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フランスを代表する宝飾・ガラス工芸家、ルネ・ラリックの生涯にわたる作品を展示する「箱根ラリック美術館」が2005年3月19日、箱根・仙石原にオープンした。 ルネ・ラリックは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで興隆したアール・ヌーヴォー、アール・デコの両装飾様式にわたって活躍。19世紀末にヨーロッパを席巻したジャポニスムの影響を受けたラリックの創作活動は、彫刻の躍動感を採り入れた画期的な宝飾にはじまり、20世紀の産業デザインのシンボルであるガラス工芸や建築装飾へと広がり、いまも世界中で愛されている。 首都圈で映画館やボウリング場などを経営する籏保全(株)が開設した同美術館は、川や森などラリックがこよなく愛した「自然」をありのままに残す約1万3000m2の敷地に、美術館、レストラン、ショップなどを配置。「感動・人・元気」をテーマに、アートと自然を通して豊かな生活を提案する施設として展開している。
美術館へのプロローグとなるミュージアムゲートで、ラリックのカーマスコットを装着したクラシックカーが来館者を迎えてくれる。美術館では、約1500点の収蔵作品から厳選した約230点を公開。常設展示としては日本最多となる40点の宝飾作品をはじめ、香水瓶や花器といった当時の最先端技術を駆使したガラス作品から、ラリックが後半生に制作した建築装飾まで幅広い展示を行っている。 レストランやショップが充実しているのも同美術館の特徴で、19〜20世紀初頭、パリに次々と誕生したアーケード街から名づけられたショップ「パッサージュ」には、独自のセレクトにより、生活の中の美意識やこだわりを提案してきたラリックの作品のように「現代の暮らしを"素敵"に演出する」雑貨約3万点を揃えるなど、楽しさに満ちたショップとして展開している。 カフェレストラン「LYS」では、3面ガラス張りの店内とオープンテラスで、季節の美しさを感じながら、厳選した旬の食材を活かした"カジュアル・フレンチ"を楽しむことができる。 またレストランに隣接した特別展示「ル・トラン」では、ラリックがその車内をガラスパネルで装飾したオリエント急行のサロンカーを展示している。
私は写真を撮るのが好きで、よくヨーロッパに撮影に行っていました。その際、たまたま覗いたクリニャンクール(蚤の市)が病みつきになってしまいました。そうしたなかで、パリのルーブル美術館の真向かいにあるアンティークショップでルネ・ラリックの作品を見つけたのが、私とラリックとの出会いでした。 それが昭和40(1965)年ごろのことで、その後、ガラスの小物などを買い集めていくとともに、向こうの文献を漁り、ミュシャやサラ・ベルナールなどとの関係などを調べるうちに、ラリックに関する資料類も集まってきました。 ラリックの美術館をつくろうと思ったのは25年ほど前のことで、コレクションが増えていくなかで、これはきちんと残していかなければいけないものだと感じたためです。美術館の建設地としては、できるだけ多くの人に来館し、観覧していただきたいので、ラリックのファンが多い東京や横浜に近く、しかもラリックが愛した自然を多く残したところということで、箱根を選びました。 しかし、箱根は国立公園内ということもあって、最初に手当てした土地は、美術館の建設許可がおりませんでした。そのため鎌倉や軽井沢なども探したのですが、なかなか思うような土地は見つからず、ようやく、この地と巡り会うことができました。箱根にはじまって箱根で落ち着いたわけですが、箱根は個人的にも思い出のある場所で、この地はまったくこのうえない場所です。長い間には頓挫しそうになったときもありましたが、夢と勇気を持って乗り越えてきました。 箱根ラリック美術館では、約1,500点の収蔵作品のうち約230点を常設展示として公開していますが、2年くらい経ったら展示品を多少入れ替えていきたいと思います。また美術館へのアプローチとなるミュージアムゲートには、ラリックのカーマスコットをあしらったクラシックカーを展示しています。もうひとつのコレクションである1900年から1970年代の世界の名車を展示する「ハタ・クラシックカー博物館」がさいたま市大宮にありますので、ミュージアムゲートに展示するクラシックカーは1年に1回くらい変えていくなど、ファンの方に何度でも足を運んでいただける美術館にしていきたいですね。 箱根ラリック美術館は、ラリックの作品を通じて、アール・ヌーヴォーからアール・デコの時代のヨーロッパで美術様式に大きな影響を与えたのがジャポニスム、すなわち日本の美術工芸であったことを日本人に認識していただくきっかけの場となることが、その使命ではないかと考えております。
箱根ラリック美術館 データ 2005年6月
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