ケーススタディ
 
 資生堂企業資料館
 

創業以来、積み重ねられてきた資生堂の
「企業文化」が熟成する"美と知の資料館"

 
 資生堂企業資料館は、創業120周年を迎えた1992年、静岡県掛川市の掛川工場の敷地内に開設された。建物は地上4階建で、資生堂の長い企業活動の歴史の中で生み出された商品や宣伝制作物をはじめとするさまざまな「企業文化資産」を3〜4階に一元的に収集・保存し、1〜2階で、その一部を展示公開している。
 
 1階の展示は、「企業文化のあゆみ」「時代を彩ったポスター」「CMシアター」などのコーナーで構成。「企業文化のあゆみ」では、日本初の練歯磨、資生堂初の化粧品「オイデルミン」から、大正時代の香水、昭和初期、そして戦後の高度成長期から現代にいたるまでの宣伝制作物など、日本初の洋風調剤薬局として創業した1872年から現在まで132年にわたる資生堂の歴史と企業文化の歩みを展示。
 
「時代を彩ったポスター」は、常に時代の最先端の美しさを切り取り、日本中の女性たちへ"未知の美"を提唱してきた資生堂を色鮮やかに彩る歴史の1ページとして、1955年の「資生堂化粧品」から2001年の「資生堂ザ・メーキャップ」まで、代表的ポスター24点を壁面に掲示。また「CMシアター」では、1960年から2000年までの代表的CM184本を、大型ディスプレイで視聴することができる。
 
 2階は「デザイン史パネル」「ポスター・広告の変遷」「サクセスフルエイジングコーナー」などの展示構成で、「デザイン史パネル」では、1916年に誕生し、『資生堂スタイル』と呼ばれるデザインを完成させた「意匠部」が生み出していったデザインの歴史を掲示。「ポスター・広告の変遷」は、時代を映す鏡ともいえるポスターや新聞・雑誌広告1000点を展示。また「SAコーナー」では、「サクセスフルエイジング(SA)」に関する情報と「SAフォーラム」の講演内容を自由に検索することができる。
 
(左)●「資生堂アートハウス」(右手前)と「資生堂企業資料館」(左奥)は、掛川工場の広大な敷地の一角に立地
(中)●企業資料館は、創業120周年を迎えた1992年に開設された
(右)●敷地内に設置された「健康遊歩道」は、資生堂が開発。足の裏の刺激によって全身の循環を活発化させ、身体の内側から美しくなるもので、地元の人に開放している

 
(左)●1階は、時代に沿って創業から今日までの130年にわたる資生堂の歴史と企業文化の歩みを展示
(右)●地上4階建ての建物の1〜2階を展示スペースに使用

 
(左)●2階に展示された1,000点におよぶ雑誌・新聞広告
(右)●2階に設けられたサクセスフルエイジングコーナー

 
 
 
 資生堂アートハウス
 

時代を彩ったアーティストたちの美の結晶を集結させた"心に響く美術館"
 
 資生堂アートハウスは、資生堂が芸術支援活動の一環として、銀座の資生堂ギャラリーを会場に開催している「椿会美術展」(1947年から5期にわたって断続的に開催)や現代工藝展」(1975〜1995年)を通じて収集した、絵画・彫刻・工芸品などの美術品と、創設以来の商品や宣伝制作物を収蔵、展示する施設として1978年に開設された。
 
その後、2002年のリニューアルを機に展示品を美術品に限定し、年間4〜5回の企画展と、彫刻と立体を主体にした常設展を開催する美術館として運営されている。また、企業のコレクションは広く公開すべきという資生堂の理念に基づいて、すべての展覧会を無料公開している。
 
コレクションのメインは日本人作家により1970年代以降に制作された作品で、現在の総数は約1300点。中心となっているのは、奥村土牛・高山辰雄(日本画)、岡鹿之助・牛島憲之(洋画)、佐藤忠義・柳原義達(彫刻)、野見山暁治・李禹煥・舟越桂(現代美術)、清水卯一・加守田章二(陶芸)、田口善國・増村益城(漆芸)、志村ふくみ(染織)など、資生堂とゆかりのふかい作家たちである。
 
また谷口吉生・高宮真介両氏の設計によるアートハウスの建物は、1980年の「日本建築学会賞を受賞しており、80年代のモダン建築を代表する作品として知られている。
資生堂アートハウスおよび資生堂企業資料館について、両館の運営にあたる資生堂企業文化部の佐藤朝美さんは「地域に開かれた美術館・博物館でありつづけるとともに、化粧文化を資生堂の歴史とともに次の世代に伝えていくことが、私どもの使命だと考えております。これからも引き続き収集・保存に努力し、その一端を多くの方々に気軽にお立ち寄りいただき、ご覧いただけ施設でありつづけたい」としている。
 
(左)●企画展示スペース。絵画、工芸、現代美術などによる企画展を年間4〜5回開催
(中)●常設展示スペース。1階および2階展示室で、アートハウスのコレクションからセレクトした彫刻、立体作品を中心に展示。「椿会美術展」「現代工藝展」作家たちの洗練された作品を優雅な空間のなかで鑑賞できる
(右)●「資生堂アートハウス」は1980年の日本建築学会賞を受賞。ガラス面に通過する新幹線の車体が映り込むように設計されている

 
関連サイト:資生堂企業資料館・資生堂アートハウス
 

データ 2004年9月現在

[所在地] 静岡県掛川市下保751-1
[オープン] ●資生堂アートハウス 1978年11月
●資生堂企業資料館 1992年4月
[敷地面積] 230,000m2
[連絡先] 0537-23-6122
[構造・規模] ●資生堂アートハウス
鉄骨造、一部コンクリート造・地上2階建
●資生堂企業資料館
鉄骨造(耐火構造)・地上4階建
[展示面積] ●資生堂アートハウス 825m2 ●資生堂企業資料館 566m2
[施設内容] ●資生堂アートハウス
常設展示、企画展示、ミュージアムグッズ販売コーナー
●資生堂企業資料館
常設展示、ミュージアムグッズ販売コーナー
[開館時間] 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
[休館日] 毎週月曜日(ただし祝日・振替休日の場合は翌日)、夏季(8月中旬)、年末年始(12月末〜1月初旬)
[入館料] 無料

 


 
 資生堂鎌倉工場「かまくら工房」
 

"良い品を良い人で"をコンセプトに
「お客さまの喜びをわが喜びにする」

 
 資生堂鎌倉工場は、東洋一の化粧品工場として1959年に設立、現在は化粧水、乳液、クリーム、口紅といった女性向け化粧品を中心に約2000品種、年間約7200万個の生産を行なっている。工場内に96年に開設された「かまくら工房」は、鎌倉工場のショールームとして、同工場におけるモノづくり、口紅の歴史、環境への取り組み、そして化粧品のテスティングを体感できる。開場時間内であれば、好きな時に入場することができる。また鎌倉工場は、予約制により、案内スタッフの説明を聞きながら、化粧品の生産工程などを見学できるようにするなど、地域に根差した工場として展開している。
 
(左)●「資生堂アートハウス」(右手前)と「資生堂企業資料館」(左奥)は、掛川工場の広大な敷地の一角に立地
(中)●企業資料館は、創業120周年を迎えた1992年に開設された
(右)●敷地内に設置された「健康遊歩道」は、資生堂が開発。足の裏の刺激によって全身の循環を活発化させ、身体の内側から美しくなるもので、地元の人に開放している

 
関連サイト:資生堂 鎌倉工場
 

データ 2004年9月現在

[所在地] 神奈川県鎌倉市岩瀬1-2-3
[オープン] 1996年10月(かまくら工房)
[連絡先] 0467-44-6141
[延床面積] 約300m2(かまくら工房)
[施設内容
(かまくら工房)]
ラウンジ
オリジナルブランドショップ
読書エリア
テスティングエリア
ルージュギャラリー
ビデオギャラリー
テクニカルエリア
[開場時間] ●かまくら工房 10:00〜16:00(フリー)
●見学(要予約) 10:00〜、13:30〜の2回
[休業日] 土・日曜日、祝祭日、 その他会社休業日

 


 

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