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■コラム * ローカルトレンドニュース from sendai 平地 洋 「牡蠣と豚肉とキャラメルマキアート」 牡蠣のシーズンになると、毎年思い出す光景がある。 母の実家は、日本三景で名高い松島町の北に隣接する鳴瀬町の宮戸島という島にある。そこは通称「奥松島」と呼ばれ、「日本最大の里浜貝塚」があるということでその分野の方々には知られているが、全国区の「松島」の賑やかしいイメージとはほど遠く、「大高森」や、日本三大渓のひとつ「嵯峨渓」などの観光資源はあるものの、海苔、牡蠣の養殖漁業が中心の静かなところである。 子どもの頃は、学校休みの殆どをそこで過ごしていた。 12月に入ると、作業場で桶に入った牡蠣を一個一個剥く祖母の、まるく小さな姿を毎年思い出すのである。 牡蠣の冷たさ。それは生きる厳しさそのものであった。 当時は、島に肉屋が無く、母が「叔父さんは肉が好きだから」と、祖母が好物のゆべしと一緒にお土産にキロで豚肉を持たせてくれたのを思い出す。 あれから30年以上の時を経たが、嬉しいことに、島の風景はその頃とさして変わってはいない。しかし「肉屋が無い」時代はとうに過ぎ去った。一軒で複数の車を持ち(島は橋で陸続きとなっている)、20、30分も走れば、コンビニもパチンコ店もある。イトーヨーカドーは、スーパーとデパートの二役をこなし、カーショップもDIY店もあり、仙台市内に住む私の暮らしとさして変わらない(と思う)日常がある。仙台市内のアーケード街まで出掛けどっさりと買いだめをしなくとも、そこそこ済んでしまうのである。 7人兄弟の中、唯一仙台在住の母が、時折買い物を頼まれては島へ送っていた頃が懐かしく思われる。 働きまくった90歳の祖母は、今は静かに人生を楽しんでいるようだ、「老人会で、国体のサッカーの応援をしたが、まんず、見事に球を飛ばすもんだなー、たまげたー」と生涯初のサッカー観戦にいたく感動したと話していた。 願わくば、スタバや、ロフトなど、街中ならではの施設に連れて行き、「たまげたー」とまた言わせて見たい。 (ひらち ひろし/(株)丹青社 東北支店)
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