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コラム * ローカルトレンドニュース
from hakata
津田 祐司

夜、現われ、朝、消える!?ハカタ現象


 福岡は支店経済の街なので4月、5月なると、東京や関西からの赴任の『博ちょん族』が一勢に入変わったりする。赴任挨拶の会話のなかで、時として聞かれるのが、『博多の名所ってどこ?』の類である。返答として、「深夜12時ごろ中洲の川沿いを歩くといいですよ。昼間、見れないモノが見れます。」そうゆうと、相手は幽霊でもでるのか、怪訝な顔で聞き返す。
「何???」。確かに川沿いに柳の並木はあるが、幽霊が出るにも出れない。歩道に人、人、人がうじゃうじゃ行き来し、嬌声あり、車のクラクションは鳴り響く。とても深夜の光景とは思えない。日曜以外は毎日同じである。

 中洲のネオンが川面に色とりどりに揺らぎ、その川沿いに屋台がびっしりと軒を連ねる。屋台の内、外まわりにも長椅子に台、それに酔っぱらいがせり出し、そこを酔客がかき分け往来する。「屋台」というと消えそうな赤提灯を目印に、ポツンと一台、しょぼくれたチャルメラオヤジがいて、ささくれながら侘しく酔う。

 てな風情が定番であるが、博多の屋台は、屋台村をこえて、「屋台街道」といった光景で、ある種、壮観である。真夜中に、毎日縁日があっているようなもんである。屋台は市内だけでも250軒はあるといわれ、大半は中洲川沿い、天神、長浜界隈に集中する。「屋台=ラーメン」といいたいところであるが、博多の屋台は何でもあり。イタリアンや中華、無国籍、カクテルバー、ちゃんこ、もつなべ、てんぷら等々。メニューも店も数多い。ただし、生ものは条例的にNG。屋台街だけに、サバイバルも熾烈。オリジナルメニューを工夫し、味を磨かないと生き残れない。

 かといって「市場原理」かといえば、そうではなく、「私情原理」で、共同体でもある。狭い屋台の長椅子に15人も入れば満席で、遠くはなれた見知らぬ者がカタコトのにわか博多弁で焼酎を酌み交わす。これが春夏秋冬、何十年も毎夜くりかえされる。日が昇れば、麺一本、チリひとつなく姿を消す。そして、日が沈めばまた現れる。何よりも「ハカタテキ風景」だと想う。

(つだ ゆうじ/九州支店)


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