■コラム * tannet flash
マイブーム通信
島 智子
ガチャポンブーム
私の勤め先は、秋葉原からほど近い場所にある。秋葉原には昔から家電やオーディオ製品、電気部品を扱う店が集中し、いわゆる電気街をかたちづくっていることをご存知の方も多いだろう。最近はパソコンやゲームソフトなどを扱うショップが急増していることでも知られている。このところ、秋葉原(アキバ)とオタク文化について触れた本を何冊か続けて読む機会があった。(※)
興味ついでに調べてみたら、秋葉原もしくはアキバというタイトルのつく書籍が 冊くらい出版されていた(タウンガイドは除く)。それらの本の多くは、パソコン、ゲームソフト、アニメなどをテーマに挙げていた。アキバは、すでに「オタク」の代名詞として記号化された存在になって久しいのであった。
そんなアキバで近年目立って増えてきたのがガチャポン(ガチャガチャとも呼ぶ)を多数並べている店である。ガチャポンは、コインを入れてハンドルを回すとプラスチックのカプセルに入ったトイが出てくる小型の販売機である。過去に、ガチャポンのトイでスーパーカーや筋肉マンの消しゴムなどがヒットしたことを覚えている方もいるだろう。
こんにちのアキバのガチャポンは規模が違う。店先に数台なんてものではない。 電気街のメインストリートにあるビルは、入口だけでも百台を超えるガチャポンが林立し、ビル内にはガチャポンで埋め尽くされたフロアがある。また、ちょっと離れた場所には、ガチャポンしか置いていないガチャポン会館なるものもある。 トイもバラエティに富んでいる。多くは、日本のアニメ番組やゲームのキャラクターだが、昭和30年代くらいの学校の教室をテーマにしたものや、海外のキャラクター、オリジナルぬいぐるみ、おまじないグッズまである。 価格は1回200円から、ものによって300円、500円、最高で1000円だ。こうなると、もはや子供のおもちゃではなく、大人のためのコレクターズアイテムである。確かに、客層は大人ばかりで、子供の姿はない。
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 林立するガチャポン |
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ガチャポンのマシンも多様に |
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こんなに多様化しているのであれば、マニアのためのアイテムで終わらせるのではなく、もっと発展形を考えてもいいのではないか、と思う。
たとえば「ブランド・ガチャポン」。人気の海外ブランドとコラボレーションし、トイの内容は、デザインされたピンバッジやパリコレの服を着たスーパーモデルのミニ・フィギュアなど。グッズは、もちろんDesigned by ○○などの署名入り。カプセル・トイの持ち帰り用に、ブランドロゴ入りの紙袋をサービスするのもいい。立ち入りも会員制にして、希少価値を訴えるとか。
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また、「セレクトショップ型ガチャポン」はどうか。カプセル・トイの内容を、アート系有名人がプロデュース。各自の世界観によって編集したトイで、売上を競うのである。さきごろ六本木ヒルズで村上隆氏のキャラクターグッズを個数限定で販売していたから、可能性はある。蛇足だが、ガチャポンが確率のみに支配されたものだとすれば、村上氏のいう「スーパーフラット」とも相性がいいような気がする。(そんな訳はないか)
今後、ガチャポンがもっと隆盛したら、ガチャポニスト(?)とかの新しい職業が生まれるかもしれない。
※:『定本 物語消費論』(大塚英志 角川文庫)
『動物化するポストモダン』(東浩紀 講談社現代新書)
『都市の誕生 萌える都市アキハバラ』(森川嘉一郎 幻冬舎)
(しま ともこ/(株)丹青社IDS 企画部 チーフプランナー)
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