“体感”主体の展示構成で
自衛隊を身近に感じてもらう
「陸上自衛隊広報センター」は、陸上自衛隊の広範にわたる活動を継続的かつ体系的に紹介する施設として、陸上自衛隊朝霞駐屯地内に今年4月6日にオープン。
これまでの陸上自衛隊の広報活動は、マスメディアやイベントを通した情報発信が主体であり、それも一過性のものに過ぎなかった。このため、陸上自衛隊の活動について一般の知るところは、主に災害時等の救援活動にとどまり、その本来の目的である国の安全保障については、ほとんど情報を得る機会がなかったのが実状である。
こうしたことから同センターは、見学のための手続きなどを一切不要とし、主に若年層・女性層を対象に気軽にアクセスできる施設とするとともに、体験型を中心とした展示内容とすることで、来館者が陸上自衛隊やその活動をより身近なものとして感じとれるようにしたのが大きな特徴である。
建物の1、2階を大きく吹抜けにとり、戦車やヘリコプター、空挺傘などを実物展示するのが展示ゾーンである。陸上自衛隊の第3世代戦車として1977年に開発に着手された「90式戦車」や、対戦車ヘリコプター「AH‐1S」などがすべて実物で展示されているほか、自衛隊員が実際に使用している防弾チョッキや背のう、ヘルメットなどの装備品も展示され、これらは身に付けることも可能。ゾーン内には常時3名の勤務員がついており、質問等を通して自衛隊員と接する貴重な機会ともなる。こうした実物展示に加え、実際には乗車するのがむずかしい戦車やヘリコプターなどについては、「フライトシミュレータ」や「射撃シミュレータ」で疑似体験ができる。
特に「3Dシアター」は、20××年、日本が他国に侵攻されたという架空のストーリーを、一部CGも含む実写で上映する。専用偏光グラスをかけて観賞、シートも映像に合わせ動作するというもの。迫力ある映像で、現在の自衛隊のもつ活力を目の当たりにできる。このほか、同ゾーンにはプリントシール機を設置し、自衛隊のユニフォームを着ての記念撮影も可能となっている。
2階の展示室「陸自の歴史、遺産」は、陸上自衛隊の制服の変遷を時代ごとにフィギュアで紹介するほか、自衛隊にまつわる絵画や記念品などを展示する。文章としては記録されているものの、展示に耐えうる形としてはあまり残っていない陸上自衛隊のこれまでの歩みを概観できるわけだ。
このほか、1階のイベントホールは、自衛隊に関するビデオ上映会や職域ごとの特設展示、自衛隊員の創作による美術展を行なう企画展示スペース。また、同館に隣接する屋外のイベント広場には、多くの戦闘車両などが実物展示される。ゴールデンウィークや夏休みなどの期間には、ヘリコプター等の実車体験会も企画しているそうだ。
加えて、自衛隊についてさらに知識を深めたい利用者のために研修室を設置。インターネットに接続されたPC端末2台のほか、関連書籍50点、ビデオ60点などを揃えている。
「来場者の皆さまには、まず3Dシアターやシミュレータなどを体験して、自衛隊やその活動について肌で感じていただきたい」(東部方面総督部広報室広報センター準備長2等陸佐・立野昭二氏)という。
今後は、年間16万人の来場者数を目標に、マスコミ等を利用して積極的に施設をアピールしていく構えである。
| [所在地] | 東京都練馬区大泉学園町 (埼玉県朝霞市・和光市にもまたがる) |
| [連絡先] | TEL.03-3924-4176 |
| [オープン] | 2002年4月6日 |
| [設置主体] | 陸上自衛隊 |
| [設計] | (株)岡田新一設計事務所 |
| [敷地面積] | 2,000m2 |
| [延床面積] | 2,618m2 |
| [施設内容] | ●1階 事務室、売店、展示ゾーン、 イベントホール、地下指揮所 ●2階 陸自の歴史・遺産、陸自の意義・役割、 陸自の編成・配置、研修室、会議室 |
| [入館料] | 無料 |
| [開館時間] | 10:00〜17:00 |
| [休館日] | 毎週月曜日、第4火曜日(祝日の場合は翌日)、 年末年始(12/28〜1/4) |