コラム * tannet flash
マイブーム通信
濱元 英之

自転車で街を巡る


  最近何故か自転車にハマっている。環境問題に深く関心があるとか、ダイエットのためとか、ツーキニストになろうとか、大層な理由があるわけではないが、去年の暮れに自転車を買ってから突然ハマってしまった。
 
  今まで全く目に入らなかったが、意識して見ると自転車にハマっている人は結構いるようだ。会社帰りにサイクリングショップに立ち寄ると、何やらわけのわからないパーツを買っていくサラリーマンが大勢いる。また、休日に荒川や江戸川の河川敷を走っていると、後ろから私を抜き去ろうとする、派手なウェアを着た若者やおじさんが次々と現れる。
 
 自転車の魅力は沢山あるが、単純に乗っていて楽しいということがある。もちろん、この年になって初めて自転車を買ったわけではなく、数えてみるとたぶん8台目になる。最初に買ってもらった補助輪付きの自転車のことは最早覚えていないが、それ以降のものは通学や買い物の手段としての乗り物であり、乗って楽しむなどとは考えたこともなかった。
 
 自転車に乗って走ることは、今流行の有酸素運動であり、適度な軽い運動は本当に気持ちがよい。坂道も楽に登れる変速機付きで、体のサイズにあった自転車に乗ると本当にそれがよくわかると思う。加えてジムなどのエアロバイクとは違い、自分で視界に入る風景を変えられる。私など変わった建物が目に入ると、ついそちらの方へハンドルが向いてしまう。

筆者は写真を撮っているので写っていません
 
 他にも自転車の魅力としては、自分のスタイルにあったものを選べるということがある。例えばドロップハンドルのロードバイクに乗ってサイクリングロードを爽快に飛ばしたり、MTBで山の中を駆け抜けたり、ツーリング車でキャンピング用具を積んで旅に出かけたりと、自分のやりたいことに合った自転車が見つけられる。また、自転車とはフレームに様々なパーツを手作業で取付けて組み立てるものなので、自分でパーツを付け替えてオリジナルなものに変えていける楽しみもある。
 
 さて私のサイクリングスタイルであるが、まだ日も浅く、スタイルは決まっていないが、現在のところは街乗りが中心である。私が買った自転車は9段変速付きの折り畳み自転車で、まだ実現していないが、折り畳めば電車に乗せられ、遠く離れた地を自転車で散策できるという優れものである。そんなコンパクトな自転車なので、どちらかというと街中をゆっくり走る方が向いている。休日の車も歩行者も少ない都心や、隅田川の川縁などを走るのが気に入っている。最近では距離にしてようやく50キロは走れるようになった。東京は世界の中でもかなりの大都市であるが、山手線の中だけだと思ったより狭い。1周しても34.5キロである。以前、博物館の映像を作る仕事で、赤坂のスタジオに群馬から学芸員の人に来てもらったことがあるが、その人は東京駅から歩いて来たという。さすがフィールドワークをやっている学芸員は凄いと感心したことがあったが、最近そのコースを自転車で走ってみると、あっけないほど近いということがわかった。
 

清洲橋と記念撮影している私の自転車
 年をとるにつれ、次第に街に興味が薄れ、腰がだんだん重くなり、出不精になっていたが、自転車のおかげで、休みになるとどこかへ出かけるという生活が続いている。再開発している街を見に行ったり、港区の坂巡りをしたり、色々なテーマが浮かんでくる。もちろん何も考えずに走り出しても楽しい。自転車で走り回ると、その土地の持っている歴史と息遣いが肌で感じられ、街に対する眼差しが少し変わってきた様な気がする。

(はまもと ひでゆき/(株)丹青社IDS 企画部 プランナー)
 

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