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■コラム * tannet flash ミュージアム・ナウ 粟国 嘉隆 利用者の視点に立った博物館のあり方
博物館の自立した運営が求められるようになるなかで「博物館のあり方」というものを、より深く追究しようという動きが活発化している。博物館は運営を続けていくうえで、定期的な目標や方針の見直しが必要とされるが、そのための視点をどこに据えるかが課題としてとりあげられるようになっている。特に「博物館利用者」をしっかり見据えた
「博物館のあり方」つまり、「どのような目標を掲げ、どのような人々に働きかけていこうとしているのかという博物館の使命(mission)が、きちんと館内外で認識されているか」という、利用する市民との距離感などを意識した見直しの視点は重視されるものの一つである。「資料中心から、利用者中心の博物館運営へ」という博物館の捉え方の変化も、このような意識が根底にある。
議論は博物館で行なわれる活動プログラムから博物館評価に関する話題まで博物館運営に関連した幅広いテーマにおよぶ内容となった。ケーススタディとなった博物館が比較的大規模な施設であり、日本の多くの博物館の運営に直接結びつきにくいと感じられる点もあったものの、地域や規模を超えた根本的な博物館運営の取り組み姿勢や考え方について、多くの意見や提案が交わされたこのシンポジウムの意義は大きいと感じた。 ディスカッションの中では、博物館が、他のアミューズメントなどを目的とした集客施設と競争しなければならない厳しさや民間企業からの資金援助など、経営的な話題が取り上げられる反面、博物館資料を公共財として捉え地域の貴重な財産であることと、それを取り扱う博物館の活動について、多くの市民に認識してもらうことが必要であることが強調される場面もあった。最近では集客性を重視するあまり、博物館本来の魅力を見失いがちになる博物館運営の議論の中で、あくまでも「博物館」としての機能や役割を核として話題提供がなされたことは重要であったと思う。
(あわくに よしたか/(株)丹青社 公共空間事業部 企画開発室) このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。 Copyright 2004 TANSEISHA.co.,ltd. All right reserved. |