鈴木悟史(秋編) 画:長尾あゆみ 
コラム * ローカルトレンドニュース
from osaka
鈴木 悟史

扉の向こう側 
 
 
 



 社会人になって15年。営業という職種の経験も早10年となりました。会社のビジネスチャンスを作り出し、売上げと利益を伸ばす新規開発の急先鋒が営業の役割です。それといつもダブって思えてしまうのが、初めて覗くスナックの扉。みなさん、重く感じませんか。それは、期待と不安が交錯するからでしょうか。
 
先日、一見のスナック2軒で貴重な体験をしました。1軒目は、間口3メートル、奥行き20メートル、カウンターのみで、笑うせえるすマンがいつも止まり木にしてるバーのようでした。店内の雰囲気はいいのですが、ママはお疲れなのかカウンターのイスに正座して居眠りしてました。ママ暦半年の新人らしく(年齢は56歳、孫もいるとの事ですが)
 
昼間の仕事もしていて疲れのせいでしょうか会話にも元気がありません。隣の店から漏れ聞こえるカラオケが心地よいBGMとなっていました。話も盛り上がらず、そのBGMが気になったので、飲みかけのグラスをひといきに空け、隣の店にいく事にしました。
 
いやあ、対照的です。2軒目のママは元気!。この道30年のベテランママのパワーに圧倒されました。店の大きさは1軒目と全く同じですが、カウンターは化粧板、ミラーボールは昔の換気扇のように紐を引っ張ると回りだします。紐を引っ張るのはお客の仕事です。そんな安っぽさをものともせずお客を呼び込むオーラを放ち続けるママに敬服です。気がつけばカウンターは満席、みんなが友達になっていました。
 
初めて覗いたスナックの扉。新規開発の度に思う少しの不安‥。2軒目のママが言いました。扉が開く瞬間はいつもドキドキや。誰が入ってくるかわからへんし、ワタシらは逃げへんから。ちょっとは慣れたけどね。
 
夜が白々と明けてきました。みんな期待と不安はいっしょなんですね。だったら、元気な方がいいか。自分に必要な勇気とパワーをたっぷり頂き、今日もグッスリ眠れそうです。
 
(すずき さとし/(株)丹青社 関西支店)
 

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