ケーススタディ
  GDP2004の共催

 


 

 
 さまざまなジャンルの最新デザインが集結する「グッドデザインプレゼンテーション(GDP2004)」が 8月26〜28日の3日間、東京・有明の「東京ビッグサイト」で開催された。
 
 「Gマーク」で知られるグッドデザイン賞は、今年で48回を迎えた日本で最も歴史のあるデザイン評価制度で、 GDPはグッドデザイン賞の審査会場を公開して開催する日本最大規模のデザインイベント。 今年度からGDPは、グッドデザイン賞を主催する(財)日本産業デザイン振興会と (株)丹青社との共催の形で開催されることとなったが、 GDP2004は、一次審査を通過して今年度のグッドデザイン賞にノミネートされた約2400件の最新デザインが一堂に会するとともに、 デザイン先進企業による"明日のデザイン"を体感できる特別企画展「デザイン・イニシアチブ」や" 未来のデザイナーたち"による提案デザインショーケースを各大学の協力を得て展示する 「学生デザインショーケース」なども開催されるなど、日本最大級の"見本市的デザインイベント"となった。
 
 「すべての生活分野・産業分野においてグッドデザインが必要」という観点から審査されるグッドデザイン賞の 対象は、家電や車などの工業製品だけでなく、住宅や建築物、ソフトウェア、サービスシステム、 パブリックリレーション、地域づくりなど幅広く、エントリーされるデザインは、 (1)商品デザイン部門、(2)建築・環境デザイン部門、(3)コミュニケーションデザイン部門、(4)新領域デザイン部門の4部門に分けられて審査され、 評価表彰される。
 
 調査によると、Gマークの認知率は全国平均で70%、都市部・高収入・高学歴層ではほぼ100%に達し、 また、約40%を超える人が「買い物の際にGマークを参考にする」としているなど、 グッドデザイン賞は日本の産業発展と生活向上に寄与するとともに、 今後もさまざまなジャンルにおけるデザイン振興への寄与が期待されている。
 

 

 
青木 史郎 氏/
 
財団法人日本産業デザイン振興会 理事
Gマーク事業部 部長

 
21世紀はデザインオリエンテッドなものづくりが重要な時代。 "デザインの味方"と組んでユーザーにダイレクトに発信できる場を創出
青木氏
 
−まず日本産業デザイン振興会が主催されている「グッドデザイン賞」の概要についてお聞かせ願います。
 
青木 グッドデザイン賞は、いまから47年前の1957年に当時の通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を母体とする、 わが国唯一の総合的デザイン評価・推奨制度です。
 
 制度発足当時の文書には、その目的について「商品の良質化により国民生活の向上、 産業の発展及び輸出貿易の振興を図るため−中略−グッド・デザインを選定公表する」と記載されていますが、 当会の最初のミッションは輸出振興のための「産業へのデザインの導入」でした。 そして84年に対象とするデザインを全面的に見直して、耐久消費財のような生活財だけでなく、 工業財や公共財なども対象とするなど、時代の変化に伴い対象の幅は広がっていき、 「デザインを活用して社会全体を推し進めていくこと」が、今日のグッドデザイン賞の役割となっていますが、 これほどの規模と時間をかけてデザイン振興に取り組んだ例は他国に見られません。
 
 この結果、産業化社会型のデザインというのはきわめて高度に発達し、 その意味では第一次ミッションはクリアしたといえますが、産業化社会そのものがある種の歪みを持っており、 21世紀に入って、その歪みがどかんと社会問題として露出してきてましたが、 実はそこに大変なデザインニーズがあるのです。 たとえば高齢化社会を楽しく安全に健康で生きるにはどうしたらいいのか。 地球と共生して生きていくにはどうしたらいいのか。そういう課題が山のように出てきました。
 
 課題が出てきたからといって産業化社会の構造が急に変わるわけではありませんが、 「産業と生活を結ぶ好ましい循環を造る」という視点からのデザインオリエンテッドなものづくり− これはユーザーオリエンテッドといっても構わないと思いますが−それが重要になっています。 ですからグッドデザイン賞の対象にビジネスモデルなどをあえて入れているのです。
 
−そのグッドデザイン賞の審査会場を公開して開催するわが国最大規模のデザインイベント「グッドデザインプレゼンテーション(GDP)」を、今年から丹青社との共催にされましたが、その狙いというのはどういったことでしょうか。
 
青木 デザインオリエンテッド、ユーザーオリエンテッドなものづくりということを考えたとき、 ユーザーに対してダイレクトに提案する場というものを、なんとしても確保しなければなりません。 これにはバーチャルもあればプリンティングメディアもあるということになるが、やはりリアルな場がないと、 何もできない。リアルな場があれば、それをバーチャルで引き取ることも、 プリンティングメディアで展開することもできる。 グッドデザイン賞は、審査会自体は90年代後半から公開していましたが、 デザインイベントとしては大規模なものではありませんでした。 何が何でも一般客が入る大イベントというものを開催しなければならないという想いがありました。
 
 そこでノミネートされたデザインを一堂に集めるGDPの開催に至るわけですが、 最初は単純に丹青社に「発注」するだけでした。 しかし単に受発注という関係ではなく、丹青社がもっているノウハウを含めて、私どもと連携できないか。 つまり、われわれが展示会をやっても仕方がない。 やはり餅は餅屋にお願いすべきで、場所を作れて、場所を仕切れて、場所を回せる能力をもったところで、 しかもデザインというものに対して理解のあるところと私たちは組むべきだと考えたのです。 
今年から丹青社にGDPの主催者の一員になっていただきましたが、それに対して反対はまったくありませんでした。 丹青社がこれまでデザイン界のためにいろいろとやってきたことを皆が評価していたから、 そういうところと組むことができたということで、抵抗もなかったのでしょう。
 
 1回目が終わった段階での感想としては、丹青社にはもっと伸び伸びと自分たちなりの発展をしていだだきたいと思います。

 

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