コラム *
エンタメ日記
鈴木 重美

一回お休みさせて頂きましたエンタメ日記。
その分濃い内容でお届けしたつもり


第5回
最近読んだ植草甚一さん(評論家)の書を愛し、ジャズと一杯の珈琲を愛し、散歩を愛すに習って私も旅と書を愛し、日々エンタメに勤しもうと考えています。いや〜エンターテイメントって本当にいいですね。

 ニューヨークとんぼ返り

 ニューユークに行って来ました。何度目だろう?数えたことがないけれど、もしかして一番ニューヨークに行っているかも知れない。泊まるホテルも大抵一緒だし、廻るコースも大抵一緒。

しかし今回の目的は村上隆さんに会うこと。3泊の強行スケジュールでした。六本木ヒルズのデザインやヴィトンとのコラボレーションですっかりメジャーな感がある村上隆さんですが、実際は超がつくほどのメジャーです。サブカルチャーという言葉は日本ではオタクという一種暗い表現として使われることがあるけど、世界は違います。もちろん村上さんの作品は高い評価を受けていますし、それ以外のサブカルチャーという分野全般に世界のアート関係者の熱い視線が集中しています。今回はそんなサブカルチャーを総括する意味から村上さんのキューレーションで日本を代表するサブカルキャラクターが集合しました。キティちゃん(サンリオ)、ウルトラマン(円谷プロダクション)、エヴァンゲリオン(ガイナックス)、ドラえもん(小学館)、そしてもちろん村上さん率いるカイカイキキ(村上さんの会社です)の面々による豪華ラインナップ。

会場となったのはジャパンソサエテイ。前日のパーテイからそれはそれは連日大賑わい。マスメディアを始め、ニューヨークの話題独り占めってぐらい盛り上がってました。帰国後、日本のニュースにもしばし村上さんも登場していたり、御存知の方もいらっしゃるのでは?しかしタイトルが「リトルボーイ」ですからね。なんとも潔いと言うか、無茶と言うか、そこが村上さんの真髄ですね。日本の戦後60周年のメモリアルイヤーにあえてリトルボーイ(広島に投下された原爆の総称)のタイトルですから、ハラハラドキドキです。

でもこんな日本を代表するイベントがニューヨークで評価され、恐らくコレクター達がそんな作品に高い評価額を付け、買ったりすると、いよいよ日本のサブカルチャーは浮世絵同様に流出してしまう気がします。先日の発光ダイオードの裁判で優秀な頭脳は海外に行った方がいいという発言がありましたが、アートに関しても同じ現象が起こりつつあります。

 それにしてもニューヨークの人達って眠らないの?毎晩のパーテイの開始が23時ぐらい、それから会食。いやー疲れ…とんでもない楽しかった!

「リトルボーイ展」2005年4月8日〜7月24日までジャパンソサエティ(NY)で開催中
「リトルボーイ展」2005年4月8日〜7月24日までジャパンソサエティ(NY)で開催中


 
 完成!初のエンタメ課プロデュース『キタハラ ナカダスクール』

 アイデアを出版社に持ち込んだのが昨年の夏前だから、約1年かかってしまいました。やはり超がつくほどお忙しいお二人、なんと言ってもスケジュールの段取りが大変!じゃあ次回のインタビューは?との確認に秘書の方から「3ヶ月後ですかね、最短で」と当たり前のように言われてしまうんですから。先日も午後中田さんにお会いするはずが、朝、テレビをつけると関西局に生出演していらっしゃったり。もし飛行機が遅れたらなんて想像するとスケジュールを管理されている方とかは胃がキリキリするでしょうね。

 さてキタハラ ナカダスクールですが、著者の中田宏さんはもちろん横浜市長。北原さんは鑑定団でも御馴染みの世界的コレクター。今回のタイトル「スクール」には実は意味があります。それはお二人が架空の学校の教授という設定なんです。本の中で二人の教授は「答えがひとつだけじゃないから、人生は面白いし、他人と違うからエキサイテイングだ」と説き、また「人生で一番大切なことは偏差値の前に挨拶だ、と先生は教えてくれたか?」と聞いています。読む方全てが生徒であり、かつて勉強が嫌いだった人に対しても、「学校はサボっても卒業できるが、自分のたった一度しかない人生をさぼって過ごすと取り返しがつかないことになる。」と語っています。

 お二人とお会いし、お話しをお聞きし、改めて感じるのはとっても前向きな姿勢と何と言ってもロマンチストであるということです。御多忙の中を縫って最後まで校正やギリギリのインタビューにお答え頂きました。今後お二人を交えたフォーラムもエンタメ課で企画しています(でも予定がなかなか立ちません)。いつか生の声を聞いて頂ける機会もあると思いますので、まずは本屋さんでこの本を手に取ってください。 「勉強がキライな子どもたちへ勉強がキライだった大人たちへ」
「勉強がキライな子どもたちへ
勉強がキライだった大人たちへ」
●発行 ネコ・パブリッシング
●定価1,300円(税別)
   

 
 本を読んでますか?
 私の目標は年間365冊読破です

 旅が続くと、さらに旅に出たくなります。しかしそうは言っても休みの問題もありますし、スケジュール調整など旅を獲得するために超えなくてはならないことは山積みです。ではそんな旅への想いを諦めてしまっていいのでしょうか?諦めてしまってはあまりにも寂しい。しかし諦める必要はありません。

 そんな時のために本があります。今回御紹介する旅の本はどれも素晴らしい旅の本です。この本を手にするだけで改めて旅は想像の産物と思えます。その場所に行かずとも読む人を旅の目的地に誘ってくれます。

 今回はそんな本を手に入れた場所(本屋)の話も含め御紹介します。
 まず「旅の絵本」(修道社刊600円)と称された昭和 年発売の谷口六郎さんの著書。これを読むと谷口さんは絵描きとしてだけでなく、文章の才能も卓越したものを持ってらしたと改めて実感できます。挿絵と絵のバランスも素晴らしく思わず旅に出ている気持ちになれます。この本は先日中目黒のカウブックスで購入しました。本のセレクトショップの先駆け松浦弥太郎さんのお店です(TEL03-5459-1747)。店内は本好きにとってまさに桃源郷、松浦さんの世界が溢れてこぼれています。店内ではコーヒーも飲めるのでぜひ一度足を運んでください。
  次の一冊は「旅する哲学」(アラン・ド・ボトン著/集英社刊2700円+税)この本の購入は銀座松坂屋B1にオープンしたファインリファイン内にあるブックストア。こちらはユトレヒトの江口宏志さんのプロデュース(UTRECHT TEL03-3569-7261)です。単なる空間を埋めるだけの書籍コーナーと侮るなかれ、そのセレクトセンスはさすがの一言。もしかしてこの素晴らしい本に出合えたのは江口さんの御蔭と感謝したくなるような一冊です。最高の旅の秘訣満載です。
  さて最後の一冊は「憑かれた旅人」(バリー・ユアグロー著/新潮社刊1800円+税)これは最近リニューアルした新宿ルミネ、BOOK1stにて購入。最近この本屋さんが一押しです。ルミネ1、2両方にそれぞれBOOK1stが入っています。つい両方覗いてみたくなるナイスな本屋さんです。さて本の内容と言えば旅にとり憑かれた1人の男の話。まともな生活を営む兄と自由に旅を続ける著者との会話は心にチクリと刺さるものがあります。

 旅への憧れを本で解消しようとした試みでしたが、結局読後のところさらに旅に行きたくなってしまいました。


旅の本3冊

 

このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。
Copyright 2005 TANSEISHA.co.,ltd.
All right reserved.