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2006年7月31日
丹青社 SCマーケティング研究所
所長 松本 大地 |
■ピーターストラップ著の「数字がわかるおかしな国アメリカ」で、米国人のファーストフード購入費総額の比較数字を見たところ、1970年に60億ドルであったのが、2000年には1100億ドルと驚異的数字に跳ね上がっていた。さらに、4−19歳の子供らの3分の1近くが毎日ファーストフードを食べているという報告もある。又、米国は肥満の人が成人に占める比率が世界一で、米国人成人の約65%の約1億3千万人が肥満か太りすぎ。また2000年に約40万人が不適切な食生活と運動不足で死亡したという。米国の死因のトップの喫煙をしのぐ勢いで増えており、深刻な社会問題となっている。
■北海道函館市にラッキーピエロというハンバーガーショップがある。こだわりのハンバーガーを作り続けて16年。函館のみの展開で、現在12店舗をかまえている。どんな大手デベロッパーが出店の要請にきても、函館から外には出て行かない。拡大することが主眼ではなく、美味しさを伝え、質の管理を徹底すること、そして函館の地域づくりが根底にあるようだ。その経営哲学はモノづくりの姿勢に表れている。美味しさという感動を優先するため、素材供給には冷凍物は一切使わず、野菜もパリパリの鮮度、キヌアというタンパク質・ミネラル類・食物繊維が豊富な穀物入りの健康的なバンズ、その他、水、醤油、ポテト、クリームも安心と美味しさにこだわった食材を使っている。調理法もフレッシュミートを手でこねての一つ一つの手づくり。ここでは、出来立てこそ至福の味と考え、オーダーを受けてから調理をする。注文をした際、「20分かかりますけどよろしいでしょうか?」と言われた。誰もが、美味しさの代償に待ち時間への不満は出ない。そして、感動的なハンバーガーとの出会いがやってくるのである。ここまで綴ると、随分値が張ったバーガーと思われるが、年間30万個を売る一番人気のチャイニーズチキンバーガーは315円、通常のハンバーガーは255円というリーズナブルな価格なのである。
■見慣れたファーストフードの光景と異なり、店内で働く従業員はハツラツで温か味のある中年女性ばかり。普通の家庭のような応対にホッとする空気が拡がる。入口に貼ってあった求人広告には、55歳までの健康的女性求むと書いてあった(人材募集ではなく人柄募集とあったのが面白い)。店内は、どこからか修学旅行生、カップル、男女一人客、おばさまグループなど老若男女で一杯。皆、幸せそうな顔で頬張っている。ここは、ファーストフードではなく、感動が味わえるスローフードのテーマレストランであった。
■感動マーケティング視点⇒1.大手企業ができないこと、チェーンオペレーションでは無理なこと、それを経営戦略、店づくりに取り入れることで、独自のポジションを掴める。(一つ一つの手づくり、地域限定出店の希少性、中高年齢者での店づくりなど)

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1●ラッキーピエロ函館駅前店は地元百貨店の裏側に
2●入口に人柄募集やマスコミ取材のポップがある
3●バーガー以外にもオムライスとカレーが名物 |

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4●修学旅行生に出来たのバーガーが届く
5●ボリュームも美味しさもたっぷりのエビマヨバーガー |
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