ケーススタディ

北海道のラーメン文化の殿堂を目指し、
各地のご当地ラーメンが一堂に会するフードテーマパーク

 
札幌ら〜めん共和国
 

 
 北海道各地の有力ラーメン店が集結し、それぞれの個性的な味が楽しめるラーメンのフードテーマパーク「札幌ら〜めん共和国」が、10月1日にオープンした。
  同施設は、北海道旅客鉄道(株)(JR北海道)グループの一員である札幌ターミナルビル(株)が経営するJR札幌駅前に立地する商業施設「エスタ」の10階レストラン街をリニューアルして新たに設けられたもので、施設の企画・設計・プロデュースには、フードテーマパークで多くの実績を有する(株)ナムコの企画設計集団「チームナンジャ」が担当した。
 
 札幌駅前には、昨年3月、駅前再開発により「大丸札幌店」と商業モール「ステラプレイス」などからなる「JRタワー」がオープンしているが、そうした背景を受けて同ビルに隣接するエスタでは、既存レストラン街を見直し、抜群の集客力を誇るフードテーマパークを導入することにより個性化と賑わいを創出し、母体施設への波及効果、周辺施設の相乗効果に寄与しようと企図したもの。
 
(左)●北海道らしさを感じさせる建物が立ち並ぶ街並みは昭和20年代を再現したもの。その街並みの中にラーメン店が溶け込むように配置されている

(中)●10階のレストラン街の約半分を占めるラーメン共和国への入口には期待感を高める演出がなされている

(右)●施設の中央に置かれた蒸気機関車「なると号」と木造の駅舎が存在感のある雰囲気をつくり出している。踏み切りは信号の点灯と音により演出される

 
  札幌ら〜めん共和国のテーマは「北のラーメンフロンティア」。札幌といえば全国でも有数のラーメンどころであり、激戦地あることはあまりにも有名だが、"北海道4大ラーメン"といわれるように、札幌、旭川、函館、釧路といった地域に根ざした個性的なラーメン文化が醸成されており、 それ以外の各地にも地域らしさの現われたラーメンがあるなど、まさにご当地ラーメン王国となっている。
 
  ら〜めん共和国は、これら4大ラーメンをはじめ、道内でもあまり知られることのないご当地ラーメンを紹介していくことで"北海道ラーメン文化の殿堂"をつくり上げることを目指している。今回は、フードジャーナリストであるはんつ遠藤氏の監修を受け、4大ラーメン地に帯広、根室を加えた8店舗のほかテーマ物販店1店が出店。空間は、ミニ独立国であるというテーマストーリーに基づく設定で昭和20年代の札幌の街並みが再現され、中央にはリアルにつくり込まれた蒸気機関車と木造の駅舎、踏み切りが配され、それを取り巻くように街並みが広がる非日常的な環境演出となっている。
 
  また、各所には北海道のラーメンに関する解説やクイズなどが配されており、さらには顧客からラーメンの情報を募集し掲示する「口コミ情報局」、利用者の投票によるラーメン王(店舗)の選出といったアトラクション的要素も盛り込むなど、味わうだけでなく、参加性、情報発信という機能も備えた、北海道のラーメンを集大成し伝えていく拠点として構築されている。
 
「1日1万5500人のお客さまが訪れた日もありました。8割は地元の方ですが、函館、釧路、帯広などから何度も足を運ばれる方もいらっしゃいますし、まだ宣伝をしていない本州からのお客さまも意外に多く、その反応のよさに驚いています」(札幌ターミナルビル(株)札幌ら〜めん共和国館長・浅川隆司氏)という状況で、4基のエレベータだけでは足りず裏口の緊急用エレベータも提供して対応するほどの盛況ぶりをみせている。
  同施設では年間の集客目標を120万人と想定しているが、オープン直後から大きな話題を呼び、開業1か月で早くも31万6000人を集客。また、「ビル全体の来館者数も大幅にアップしており、各テナントさんも売上げを伸ばされています」(浅川氏)と、波及効果も現われている。

札幌ターミナルビル(株)
札幌ら〜めん共和国館長・浅川隆司氏
   
  「食べ歩きをしたいというお客さまのご要望にお応えして、11月8日から"ミニラーメン"を各店で提供する企画を実施しています。今後も、運営を通じてさまざまなイベント企画を打ち出していきたいと考えていますし、ほとんどの店舗が1年契約となっていますので、お客さまの反応をみながら、常に魅力あるラーメンを提供できるよう努めてまいります」(浅川氏)と、さらなる活性化に意欲をみせている。
 
 
(左)●つくり込まれた街並みのなかに、北海道のラーメン文化に関する展示が盛り込まれている

(中)●壁の落書きや張り紙などディテールにまでこだわった演出がなされ、そうしたなかにクイズが潜ませてあり、そうしたものを見て歩くのもまた楽しさのひとつ

(右)●バックストーリーには、おいしいラーメンを食べられることに感謝する「なると祭り」が開催されているという設定もあり、祭りの雰囲気を醸し出した演出もある

 
(左)●なると号とともに"駅前広場"には、ら〜めん神「ら・ぶ〜」を祀る神社が置かれている

(中)●昭和22年創業の、旭川の老舗ラーメン「青葉」
(右)●70's、80's、90'sというユニークなネーミングの世代別ラーメンを打ち出した函館の「ずん・どう」

 
(左)●ノスタルジックな雰囲気の街並みのなかに8店舗のラーメン店が出店。函館から参加した「あじさい」は初代のラーメン王に輝いた

(中)●海産物の宝庫、根室の人気ラーメン「しげちゃんラーメン」
(右)●北海道各地をはじめ全国のご当地ラーメンを100種類以上揃えたテーマ物販店「札幌ら〜めん開拓舎」

 
 
(左)●施設の一角には小上がりも用意されている

(右)●札幌ら〜めん共和国は、JR札幌駅に隣接する商業ビル「エスタ」の10階に開設された

 
●札幌ら〜めん共和国出店店舗
地域 店舗名 備考
札幌 らーめん 山桜桃 札幌中心街初出店
札幌
麺家 風 初支店
旭川 旭川らうめん 青葉 札幌初出店
函館 函館麺厨房 あじさい 札幌初出店
函館 らーめん家本舗 ずん・どう 札幌初出店
釧路 釧路ラーメン 河むら 札幌初出店(初支店)
帯広 らーめん みすゞ 札幌初出店(初支店)
根室 しげちゃんラーメン 札幌初出店(初支店)
 
関連サイト:
  札幌ら〜めん共和国
 

データ 2004年12月
[所在地] 札幌市中央区北5条西2-1
[オープン] 2004年10月1日
[連絡先] 011-213-2111
[事業主体] 札幌ターミナルビル(株)
[施設面積] 約1,320m2
[施設内容] ラーメン店舗8店
「らーめん山桜桃」「麺家 風」「旭川らうめん 青葉」「麺厨房 あじさい」
「らーめん家本舗 ずん・どう」「釧路らーめん 河むら」「らーめん みすゞ」
「しげちゃんらーめん」
物販店1店
「札幌ら〜めん開拓舎」
[営業時間] 11:00〜22:00
[定休日] 年中無休
[入場料金] 無料


このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。
Copyright 2004 TANSEISHA.co.,ltd.
All right reserved.