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連載 *
エンタメ日記 第10回
鈴木 重美

とっても憂鬱な引越し!
しかしどんな状況でもそれをエンターテイメントな気持ちで進むのがその精神。
行く年の2006年を省みつつ、今年の10大ニュースなどを考えたりしてみましょう。
暑かった夏皆さんはどのように過ごしましたか?

 引っ越しました。パート1

 引越しをする度にもうこれが最後だと思いながら荷造りをしています。増え続ける本、なくなるスペース。この夏、15年間住み慣れた湘南を離れる決断(たいした決断じゃないけど)をして生まれ故郷の横浜に戻りました。夏の暑い日、なんでこの季節を選んだかと自分の計画性の無さを怨みつつ、汗だくになりながら荷物を運び出し、その荷物を新しい家に運び入れました。しかし全てが値上がる時代、なんとなく引越し屋さんの料金は下がっているのではないか?と思うぐらい値引き競争が激化しています。見積り無料、ダンボール20ヶサービス。丁寧な対応……。

 こんなハードな労働でこの人は大丈夫なの?と妙な心配をしてしまいます。聞けば引っ越しのダブルヘッダーは当たり前、時には日に三件の現場もあるらしい。それでいて金額は下がっているのです。

 最近大手引越し会社のコマーシャルでキャンデーズの「微笑みがえし」の懐かしい歌を口ずさみながら、引越しする人を見守るシーンをご記憶の方も多いのではないでしょうか?実際基本料金は低価格だが、オプションなる金額がそこそこになっていく。但しお金さえかければ、実際あのCMのように全くお任せも可能なのです。安さを取るか、楽さを取るか究極の選択を迫られることになります。

 私の場合、多少のオプションを加え、金額もまあまあコナレタものになりましたが、それでも真夏のあの状況を考えればまあ妥当な線だったのではないか、と納得できました。こうして新しい生活が始まりましたが、やっぱり新しい家というのは良いですね。(まあ中古ですけど)

 でも新しい生活が気持ちを大きくさせているのか、洗濯機を新しくしたり、家具を買ったりと、当初計画していた費用を大幅にオーバーしてしまいました。引越し貧乏な日々の暮らしを余儀なくしています。

本もこの度かなり整理できました。地震の度に本の下敷きになる悪夢から開放されました。ダンボール50カートン分!
本もこの度かなり整理できました。地震の度に本の下敷きになる悪夢から開放されました。ダンボール50カートン分!


 
 引っ越しました。パート2

 引越しを決めた大きな理由に庭の桜がありました。一目見て、この家に住もうと即決したのです。築年数はかなり経っていましたが、やはり桜の魅力の前には勝てませんでした。

 桜と言えば、染井吉野が有名ですが、私はどちらかと言うと、枝垂れフアンなもので、その庭には枝垂れ桜の大きな木がありました。

 以前このコラムでも書きましたが自称 「桜愛好家」です。まあ、私に限らず日本人って結構皆桜好きですけど。詩のひとつも諳んじれたら素敵だなと「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」などとそれなりの勉強もしています。(上っ面だけですが)これは有名な本居宣長の辞世の句です。

 春の桜の季節になると毎年、桜好きの究極が自宅に桜を持つものと思っていました。
  夢は大きく「マイ庭桜」でした。

 ところが「違うよ」と教えてくれた人がいました。「究極の桜をさらに上を行くのはね、実は「隣桜」なんだよ、」と教えてくれました。

 隣の庭に咲いた桜を自宅で眺めるほど最高な桜はないよ、だって桜ぐらい面倒くさい木もないだろう、秋は落ち葉、春は毛虫、やっぱり隣人がせっせと丹精こめて手入れをした桜をさらっと優雅な気分でみるんだよ、「ありがとね」、と引越しで仲良くなりました御隣さんに言われ納得しました。というわけで引越しした最初の秋、私は毎日大量に散る落ち葉を週末毎にかき集めながら、来春の桜を心待ちにしています。

今はこんな木ですが、これが春ともなれば一気に桜咲くと期待しつつ落ち葉を片付ける
今はこんな木ですが、これが春ともなれば一気に桜咲くと期待しつつ落ち葉を片付ける


 
 引っ越しました。パート3

 スローライフが流行り、今はロハスなるスタイルが人気を呼んでいるようです。そのロハスなる意味ですが何回聞いても何の略称か忘れてしまいます(ちなみにlife of happy sustainabilityというのが正式な名称です)。

 そして田舎暮らしも脚光を浴びています。定年後は都会を離れ「憧れの田舎ライフ」、そんなタイトルの雑誌も多く書店で見受けられます。しかし今回小さい庭を持って始めて気付いたことがあります。スローライフは実は肉体労働だということが、例えば、「長野に住んで好きなトマトを作って自給自足したい」なんて空想を巡らします。しかし朝太陽が出る前から畑に出て、日が暮れるまで働いて、一体どれだけのトマトが収穫できるのでしょうか?それが働く本来の意味だということは頭では理解していても、実はその想像と実働の差は結構大きいと感じます。それはひと夏、庭の雑草を抜いていて考えていました。つまりイメージとリアルライフのギャップというヤツです。これからの人生をロハスやスローライフを目指す方にぜひ提言したい。「スローライフ(田舎暮らし)とは是、体力なり!」都会なら全て揃う快適な生活も田舎暮らしをした途端、資本は全て肉体になるということもありえます。

 憧れのスローライフを手に入れるためにはまず「書を捨て、汗を流す」これしかない!

 まあ、そんな大袈裟なことは別として、庭にデッキを張りました。しかし想像していたのとここでもギャップが生じてしまいました。決して木の代金をケチったわけではないのですが、歩くとフワフワと何となく木が薄く感じてしまうのです。「しまった!」と思いましたが後の祭り、気持ちウッドデッキの上をソオッと歩いています。

 引越しで終わった2006夏でした。

「自家製のウッドデッキです。ただ今ペンキ塗りたての図、多少難ありですがそこは汗を流したと思えば納得です
「自家製のウッドデッキです。ただ今ペンキ塗りたての図、多少難ありですがそこは汗を流したと思えば納得です


 

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