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2007年1月10日
丹青社 SCマーケティング研究所
所長 松本 大地 |
■1月6日付日経新聞NIKKEIプラス1に、日本全国のおすすめ宿ランキングが掲載され、西日本1位は「由布院玉の湯」、東日本1位は阿寒湖温泉の「あかん鶴雅別荘 鄙(ひな)の座」が選出された。以前、玉の湯も訪れたが、特に阿寒湖の鶴雅は印象が深い。鶴雅グループ代表である大西社長は、阿寒湖に「鶴雅」「鶴雅別荘鄙の座」「花ゆう香」、サロマ湖に「鶴雅リゾート」の4つの大型宿泊施設を経営している。昨夏は休暇を利用し、阿寒湖温泉の商業活性化の講演やディスカッションをする機会があり、大西社長や町の街づくりメンバーとも親交を深めることができた。その際、「花ゆう香」に宿泊し、「鶴雅」でも館内視察したが、東日本NO.1に選ばれるだけの、ホスピタリティ、環境デザイン、食事や温浴施設、エンターテインメントなど、超一流の感動価値創造を実体験した。ここは単なる宿泊施設ではなく、大きく深い感動施設であった。
■阿寒湖温泉は釧路空港より1時間の距離にあり、アイヌ文化と豊な大自然に育まれ、湖ではマリモが生息、ヒメマスの原産湖そして良質な温泉を備えた人気の温泉地である。ここ阿寒でも、過去の観光スタイルは新婚旅行、団体客中心の宴会、パック旅行と推移していったが、最近は女性グループ客やファミリーなどの個人にシフトしていった。そのライフスタイル変化による新しい観光ニーズに呼応し、旗振り役を果たしているのが鶴雅グループである。日経トレンディ2006年10月号にて、「視察ラッシュの店探訪」特集があり、どんな業界にもライバル企業の視察が殺到するカリスマ店ということで、21回感動マーケティングでのラッキーピエロとともに、「あかん遊久の里鶴雅」が取り上げられた。何故、普通の大型観光旅館が、ナンバー1に成りえたのだろうか。
■この問いのマスコミ取材を受けたとき、「宿に着いた瞬間からチェックアウトの時間まで、“すべての目線が宿泊客に向いてる”そのサービスが徹底していること」と評した。小さな高級旅館のきめ細かいサービスは当たり前だが、最大収容人数1000名を超える大型旅館で質の高いサービスを実現していることが凄いことである。その秘訣は、あらかじめ客から想定される要求を先回りして応えていることにある。例えば、部屋に入り自分のサイズに合わない浴衣であるならば、フロントに連絡し違うサイズを持ってきてもらうことになる。ここでは、いくつもの浴衣がサイズ別に揃っていることでその問題は解決され、スタッフの負担も軽減される。胃薬、老眼鏡、裁縫道具など細かいものも用意されている。大西社長は「小さな事でも客にとって良いことが重なれば、顧客満足度は一気に高まる」と話す。その他、鶴雅では食事、入浴施設も一流のレベルであり、サービスパワーが先導し、商品、空間のパワーが相乗していることで、期待以上の体験満足感が達成されているのである。
■成熟化社会においては、数量的に計ることができない楽しさ、面白さ、心地よさなどが差別化要因になり、期待以上の喜びや体験に遭したとき生まれるのが“感動”である。その価値を創造するマーケティング活動全般を“感動マーケティング”と概念付けている。人口減少に伴う内需縮小という未知の経営環境に直面する現在、その解決策は感動価値創造にあると強く思う。
■感動マーケティング視点⇒1.感動は期待以上の場面に生まれる。よって現場では対応力だけではなく、一歩進めた提案力を高めなければ感動は創造できない。
2.観光産業は有望な成長産業。時流にあった商品開発、サービス開発により、市場は拡大する。特に女性グループやおひとりさまマーケットは狙い目である。

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1●自然環境に恵まれた阿寒湖の雄大な夕日
2●鶴雅の前はアイヌコタンの集落と土産店が連なる
3●レンタルの浴衣で館内を遊歩する女性グループ |

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4●小腹を満たすふかし芋や温泉タマゴ、お茶などのサービス処
5●北海道の海・山の幸が豊富に使われる美味しい食事
6●花ゆう香ロビー前ではバイオリンの演奏が旅の疲れを和ませる |

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7●各部屋には浴衣がサイズ分けされている
8●アイヌの語り部も楽しめる館内の美術館 |
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