tansei.net
季刊誌 tansei.net新施設情報近代建築海外情報感動マーケティング更新履歴

HOME > 季刊誌tansei.net > コラム > ローカルトレンドニュース > from sendai
コラム * ローカルトレンドニュース
from sendai
菅野 浩史

〜なまはげの背中に想う〜


 東北を代表する民俗行事、秋田の『なまはげ』を皆さんはご存知でしょうか。国の重要無形民俗文化財にも登録されているこの『なまはげ』について簡単にご紹介させていただきます。


 『なまはげ』とは、秋田県の男鹿半島において大晦日又は一月十五日の夜に行われている行事です。鬼の仮面と藁の蓑、藁沓(わらぐつ)に身を包んだ村の若者(=なまはげ)が出刃包丁を片手に「泣ぐ子はいねがー、怠け者はいねがー」「親の言うこど聞がねガキはいながー」と叫びながら家屋に進入し暴れ出します。そこで、家の主人はなまはげを丁重にもてなしながら、なまはげの文句をひたすら否定します。文句を終えたところで「来年もまた来る」と言い残し、なまはげは去っていきます。

 ちょっと想像しただけでも奇妙な、子供からすれば恐ろしい行事である事は想像に難くないところでしょう。由来については諸説あるようですが、「神の化身であるなまはげが、怠け者をこらしめる」事がこの行事の根幹である事は間違い無いようです。

 先日、某TV番組にて「言う事を聞かない我が子を躾けたい」との企画でなまはげが活躍していました。小学校低学年と思われる子供らは突如宿泊先の旅館に現れたなまはげに恐怖し泣き叫ぶ一方、自分を必死で守ってくれる両親に熱い眼差しを向けてしがみ付いていました。そして、去っていくなまはげに対し手を合わせ見送る子供らからは、なまはげと両親に対する畏敬の念が感じられました。


 我が子を叱れない親、教え子を叱れない学校の先生が増えているそうです。歯止めを掛ける事のできないこの現状が、少年犯罪の凶悪化・モラル低下の一端を担っているように思います。
  「なまはげ」頼みになるのは決して良い事だとは思えませんが、現代社会で失われつつある「威厳」と「畏怖」を取り戻す為のヒントがここにあるような気がしてなりません。相手を思いやる上での厳しさを持つ事は容易ではないと思います。体罰だパワハラだと何かと窮屈になってきた時世にあって、なまはげの存在はとても貴重で大切なもののように思えます。

 ここで一言。『いつもこころになまはげを』

(かんの ひろし/(株)丹青社 東北支店)
 

このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。
Copyright 2006 TANSEISHA.co.,ltd.
All right reserved.