は時代対応できず、すっかり寂れてしまった。どのような業種であっても、時代とともに生き続けるにはイノベーションが重要であるが、ヘリテージをどう今に活かしていくかが問われているようだ。
■感動マーケティング視点⇒1.時代が変わっても受け継いでいく技や術がある。心がこもったモノづくりには感動が内包されている。
2.成熟社会だからこそ、企業経営にはヘリテージ&イノベーションが成長戦略になる。

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1●加古川駅からニッケ工場まで続く寺家町商店街も昔の輝きは褪せている
2●大勢の人が行き交った昭和30年代の寺家商店街
3●何故か婚礼関係の儀式用具のお店が3店舗あった。 |

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4●印南工場の事務所は木造建築のノスタルジックな佇まい
5●機械ではこなせない熟練した職人の手・技能
6●周辺には寄宿舎が今も使われ、工場同様にゴミ一つ落ちていない。 |

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7●桜グリーンを従えた美しいレンガの外観
8●機械で出来るところは徹底したIT技術を導入している
9●最後はすべての商品を職人の目がチェックし、完成品となる |
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