■ケーススタディ 特集 まだまだあります昭和30年代の修景施設。 浦安市郷土博物館 「漁師町・浦安」の街並みを再現した"生きている博物館" 山本周五郎氏の小説「青べか物語」の舞台として知られる千葉県・浦安は、漁師町として長い歴史を持っていたが、1971年の漁業権全面放棄以後、複合都市としての方向付けのもとに沿岸の埋立てが行われるなど、新しい都市への変貌という激しい変化に見舞われた。そうしたなか「貴重な郷土資料の散逸を防ぎ、収集・保存を図るにはこの機会を逃すことはできない」との観点から80年に郷土資料館が開設された。 しかしながら同施設は、給食センターの建物を転用したもので、保存機能が不十分なため、次世代への資料の継承ができず、さらに収蔵、展示、学習スペースが絶対的に不足しているため、資料館本来の目的を達成することができなかった。 漁業経験者など、昔の浦安を知る人々の高齢化が進むなか、91年ごろから新しい博物館建設の気運が高まり、準備が進められるなか、2001年4月に新しい「郷土博物館」が開館した。 展示の基本的考え方は、「海とともにくらした時代を歴史・民俗資料、情景再現等で紹介し、単なる懐古趣味でなくこれからの浦安のあり方を考える上での指針となる展示」で、「もの」と「ひと」のつながりを重視し、展示物は特別なものを除いて自由にふれることができるようになっている。 常設展示では、屋外・屋内の展示を有機的に関連させ、かつて浦安が「漁師町浦安」として栄えていたころを中心に、海とともにくらした事象を紹介している。
台場一丁目商店街 昭和30年代の商店街を再現した活気あふれるショッピングゾーン 東京・台場の複合商業施設「デックス東京ビーチ」のシーサードモール4階に2002年10月26日にオープンした「台場一丁目商店街」は、戦後の復興期から高度成長期にかけて、わが国で最も活気づいた昭和30年代をコンセプトに、当時を想起させる商店街の街並みを再現した環境演出型のショッピングゾーンである。出店する各店舗の看板やファサード、商品のディスプレイなどに当時の雰囲気が再現されるほか、ファサードだけの仮想店舗なども設置。エレベータホールを駅、トイレを銭湯に見立てたかまえとするなど、"一つの町"としての完成を志向している。 その一方で、造作に頼って単なる懐古趣味の空間に陥ることを避けるため、特売日には各店舗のスタッフが半被を着用して接客にあたるほか、バナナの叩き売りやチンドン屋の行進など、さまざまなイベントを定期的に行うことで"活気ある商店街"の雰囲気を演出している。
レッド・エンタテインメント 昭和30年代の風景をオフィスに再現し"町内会のような雰囲気"を演出 ゲームソフトやアニメなどのコンテンツの企画制作を手がける(株)レッド・エンタテインメントは、2004年2月にオフィスを、それまでの東京・青山から日本橋蛎殻町に移転するにあたり、フロア全体に"昭和30年代の下町"を想起させる環境演出を施した。この"楽しいオフィス空間"づくりは「エンターテインメントビジネスは自分が楽しくならないとできない」という会長・広井王子氏の発想から行われたもので、オフィス内には旧型の郵便ポストや懐かしい人形看板が飾られているほか、各部屋の名称も「ストリップ 社長室」や「帝国映画劇場」などと名付け、看板やファサードを当時の風景を再現したデザインとしている。 昭和30年代を環境演出のテーマに選んだのは「高度成長期の初期で、日本が最も活気づいていたときで、いまより少しイイカゲンで、少し優しかった」時代であり、当時の「町内会のような雰囲気」を会社内に作りたいと考えことからで、 "街"として「日々変化し、成長していく」オフィスを目指している。
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