ケーススタディ

"いままでよりも少しイイカゲンで、少し優しかった"
昭和30年代の風景をオフィス空間に再現

 
レッド・エンタテインメント
 

 
 昭和30年代の下町 を想起させる環境演出を施したユニークなオフィスが東京・日本橋蛎殻町に誕生した。それが2月16日に青山から同地に移転したレッド・エンタテインメントの本社である。
 
 レッド・エンタテインメントは、ゲームソフト・アニメ等コンテンツの企画・制作を手がける企画会社。同社代表取締役会長の広井王子氏は、今回の“楽しいオフィス空間 ”づくりの理由について「会社よりもディズニーランドに行ってる方が楽しいでしょ。ならば、会社を楽しくしたらいいじゃないか、という発想です。特にエンターテイメントビジネスは自分が楽しくならないとできませんから」と笑う。
 
(左)●「行くことが楽しくなる会社にする」ことを目指し、オフィス内を“昭和30年代の下町”のイメージに演出
(中)●8階のエレベータホールには、クリーム色のボディと丸みを帯びた赤い屋根の旧型の公衆電話ボックスや町内案内図、団地の郵便受けなどを設置。電話ボックス内には呼出し用の内線電話が置かれている
(右)●壁の落書きや雨だれの跡など、細かい部分にまで“昭和30年代”の演出が施されている

 
オフィス内には、旧型の電話ボックスや郵便ポスト、懐かしい人形や看板が、そこここに飾られているほか、各部屋を「王子カフェ」「ストリップ 社長室」「帝国映画劇場」と名付け、看板やファサードを当時の風景を再現したデザインとしている。
 
(左)●「ストリップ 社長室」というネーミングは“お金の話をするときは裸のつきあい”との考えから付けられた
(中)●エレベータホールを挟んで2区画に分かれているが、複数の「街」があることで、風景の異なる街へ行ってみたくなるのか、以前より部署間の人の動きも多くなったという
(右)●会長室の「王子カフェ」にはバーカウンターも設けた喫茶スペースを併設。「20代のころは会社が狭かったので、よく喫茶店で仕事をしていたこともあり、こういう場所で仕事をするとなぜか落ち着く」(広井会長)

 
昭和30年代を環境演出のテーマに設定したのは「高度成長期の初期で、日本が最も活気づいていたときで、いまよりも少しイイカゲンで、少し優しかった。会社も当時は、経営者も従業員も家族みたいに生活を一緒にし、多くの思い出をつくってきた。会社というのは本来そうあるべきで、町内会のような雰囲気を会社内につくれないだろうか、と考えた。いまのアメリカ型の経営スタイルからみれば後退した考えかもしれないが、日本には日本型のビジネスがあると思っているし、日本人には日本人のやり方があっていると信じている」という。
 
 「そして、これはあくまでも第1期工事で、来年は第2期工事をやるつもりです」と広井会長。今回、環境演出を施したのはクリエイティブ部門が入る8階だけだが、会長室はさらに改装中であり、来年の第2期工事では、7階の管理部門も同じようにしたい考えのようで、同オフィスは、「“街 ”として、今後も日々変化し、成長していく」と語ってくれた。今後大注目の新しいコンセプトのオフィスが誕生した。
 
(左)●オフィスにいるときの社員の顔つきが、以前よりずっと楽しそうに変化したという
(中)●畳敷きの小部屋もあり、打合せなどに使用。卓袱台の上の黒電話は、内線電話として実際に使用されている
(右)●レッド・エンタテインメントの代表的な作品である「サクラ大戦」のキャラクターの等身大フィギュアも置かれている

 
広井氏 レッド・エンタテインメント代表取締役会長  広井 王子氏 
ひろいおうじ ●1954年生まれ。立教大学法学部中退。ゲームの企画・プロデュース、漫画原作、TVアニメ企画他、小説・作詞・フォトエッセイ・舞台演出、そしてラジオパーソナリティなどもこなすマルチクリエイター

 
 
関連サイト:
株式会社レッド・エンタテインメント公式サイト
 

データ 2004年04月現在

[所在地] 東京都中央区日本橋蛎殻町1-39-5
水天宮北辰ビル 7〜8F
[オープン] 2004年2月16日
[延床面積] 1011.27m2(305.91坪)
うち8階:710.74m2(215.00坪)


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