■ケーススタディ 中国地方の企業ミュージアム CSR(企業の社会的責任)に対する関心が非常に高まるなか企業は、株主や取引先のみならず従業員や消費者、 さらには地域社会など多様なステークホルダー(利害関係者)に対して責任を果たすことが、 これまで以上に求められている。 こうしたなか企業ミュージアムは、企業と社会をつなぐプラットホームとして、近年、その役割が高まってきている。 その意味で、これからの企業ミュージアムの展開には、その文化的な魅力をより高めると同時に、 より積極的な情報発信を通じて、市民の文化的なニーズの高まりに応えていくことが求められているといえる。 そうした方向に向けてリニューアルを行った中国地方を代表する2つの企業、 マツダ(株)と中国電力(株)の企業ミュージアム=マツダミュージアムと 中国電力技術研究センター「エネルギア・サイエンススペース」をレポートする。
マツダミュージアム
「Zoom−Zoom」感溢れる空間にリニューアル マツダ(株)は、本社工場内に1994年5月に開設された企業文化施設「マツダミュージアム」を、2005年2月5日にリニューアルオープンした。 今回のリニューアルは、マツダ創業85周年を機に行われたもので、マツダのブランドメッセージである『※Zoom--Zoom』や、 マツダのクルマづくりへの思いを感じてもらうことを目的に、最新のクルマの展示や企画展を行うエントランスホールを新設したほか、 トータルのデザインやレイアウト、展示内容を一新した。 マツダでは、マツダミュージアムが中四国で唯一の自動車産業見学施設であることから、 社会学習や地域のコミュニケーション活動など、地域貢献施設として活用していきたいと考えている。 また、要望が高かったミュージアムショップも新設し、マツダオリジナルグッズなども販売している。 ※Zoom-Zoom(ズーム・ズーム)とは、「ブーブー」というクルマの走行音を表わす英語の子ども言葉。 子どもの時に感じた動くことへの感動を愛し持ち続ける人々に「心ときめくドライビング体験」を提供することを表わしている。
中国電力技術研究センター エネルギア・サイエンス・スペース
科学技術への関心を高めるため"体感型"展示設備をふやし来館者の興味の喚起を図る 中国電力(株)技術研究センターは2004年9月14日、展示ホールを「エネルギア・サイエンス・スペース」としてリニューアルオープンした。 技術研究センターは、電気を低廉かつ安定して供給するための研究開発をはじめとして、 資源のリサイクル等の環境を保全していくための研究開発、さらには、情報・通信ソリューションなどの新たなビジネス展開に向けた研究開発を行っているが、 産官学連携の必要性が高まるなかで同センターは、地域産業の高度化の促進や、地域経済の発展を図るため、 各界の研究機関等の受け皿として東広島市に造成された研究団地「広島中央サイエンスパーク」に移転。 同時に、同センターでの研究成果の公開展示等を通じて、「地域の人たちや小中高大の学生に科学技術に関心をもってもらうきっかけとなる」ことを目的に展示ホールをセンター内に開設した。 オープン10周年を機に実施した今回のリニューアルでは、それまでのタッチパネルを使った「対面型」の展示から、 「体感型」の展示に変更。手で触れたり、身体を動かすことで変化を学ぶようにすることなどで、 来館者の興味をより沸き起こす工夫を凝らした。 同センターでは「最初から100%完璧なものはできないので、毎年少しずつ展示物を入れ替えていき、 継続的に新鮮さを失わないようにしていくことで、リピーターの方でも"飽き"のこない施設にしていきたい」 (中国電力(株)研究開発部門技術研究センター副所長・藤本昭範氏)としている。
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