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■ケーススタディ 大本山永平寺 瑠璃聖宝閣
免震構造と最新の収蔵設備で文化財を保護
瑠璃聖宝閣は、昭和43年に永平寺の宝物を展示する施設として建設され、61年には五葉関(行者寮や機関誌「傘松」の編集室、図書室などからなる建物)の新築と合わせて改築されている。 今回の改築は、国宝・重要文化財を含む貴重な所蔵文化財を後世に継承していくための収蔵機能の徹底を図るとともに、一部を展示公開できる展示スペースも設けた施設として、今年迎えた750回大遠忌に向けて進められてきたものである。 周囲の樹木をできるだけ伐採しないという考えのもとで新築された建物は、外からは2層のように見えるが、実は地下1階地上4階建ての5層構造になっている。そして5層のうちの4層は同寺の数千点に及ぶ資料を収蔵する収蔵庫のフロアで、文化財を劣化から守るために庫内の空調や内部の壁面などに最新の設備を用いた環境づくりがなされている。また、建物自体も巨大な免震構造によって支えられ、想定しうる揺れの数倍にも耐えうる設計になっているという。ここに、別所で保管されている宝物の数々が順次収納され、守り伝えられていくことになる。 展示室は、以前の聖宝閣では階段を上り下りする形であったために参拝客には不便な面があったが、新しい聖宝閣では五葉関と渡り廊下で結ばれた2階に位置し、総受所から通路を通ってそのまま入ることができる。エレベータも設置されているので、高齢者や身障者にとっても利用しやすいものになっているといえる。 室内は大きく常設展示室と企画展示室に分かれ、前者では、道元禅師が中国(宋)に渡ったときに使ったとされる笈(荷物を運ぶためのもの)や、帰国して最初に著した自筆の「普勧坐禅儀」(坐禅の尊さや方法を細かく記したもので、国宝・複製)、江戸時代まで500年にわたって使われてきた梵鐘(重要文化財)などを展示、後者では現在、北宋時代の十六羅漢図をはじめとした仏画約20点が展示されている。 10月20日まで行なわれる大遠忌には全国からおよそ15万人が訪れるといわれるが、節目ともいえる年に、永平寺の歴史を物語る資料を安全に保管しつつ、参拝者が歴史の一端を間近に見ることのできる施設が完成したことは、同寺の歴史に新たな1ページを刻むことになろう。
データ 2002年6月現在
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