コラム *
エンタメ日記
鈴木 重美
 
 

第4回
秋も深まる今日この頃、ボジョレーの季節や鮟鱇(あんこう)に牡蠣(かき)と食べ物に目が行ってしまうのは、やはり花より団子的な嗜好なのか? しかし私は今回、旅をイメージにしてみた。きっと旅に行きたくなること請け合います。旅コラム3連発!

 
 知覧に行ってきました
 
 「知覧」と聞いて、ピンと来る人はかなりの歴史通な方。ここはかの特攻隊の町として、多くの少年兵を始めとして兵士が戦場へ飛び立っていった飛行場のあった場所だ。
 
 現在進めている新しい企画の取材の過程でこの町を訪れた(この企画はいずれご披露いたします、お楽しみに)。 特攻隊や戦争と聞くと、直ぐにアレルギーが起こる方もいらっしゃるが、やはり歴史は歴史としてしっかり知ることも大切、そのためのミュージアムが知覧にある。 その名も「知覧特攻平和会館」(住所 〒897-0302 鹿児島県川辺郡知覧町郡17881番地 TEL0993-83-2525)。 この特攻平和会館は太平洋戦争の末期、沖縄決戦において特攻という人類史上類のない作戦で、爆弾搭載の飛行機もろとも肉弾となり、一機一艦の突撃を敢行した多くの特攻隊員の遺品や関係資料を展示しているミュージアムである。 そこに導いてくれた方が今回お邪魔した「ちらん人形博物館」(住所 鹿児島県川辺郡知覧町群29 TEL0993-83-2589)を主宰されている寺西照子さん。 趣味で集めた人形の博物館を今年の7月にオープンされた。なぜ彼女は人形を集めることになったのか?  それは「ミュージアムに飾ってある飛行士の遺影の片隅に一緒に映っていた人形があったからだ。」と聞いた。 なぜ、兵士は人形と共に一緒に写真に収まったのだろうか? 本来、人形は、女の子が好んで遊ぶ玩具である。 それがなぜ男子と一緒に映っていたか?「それは一人死んでいく兵士にとって、母の思い出であり、妻や彼女の身代わりだった。」からだそうだ。 寺西さんはこの平和会館で見た人形がきっかけとなり、自分でも人形を集め出し、晴れて御自分のミュージアムを開設したのである。 そしてそのきっかけを与えてくれたこの知覧に、生まれ慣れ親しんだ東京を離れ、ご家族で移られてきた。 鹿児島空港からバスに揺られること1時間30分、私は寺西さんに案内され、平和会館を訪れた。
 
 館内にはここから飛び立って、散華していった1036名の兵士の写真が飾ってある。 死を直前にした若者の顔が慰霊として館内に並んでいる。 その表情はこれから死に向かい飛行していく人の表情には全く見えない。 何か、こう晴れ晴れとした感じすらしてしまう。犬を抱いて笑う写真、腕相撲をして遊ぶ写真も飾られている。 もちろんそこへ行き着くまでの葛藤、恐れ、悲しさはあったはず。しかしそれを超越し、カメラの前に立っている。 今、私達にできることは、この時代を生きる者の一人として、彼らの犠牲の上に立って、我々は生かされていることを感謝するだけだ。
 
 特攻隊員たちが決死の覚悟で飛び立った気持ちには、再びこの国に平和と繁栄が甦ることであったろうと思う。
 私はこの地を訪れ、このミュージアムに足を運んで本当に良かったと思っています。 そして日本人であることを改めて実感し、感謝したい気持ちになりました。 旅の途中で出会った日本の歴史のひとコマでした。
 

「ドラマにもなったホタル館をはじめとして知覧にはたくさんのスポットがある。1日ではまわりきれない


 
 旅は道づれ、旅に行きたくなる本です
 
 「旅は人生の道標」というフレーズが好きだ。人は一生の間にどのくらい旅をするのだろう。 一人の旅、二人の旅、家族の旅、貧乏な旅、リッチな旅、珍道中、朝夕の散歩、隣町への旅、リゾートな旅、 10代の旅、20代30代40代の旅、地球の裏側への旅、バイクの旅、徒歩の旅、ドライブ、ヒッチハイク、 無銭旅行、お遍路、各駅停車の旅、新幹線の旅、飛行機での旅、客船の洋行、ロケットで行く宇宙への旅、 遠足、臨海学校、修学旅行、卒業旅行、ハネムーン、かけおち、逃避行、日々の旅、非日常への旅、 出会いの旅、別れの旅、トラベル、ジャーニー、トリップ、誕生の瞬間、ハイハイ、初めての歩行、 初めての一人暮らし、親からの独立、愛する人たちとの死別、自分の死、すなわち永久への旅立ち、 出張、バカンス、国内旅行、海外旅行、空想の旅、ナイトキャップトラベル、時空間への旅、 「人生の目的はバカンスしかない。つまり旅に出ること」とこの本の著者森永博志さんは書いている。
 
 森永さんは肩書きは文筆家だが、書斎で原稿用紙に向かっているより、 きっと旅に出ている時間のほうが長いんじゃないか?と想像させる人である。 大抵の人は年齢と共に旅の楽しさを放棄してしまう。仕事を言い訳にしたり、忙しさを理由にする。 女性ならさしずめ結婚と育児だ。大抵の人にとって旅は定年後の楽しさとしてだけ存在している。 しかし歳をとったのちの旅は結局歳をとっただけの感動しか与えてくれない。 10代20代30代40代50代と旅をし続けた人だけに与えられる旅の感動がある。
アイランドトリップノート
森永博志著(発行/発売A-Works)
定価¥1,575(税込)
 
 しかし人は簡単に人生最大の喜びと感動である旅を手放そうとする。 もしくは「いつかまた旅に出たい」と諦めにも似た感傷にひたろうとする。 旅は決して若き日の思い出としてあるべきものではない。「旅は結局想像の産物だ」と気づくだけで 日々毎日が旅の連続になる。歴史の教科書を開くだけで好きな時代への旅を可能にしてくれる。 楊貴妃と食前酒を飲んでクレオパトラとシャンパンで乾杯、メインのビンテージワインは紫式部と言った夢のセッションの旅があなたをタイムトラベルにいざなってくれる。 地図を広げてダーツを投げるだけで世界はあなたのフライトマップになる。
 
 クラーク博士は「少年よ大志を抱け!」と若者を鼓舞した。 北の大地「北海道」を旅し、足を下ろした博士の大志はつまり現状を打破しろ!と言ったメッセージを大志に託したことだった。 ぬくぬく生きていても何も変わらないよ。そんな生き方を大志(旅)に込めた。 人生には確かな道標(みちしるべ)はない。 まだ訪れたことのない新しい道に自分の足で勇気を持って踏み出した人だけに、道標を見つけることができる。 決して、躊躇している人に道標は発見できない。 つまり人生と言う先の見えない航海に指針を与えてくれるのはあなたが一生旅をし続けていくという確固たる信念しかない。 そんな気持ちがあなたを人生のバカンスに導いてくれる。 つまり「旅は人生そのものだ!」と私は思っています。感動的な一生は旅の途中で出会うことができる。
 
 「人生はシャンパンの泡の様」と詠った詩人がいる。ならば人生そのものをシャンパンにしてしまえばいい。 瞬間瞬間に旅を感じ、毎日を旅の連続にすればあなたの人生はさながらシャンパンのように黄金の輝きを増すに違いない。 そんなことを森永さんのこの本は教えてくれる。さぁ旅に出ましょう! 次にあなたがシャンパンを抜くのはいつですか?
 

 
 コペンハーゲンに来ています
 
 昨年に引き続き、コペンハーゲンに来ている。この季節のコペンの平均気温は5度。 さらに昼を過ぎた頃には、既に夕方の気配。太陽がとても貴重なのである。 さらに店の営業は時から夕方までと、あっという間に町が暗くなる。 今回、お客様の商品の仕入れをアテンドする目的で来ている。 昼はずっと、店舗を巡り、週末は郊外のマーケット(日本でいうところのフリマです)を集中的に移動。 夜はその買い付けた商品のパッキングとリスト作り。いつもながら、全くNO観光の日々。 それにしてもここの国の人は働かない、というか人生は楽しむためにあるというのか、 どうしてこの時間だけしか働かないのに国や企業が成立するのだろう。 税金が高すぎて、労働意欲が沸かない、福祉がしっかりしているから働かなくていい。 そんな話も聞こえてくるが、やはり理想国家を目指した結果のほころびは目立ってきている(どこの国も一緒ですね)。
 
 町は綺麗だし(女性も綺麗)、屋外広告やネオンの類も最小限しか目立たない。 車に至っては200%の関税を掛けているので、交通渋滞なんて全くない。 しかし国が規制を掛けすぎると、その圧迫されたエネルギーがどこに向かうのかちょっと考えてしまう。 その後パリに飛んだが、パリの雑踏や街の熱気がなぜか懐かしく感じられ、心地いい。 それにしてもパリはどの都市でもなく、圧倒的にパリでパリ以外ではない。 まだまだ私は刺激のないところでは生きていけない。そんなことを感じさせるEUの2国であった。 それにしてもEUは今高いです。パリの物価高はカフェのシートを皆空席にさせている。 立って飲むほうが安いから、座ってお茶しているのは観光客のジャパニーズばかりなり。
どの店も店頭にワゴンを出してアンティークを売っている。消費税の高いデンマークでは、アンティークが生活の一部になっている。東京からはSASの直行便で約11時間のフライト

 

(すずき しげみ/(株)丹青社 ストアエンジニアリング事業部)

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