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2006年7月14日
丹青社 SCマーケティング研究所
所長 松本 大地 |
■北海道での商業施設再生コンサルや、八戸市の商業アドバイザリー委員の委嘱を受け、最近、道内及び東北地方の主要都市を訪れる機会を得た。地方都市の疲弊が喧伝されている昨今、帯広の街の賑わいづくりには大きな賞美を送った。帯広市は札幌から210km離れた十勝平野の中央部に位置した、緩やかな人口17万人の農業都市である。ただし、昨年の最高気温は35.4℃、最低気温はマイナス21.5℃という厳しい気象条件下の地でもある。
■ここに全国的に知れ渡った「北の屋台」が誕生したのは6年前。”厳冬の中で屋台ができるわけがない”という多くの声や、また法律規制の壁とも戦いつつ、北の起業広場協同組合の強力なリーダーシップにより実現した。現在、20店舗の屋台に年間18万人の人が訪れている。面白いのは、和食やラーメンの業態だけでなく、イタリアンやフレンチ、ブラジル料理や韓国料理の屋台がミックスされ、とてもオシャレ感が溢れている。それぞれ各店3坪の狭さを工夫しつつ、FACE TO FACEの楽しいコミュニティーをつくっている。店主と和んできた頃合に、幾らぐらいの家賃を払っているか聴いたところ、坪5万円とのことでびっくり。また、3年毎に契約更新があり、ルールを遵守しない店、お客様の評判の悪いところは更新不可もあるとのこと。高額な印象の家賃と頑固な運営管理に思えたが、店主はデベロッパーが集客のための販売促進やテナント会の開催など精力的に活動していることが繁盛の礎であると認知していた。十勝農業王国の良い素材を屋台で提供したり、春から秋には野菜市を開いたりと、組合の活発な動きは止まらない。
■「北の屋台」が優れているところは、来訪者が地元住民と観光客が半々で混ざり合ってること。とかく、観光客しか訪れない施設は地元の人は敬遠し、地元民のみが集まる場所には外の人が入り込む余地がない。ここでは、“袖擦りあうも他生の縁”で、和気あいあいで仲良しになれる雰囲気だ。また、マイナス20℃の真冬時のほうが、人が集まるとのこと。その他、帯広には六花亭本店や柳月、クランベリー本店などお菓子のお店がたくさんあり、お菓子マップをもとに各店を巡るのも楽しい。また、豚丼発祥の地であり、豚丼専門店からレストラン、うどん蕎麦店、喫茶店まで豚丼をメニューに取り入れている。
■街歩きが楽しめる帯広。その街のシンボルになった最北の屋台では、店主達のヤル気、きめ細かい運営管理、そして交流を楽しむ人々のエネルギーが交差することで新しい地方商業文化を創り出している。そこには、向地性という“植物の根が持っている、地中に向って伸びる性質”が備わっているように映った。
■感動マーケティング視点⇒1.地元の人たちが日常楽しんでいる空間や体験を来訪者は求めている。これこそが究極の感動観光である。2.マイナスの条件を売り物にできるような発想をすることで、新しい感動ビジネスが生まれることもある。

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1●駅前の温度計はマイナス30度計測可能
2●定住人口を促進する行政と民間協働の駅前賃貸マンション
3●街中に界隈の灯を燈す北の屋台 |

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4●カジュアルに楽しめるフランス料理の屋台
5●仲良し夫婦で切り盛りするイタリアン屋台
6●おしゃれな屋台では若い女性もたくさん見かける |

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7●外で空く席を待つ赤ちゃん連れのカップル
8●あの六花亭本店にはすべての商品が揃い、朝からお客が訪れる
9●豚丼発祥の店ぱんちょうは開店と同時に満席に |
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