コラム *
エンタメ日記 第7回
鈴木 重美

この原稿を書いて、そのまま飛行機に飛び乗ろうとしています。行き先はニューヨーク。
行く度に新しい刺激を与えてくれる町です。ベストシーズンは春先ですが、
このクリスマス一色になった時期も大好き!
ジョン・レノンが愛したN.Yはいつも多くの人を魅了して止みません。


 趣味はありますか

 趣味はありますか?と聞かれ答えられませんでした。

 ジムにも通っていますし、散歩もしています。ワインも結構はまっています、旅も好きです。でも趣味かと言われると、ちょっと違和感を覚えるのです。
ジムは趣味というより、ベルトがきつくなった必要に迫られて、止むに止まれず。散歩も同様。ワインは単なる呑べエ、旅は趣味というより、かっこ良く言えば人生そのもの。教室も無縁、以前趣味を目指した茶道も正座が出来ず断念、残ったのは高い茶器ばかり也。

 世間ではカルチャースクールやサークルが花盛り。将来団塊の世代がこのマーケットをさらに推し進めそう。シニアや女性だけのといった限定の教室も今後かなり拡大しそうです。
よくいうのは時間がない、でも趣味を充実させている人は必ず言うんです、「時間は作るもんだよ、セルフプロデュースが下手なんだよ」。納得するしかありません。そもそも趣味って何でしょう?趣味の達人は人生の達人だ、的な本や雑誌も多く書店に並ぶのを見ると、趣味がない私は人生の達人にはなれないのか?趣味がない老後は寂しい、の記事を読めば、どうしよう?寂しい老後になってしまう、と焦りの気持ち。

 資格取得も流行っています。ある会社は有名タレントを使い、テレビ、新聞と巨額な資金を投入して、顧客獲得を目指しています。まあ、そんなメデイアの情報に頼らずとも、近くを見回せば、ゴルフ、磯釣り、ガーデニング、スペイン語講座に韓国映画の旅ともうてんこ盛り。今年74と71を迎えた両親に至っては、スクール、サークルで「忙しい」を連発している有様。あんたって無趣味ね、と説教までされてしまいました。

 とにもかくにも趣味花盛りな世間、しかし私は敢えて言いたい、無趣味な素晴らしさを。時間はあるし、お金もかからない、なにより煩わしい人間関係とも無縁。今このコラムを読んでいる趣味のない方、無趣味だからと言って悲観することは全くありません。趣味は?と聞かれたら、胸を張って答えればいいんんです。「ないよ、趣味なんて」。もしあなたが男なら「男子たるもの、趣味にウツツを抜かしているにはあまりに人生は短すぎるよ、俺は仕事と好きな詩の一片もあればいい」と答えましょう。声高々に宣言しましょう。無趣味な素晴らしい人生を!

さあ、もう一度趣味はありますか?

趣味と言えるかどうか?最近自宅にスタジオを作りました。何を撮影するかって?内緒です
趣味と言えるかどうか?最近自宅にスタジオを作りました。何を撮影するかって?内緒です


 
 キャラクター天国日本

 キャラクターと言われ、皆さんは何のキャラクターを想像しますか?ミッキーマウス、スヌーピー、ドラえもん……。

 先日友人のホテルの広報がこんな愚痴をコボしてました。 私と同じ年の広報課長は、自分の贔屓なミュージシャンをブッキングして、年末のディナーショーを企画したんです。青春を共に過ごしたアーティストへの交渉は今までの苦しいビジネスを忘れてしまうほど、楽しくまた緊張し、最高の思い出になったと言いました。そうです、私もその気持ちは分かります。かつて店のマネージャーを任されていた時にスーパースター矢沢永吉さんが買い物してくれただけで、天にも昇る気持ちでした。そんな憧れのスターのステージを自分が企画するんですから、堪らないと思います。彼は話を続けます「最高だった、でもね」と前置きし、「でもキャラクターに負けたんだよ」とぼそっと彼は言いました。そのキャラクターの実名はホテルが分かってしまう可能性があるので控えますが。

  親子向けのディナーショーにぬいぐるみを来たキャラクターショーに彼の押すミュージシャンが負けたそうなのです。負けたと言いましてもキャラクターショーもアーティストも彼が企画しているわけですから、勝負とは多少ニュアンスが違うと思うのですが、まあキャラクターショーは前売りと同時に完売、ミュージシャンはセールスが厳しかったらしく、苦戦を強いられたとのこと。

  まあ、考えればキャラクターの方は旬なアイテムでしょうし、ミュージシャンは多少、過去の活躍をネタに今ディナーショーを営業しているというスタンスの違いもあると思うのです。その勝負は別にしても日本人のキャラ好きな有名です。先に列挙した有名キャラ以外にも町には多くのキャラが存在しています。電話会社のドコモだけがキノコの茸に引っ掛けたキャラだと気づくまで、私はかなりの時間を必要としました。逆に生命保険のキャラのアヒルを見た時に絶対に人形を売るに違いないと商売の匂いを感じずにはいられませんでした。

  そういう私も11月に入って行った展覧会のうち、2本はキャラ展でした。自称美術展好きな私的にも11月の成績が1(北斎展)対2(スヌーピー展&ガンダム展)でキャラの勝ちでした。因みに最近の私の一押しキャラは新江ノ島水族館のみなゾウ(みなみぞうあざらし2005年10月4日17時15分永眠)でした。 もう会えなくなってしまったけど、今までありがとう、心から感謝と安らかな眠りを。

展示会の記念にチケットの半券を取っておくのが好きです
展示会の記念にチケットの半券を取っておくのが好きです


 
 マンガ好きなもので

 日本が有数の貿易輸出大国であることは間違いないと思います。戦前の絹から始まり、戦後、家電、クルマ、半導体、と貿易立国の面目は時代と共に内容が変化しても不動の地位を保ってきました。また最近ではオタクカルチャーを世界に発信し、アニメの分野でも宮崎駿先生の活躍に代表されるように世界の注目を集めています。なんでもナポレオンの地元フランスでは同時期にナポレオン展と宮崎駿展が開催され、宮崎アニメのほうが集客に軍配があがったという噂がまことしやかに流れたものです。さてアニメも有名ですが、マンガも最近また元気がいいです。かなりのマンガが海外に輸出されています。最近驚いたことがあるんです。本屋で表紙に惹かれ一冊の本を買いました。タイトルは「県庁の星」桂望実(小学館1365円)です。役人根性全開の県庁エリートが田舎スーパーで繰り広げる抱腹絶倒ラストは感動の一冊でした。まあ内容はともかくその本屋で発売されたばかりの新刊がですね、同時期にビックコミックスペリオールでマンガの連載もしているという事実に私は驚きました。過去にも多くの小説が原作となってマンガ化されたり、逆にマンガが小説化、テレビ化された事例にはことかきませんが、このマンガ、小説の同時期の発表には正直衝撃が走りました。

 よくカラオケで同世代の人と一緒に行って、選曲の流れが一緒で楽しいという記憶はみなさんあると思います。これに似た気持ち良さがマンガの世界でもあるのです。自分が学生時代、何にはまっていたか?先日もある飲み会で大いに盛り上がりました。それも相手はかなりマンガ通らしく、話し始めたらもう止まりません。帰り際、「最近マンガの話で飲むとストレスが溜まります。消化不良なんです。でも今日はとことんマンガについて話すことができました。ありがとう」とお礼まで言われてしましました。これほどまで人々を熱狂させるマンガの魅力とは?過去、文学に比べ、どうしても低く見られてきたマンガも、今サブカルからメインのカルチャーまで上り詰めた観があります。映画の世界に名を残した黒沢イズムが日本映画を代表するなら、まさしく手塚イズムはマンガ界の世界トップレベルであることは間違いありません。

  ここで唐突ですが何の脈絡もなく、私の偏見と独断で選んでみましたマンガベスト10を発表させてください。
  まず10位バンビ(カネコアツシ著/エンターブレイン社全6巻)。バンビという殺人者のバイオレンスムービーコミックスです。続いて9位信長(原作工藤かずや・作画池上遼一/メデイアファクトリー社全8巻)。数ある信長物の中でも絵ストーリー共珠玉の作品です。7位去年ジャンプで完結した「ルーキーズ」(森田まさのり著/集英社全24巻)。スポ根好きにはお勧めです。6位は鬼才タランティーノも惚れ込んだ「オールドボーイ」(作土屋ガロン・作画嶺岸信明/アクションコミックス全8巻)。同名の映画が韓国で映画化され話題になりました。
  5位です。スラムダンク(井上雄彦著/集英社全32巻)。以前のコラムでも書きましたが発売総数が1億冊を超えた名作です。4位も井上さん「バカボンド」(講談社 現在も連載中)。社会現象になっています。原作は吉川英治さんですが、原作への解釈も見所のひとつです。

  3位「ゴルゴ13」(さいとうたかお著/ビックコミックスで連載中)。説明いらずの男の生き方バイブルでしょう。政治国際問題も理解できてしまうところが凄いです
  さて2位は「ホテルカルフォリニア」(すぎむらしゅんいち著/kkベストセラーズ上下巻)。イーグルスの名曲をここまで昇華させたすぎむらさんは天才です。

  さて1位はもちろん「明日のジョー」(原作高森朝雄・作画ちばてつや/講談社全20巻)。真っ白になったというラストシーンは今や伝説ですが、やはり凄いのは原作者の高森氏の本名梶原一騎氏が同時に「巨人の星」(川崎のぼる作画全19巻)を連載していたことに尽きます。なので本当は明日と巨人の両立1位にしたいところです。巨人の星で自分の星を夜空に探し、疲れた時に真っ白になった世代の方も多いはず、さてあなたのマンガベスト10は?

マンガって本当にいいものですね!

マンガって生活には欠かせないスパイスです。電車では文庫、お風呂ではマンガです
マンガって生活には欠かせないスパイスです。電車では文庫、お風呂ではマンガです

 


 

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