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■コラム * tannet flash マイブーム通信 島 智子 携帯カメラで広がる、おかしなものコレクション
―「WET FLOOR CAUTION」から漢字Tシャツまで― もとは趣味のスキューバダイビングのホームページを作っていたのだが、海外にダイビング旅行に出たとき、たまたま清掃中の空港ロビーやショッピングセンターで「WET FLOOR CAUTION(床ぬれ、注意)」という移動式看板を目にし、そのデザインやピクトグラム表示が妙に気になったらしい。さすがウェブ・デザイナーである。 年に数回の海外ダイビング旅行のたびに、あっちでパチリ、こっちでパチリと「WET FLOOR」表示サインを撮りためているうち、かなりの枚数が集まったので、趣味のホームページの傍らで「こんな変なもの見つけました」的に公表を始めた。
日本ではあまり見かけない表示サインであるが、いざ公表してみるとけっこう反響があったらしく、友人の元には「私も海外で撮ったものがあるのでホームページで載せて欲しい」とか「このサイン表示のバリエーション(色違いなど)を見かけた」など、知らない人からの情報もあり、どんどんコンテンツが増えていった。結果、本来のダイビング紹介ページよりも、こっちのページの方が充実していったほどである。また、こういうテーマは際限なく広がるもので、「WET
FLOOR」だけではなく、非常口ピクト、階段注意ピクトなど、危険ピクト系というのであろうか、とにかく黄色や赤の警告ピクトがやたらと集まり、まるで世界のピクトグラム・コレクションのようなホームページになっていったのである。 私も仕事柄、街歩きや路上観察などは好きな方である。街を歩いていてちょっと興味を引くおかしなものを見つけたら、友人と同じく思わず写真を撮ってしまう。特に最近はカメラ付き携帯電話を持っているので、歩きながらパチリパチリと写真を撮ることが多い。意外な発見を記録して人に見せたいのである。 おかしなものは、サイン看板だけに限らない。漢字Tシャツがブームになった時分、おかしな日本語のTシャツを来ている海外観光客をずいぶん見かけた。ある時、前から歩いてくる人のTシャツの胸に、でかでかと「居酒屋」と毛筆で書いてあった。そのインパクトにびっくりしてすれ違いざまに振り向いたら、彼の背中にはこれまた大きく「チョット一杯!」と書いてあった。かなり面白かったので写真に撮りたかったが、人に許可を得て写真を撮るのは至難の業である。ということで、残念ながら人物関係のおもしろ写真コレクションはまだない。 こんなことを続けていると、「いい年をして、くだらないことを!」と一喝されてしまいそうである。しかし、私の面白いもの好き、変わったもの好きは赤瀬川原平氏のトマソン探し(注を参照)を原点としているので、自分で言うのもおこがましいが、年季が入っている。最近は携帯電話カメラで面白いものを撮影して相手に送りつけ、成果を競い合うようなことまで始めてしまった。 そのような訳で、私の携帯カメラ写真コレクションはどんどん増えている。これからも精進して周囲の人を喜ばせなければと思う今日このごろである。 (注)赤瀬川氏の著作『超芸術トマソン』(ちくま文庫)において「不動産に付着して美しく保存されている無用の長物」とされる。例えば出入り不可能な場所にあるドア、意味なくついている階段など。80年代に読売ジャイアンツに在籍した元大リーガー・トマソン選手が4番バッターに迎えられながら活躍できず、役に立たないものの代名詞とされたことから。 (しま ともこ/(株)丹青社 IMCC開発デザインセンター クリエイティブ3部チーフプランナー)
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