■コラム * tannet flash
エンターテインメント・アイ 松本 大地
エンターテインメント・シティ
大都市圏で大型開発プロジェクトを推進する政府の都市再生本部が動き出した。本部長は小泉純一郎首相で、「国のみならず地方や民間の英知を結集し、プロジェクトの選定など必要な施策を強力に推進する」と強い意欲である。その関連で、アーバン・ツーリズム研究会が発足した。
アーバン・ツーリズムの定義は「都市の中心市街地(まちなか)がもつ、"生活文化"を楽しむ身近な自由時間行動」とされているが、都市の持つ複合的魅力、人間が集まりエネルギーを発散する新都市カルチャーへの形成であろう。現在、ワーキンググループ委員を拝命し、その具体論を最終報告書にまとめる取り組みに挑んでいるが、自分の方向としては、街を構成するハードからソフトウェアまですべてにエンターテインメント・テクノロジーを取り入れ、ワクワク・ドキドキする理想的なエンターテインメント・シティを創りあげることにある。
先月ラスベ/ガス(LAS)とニューヨーク(NYC)という対照的な都市を訪れた。LASは1999年が成長のピークで、現在踊り場であると確信した。昨年オープンしたアラジンも大きく期待はずれであり、街を構成するすべての装置がマンネリ傾向。今後、どうリピーターに訴えていくエンターテインメントを醸成するかが最大課題といえる。
反面、NYCの都市的魅力は益々拡大している。米国経済の好景気と、ジュリアーニ市長の徹底したクリーンアップ策が美味く噛み合い、街の再開発が功を奏している。タイムズスクエアの[42nd Street]は、見違えるような快適な街並みに変貌を遂げた。しかし、NYCはいつでも都市としての混沌と刺激に満ちていなければ、そのエネルギーは消耗してしまう。そんな憂いが一掃されたのが、コンサバから反発するような"デザイナーズホテル"の隆盛と、"Queens boro Bridge"開発である。特に、クイーンズ橋開発PJは、以前市場があった70年間荒れ地の橋下にコンランショップができ、大変身を遂げた。"Guastavino's"というコンランのレストランと、食品マーケットの"Food Emporium"の構成で、歴史的建造物のブリッジと一体になったダイナミックな発想の施設づくりである。昔風の建造物にコンラン流センスの味付けで、環境・MD・サービスが唸るニューヨーカーの新社交場となった。いつも時代提案の街キャンパスがNYCの存在価値なのだろうか。
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 橋下のレストラン「コンラン」
 クィーンズ・ポロ橋下の再開発 |
NYCはアーバン・ツーリズムの視点からみて、極上のエンターテインメント・シティ。街に似合うベンダー(露店)、デリ、多国籍のレストラン、カフェ、アート、高級デパートからセレクトショップ、そして1100万の観客を集めるブロードウェー・ミュージカルまで、都市に住まう文化が見事に融合されている。そこに内包される優雅さと気品は、生活者の時代感性や審美眼、そして来街者の感受性の両面によって支えられていると実感する。NYCは、「エンターテインメント・シティとは、単なる都市形成ではない、感動体験の場づくりと都市オペレーションが相乗される生き物である」と訴えているようである。
(まつもと だいぢ/(株)丹青社 営業開発室プランニング&プロデュース部 部長(チーフディレクター))
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