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■コラム * tannet flash プロモーション・フロントライン 宮下 浩志 集団のココロのゆらぎを捉え続ける努力 ルイ・ヴイトンジャパンの日本国内売上高が昨年1千億円を突破したそうだ。同社の製品を含め、世界の「いわゆる」ブランド市場のうち、日本人による買い上げ総額は、何と全体の約3分の1を占めている。 一方で、正月休暇の海外脱出組は、またもや過去最高記録を更新。バレンタインデーでは、輸入高級チョコがワゴン積み。はたまた世界の各地よりワインをかき集め、飲んだ後の大量の空き瓶の廃棄処理にも困る程の始末。 日本は本当に不景気なのか?この手の嗜好性をもった膨大な消費生活により、これほどまでに世界各国の産業を潤している不況国家は他には無いはずだ。 海外モノ大好き志向は、既に日本人のDNAの中に深く浸透してしまっている模様だが、現在の異常な購買行動は、皆が横並びで同じでなければならないという強迫観念の現れだと分析する専門家もいる。 前回のこのコーナーで書いた「自分だけのこだわりを持ちつつある国民性」も、「『皆と一緒』は構わないけど、『皆と同じ』じゃイヤ」という価値観も、この種の集団心理には勝てない模様だ。
我々の生業のひとつ、集客イベントはこの集団心理に対し、真正面から向き合うかたちで行われる。そして、この集団心理の気まぐれのために、時折面食らうこともある。 ある海外のイベント会場で目にした事例。大型画面で展開される映像に様々な楽器のライブ演奏を重ねながら、ナレーターが、その企業の宣伝と広報PRを進めていくという内容だった。 そのステージは一日に何回も行われ、集客の点ついては大成功であったが、その都度、客席側の雰囲気に極端な違いが生まれた。お客が演奏に合わせて踊りだすほどに盛り上がったり、最初から最後まで黙々と鎮座していたり・・・。前者は気分の昂揚が、そして後者は「きちんと見なきゃ」という観念がその時々の集団の流れを支配していたようだ。ナレーターは、すばやい機転により、その場の流れにあわせて対応していたが、演奏者は最後までリズムをつかめず、戸惑いを隠せなかった模様。 企画側は同じ条件を環境としてつくっているつもりでも、どうもその時々でお客様の「ココロ同士の横のつながり」は微妙に変化していくらしい。この場合、企画者の意図は本来、どちらにあったのだろうか。 後で聞いた話だが、主催者側には、盛り上がるのは大歓迎だが、きちんと訴求したい内容が伝わっていないのではという不安も少しはあったそうだ。だからと言って、無反応のまま終演してしまうのも考え物だとのこと。どのように評価して良いのか悩ましい様子だった。 イベントの宿命として、集客数の結果イコール評価になりがちではあるが、それに加えて、訴求の成果もきちんと見極めようというこのような姿勢は、今後もっと増えてくることと思える。
集客のための「器」や仕掛けを考える場合、第一にそれを受け取る側の人達のココロのイメージを我々の中に投影する必要がある。特に我々は、それらが生業であるがゆえに、日常業務としての慣れが生じて、訪れる集団のココロ構えが少し非日常期待モードに傾いていることを見落としてしまうことがある。 更にそれらの集団心理を推し量ることはかなり難しい作業になるが、オシキセやヒトリヨガリの施設や演出にならないようにするために、常にそこを原点とし企画を推進していきたいものだ。
日頃、「どのように披露したいか」から考えるのではなく、「集団としての人がどのように感じるか」ありったけの想像力を働かせていく事こそが大切だと思っている。
(みやした ひろし/(株)丹青社 第1営業統括部 プロモーション開発部 課長)
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