コラム * ローカルトレンドニュース
from nagoya
岡本 靖生

実験! クルマ・ひと・地球の中部圏 



10月末日、政府発表の総合デフレ対策に世間の目が注がれるさなか、
 
『中間決算最高益更新』
『経常利益前年同期比50%増』
『売上高7兆8866億円』
 
 前日発表のトヨタの中間決算報告を受けたヘッドラインが中部地区の各紙朝刊に流れた。この巨額のトヨタからの恩恵を被るべく、中部圏はもはや自動車産業の存在なくしては考えられない。
 
 裾野が広い自動車産業は、多くの雇用を創出し、結果、商用・自家用を問わずこの地方の車の所有率は非常に高い。そして一般市民の車社会に対しての関心も高く、これまでも「車のある生活」を前提に政策が、また民間による地域開発が進められてきたと言っても過言ではない。そんななか行政と企業と市民が一体となった新たな先進交通社会へ向けた取り組みが始まっている。
 
 まずは、トヨタのお膝元、愛知県豊田市の例。鉄道・バスを補完する目的で小型電気自動車の共同利用が実験されている。高度道路交通システム―ITS―の一例で、市内短時間・短距離移動を目的とするものである。主要施設に設置された電気自動車の駐車場にて貸出し・返却。利用は電話による事前予約。街中の自動車の総数を減らし、電気自動車の利用により環境改善を図るのが目的。専用駐車場と台数が限られているのが難であるが、従来の公共交通機関を補完する意味では今後期待ができる。
 
 次に、愛知県犬山市・東浦町・阿久比町で実験中の「パーク&ライド」。車で最寄り駅まで行き駐車(パーク)し、鉄道やバスに乗り(ライド)換え目的地に向かうものである。近年各地で検討されているが、ここの場合、行政と駅近接の大型ショッピングセンターとの連携によるところが注目される。利用者は、1ヶ月単位で店の駐車場の一部を借り、駐車代金のかわりに商品券を購入する。実験期間が3ヶ月と短いため通勤者にとってはそのあたりがかえって不便なのか、応募状況は満たされていない。しかし問合せについてはまあまあのようである。
 
 今、自動車産業は近未来の交通社会を生みだし都市機能とのさまざまなコラボレーションがそこで始まろうとしている。クルマとひとと地球とが最も親密な中部圏ゆえの展開に注目いただきたい。
 
(おかもと やすお/(株)丹青社 名古屋支店)

 

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