ケーススタディ

大河ドラマを契機としたイベント展開で
"地域の活性化"を推進

 
ちょうふ新選組フェスタ  

 
 2004年NHKの大河ドラマ『新選組!』が好視聴率で話題を呼んでいる。ドラマの主人公・近藤勇のふるさとである東京・調布市では、市内の中心的観光スポットである都立神代植物公園と深大寺周辺地域で2月28日、「ちょうふ新選組フェスタ」が開幕した。市や商工会、観光協会等で構成する調布市「大河ドラマ新選組」まちおこし実行委員会(会長 長友貴樹調布市長)が、大河ドラマ放映を契機とするまちおこしイベントとして開催しているものである。
 
 
(左)●神代植物公園の正門には調布市「大河ドラマ新選組」まちおこし実行委員会キャラクターの「勇くん」が描かれたフェスタの看板が掲げられている
(中)●「新選組からくり屋敷」は、大人から子どもまでが楽しめる近藤勇と新選組をテーマにしたアトラクション施設
(右)●新選組からくり屋敷の入口は「近藤勇の生家」コーナー。勇が剣術の稽古に励んだ納屋をモチーフとしたセットと、超指向性スピーカーによる幕末・多摩をイメージした音を再現し、勇の出発点を体感。井戸のふたにもからくりが…。

 
 メイン会場となる神代植物公園は四季折々の花と緑が楽しめる都民の憩いの公園で、ここに「大河ドラマ“現代”ゾーン」と「タイムトリップ“幕末”ゾーン」を構成。大芝生広場に設定した「大河ドラマ“現代”ゾーン」には、大河ドラマ『新選組!』の魅力にこだわった展示を行なう「大河ドラマ館」やオリジナル新選組グッズや全国から集めた新選組土産品を陳列販売する「近藤勇商店」に加え、会期中にミニイベントを実施する「ミニステージ」を設置。同ステージでは夏の夜の野外映画上映も計画している(上映作品調整中)。
 
 一方、近藤勇が生きた江戸の時代から受け継ぐ武蔵野の雑木林のなかに設定した「タイムトリップ“幕末”ゾーン」には、近藤勇の生家にはじまり、京都のまち並み、クライマックスの池田屋事件と、新選組の歴史を楽しみながら体感できるアトラクション施設「新選組からくり屋敷」と、幕末の道場をモチーフとした和風の建物の中でオリジナルの緑茶や抹茶、お菓子を気軽に楽しめる喫茶スペース「幕末茶屋」を設置している(「大河ドラマ館」と「新選組からくり屋敷」への入館はフェスタ入館券の購入が必要)。
 
 
(左)●「新選組活躍の地-京都のまち並み」ゾーンの、新選組や勤皇の志士たちが青春を駆け抜けた京都・島原の町をモチーフとした部屋。古都情緒を切絵シアターで堪能できる
(中)●新選組が全国に勇名を轟かせた「池田屋事件」を、“映画の街”調布ならではのアトラクションで楽しめる。映像にライブアクションを交えて上演
(右)●からくり屋敷の出口手前のコーナーでは、立体映像の近藤勇が登場し、来場者に話しかける。幕末の調布地域をうかがい知ることができる貴重な古地図も展示

 
新選組を語るうえで最もシンボリックな池田屋を、大河ドラマの大道具チームが細部にまでこだわり再現した「池田屋」セット。分かりやすい「池田屋事件」スライドショーも上映

 
「大河ドラマ館」は、出演者紹介コーナーや武具・持ち道具展示コーナーなどを配し、『新選組!』の魅力をあますことなく紹介

 
 また、植物公園の南に隣接する深大寺の周辺地域を「ちょうふ深大寺“観光”ゾーン」に設定。関東屈指の古刹・深大寺周辺にフェスタの赤いのぼり旗や案内看板を配置するほか、門前周辺の 軒のそば店で構成する「深大寺そば組合」加盟店で使用できる、「深大寺そば 円割引券」をフェスタ入場券に付けるなど、フェスタ来場者の周辺観光への誘導を行なっていく。
 
 深大寺地区は、植物公園に年間70万人、深大寺に年間125万人の参拝客が訪れるなど調布市きっての観光地となっているが、ピーク時に比べるとその数は半減しており、年齢層も年配者に偏向してきている。 「調布市では、3年くらい前から観光資源活性化プロジェクトを立ち上げ、深大寺地区をはじめとした観光振興策の展開を官民が一緒になって考えていました。そうしたところ、“調布生まれの歴史上の人物”である近藤勇を主人公とした、大河ドラマ「新選組!」が決定。しかも脚本家が三谷幸喜さん、主演が香取慎吾さんと、人気、実力とも抜群の方であることから、10代20代など若い人を含め幅広い層を誘客できるイベントを展開しようということになりました」(調布市生活文化部長 五嶋幸弘氏)。
 
 約9か月にわたる長期イベントの開催は、調布市ではこれが初めてという。「新宿から車でも電車でも15分という“地の利のよさ”から、日帰り観光が中心だが、『ちょうふ新選組フェスタ』を通じて、調布が全国に知られるようにしていくとともに、これを機に、新選組副長の土方歳三の出生地である日野市をはじめとして、新選組ゆかりの地が多い多摩全域と連携した観光振興に広げていければ」(同)と“大河効果”に期待を込める。東京の「観光地」を標榜する調布市に期待してもらいたい。
 
 
(左)●三谷幸喜氏メッセージコーナーでは、脚本家の三谷さんが『新選組!』の魅力や脚本執筆上のこだわりについて、特別に収録した、ここでしか見ることのできない貴重なインタビューVTRを上映
(右)●「近藤勇商店」では、フェスタ開催に合わせ開発された商品など調布オリジナルの新選組グッズをはじめ、全国各地で販売されている新選組グッズや書籍など、新選組の関連商品を多数揃えるほか、地元のJリーグチーム・FC東京と新選組のコラボグッズや多摩地域の観光物産なども販売

 
(左)●「幕末茶屋」では、オリジナルの緑茶や抹茶,お茶のところ天やお菓子などを武蔵野の自然に囲まれた中で、くつろいで楽しむことができる
(右)●「近藤勇商店の横に設置された「ミニステージ」では、会期中、野外映画上映会などミニイベントの開催が予定されている(写真は2月28日に行なわれた開会式。『新選組!』に“八木ひで”役で出演の女優・吹石一恵さんも参加)

 
 
関連サイト:
新選組調布屯所  
 
 

データ 2004年04月現在

[会場] 東京都調布市深大寺元町5-31-10
「東京都立神代植物公園」内
[会期] 2004年2月28日〜11月28日
[主催] 調布市「大河ドラマ新選組」まちおこし実行委員会
[共催] 調布市
[後援] 東京都
[施設内容] 大河ドラマ館(建物面積298.50m2)、新選組からくり屋敷(同298.62m2)、幕末茶屋(同82.35m2)、近藤勇商店(82.35m2
[総事業費] 3億5,000万円
[入場料(当日)] 一般600円、小・中学生350円(神代植物公園入園料別途)※フェスタ入場料と神代植物公園入園料をセットにした特別入場券(前売り割引券)あり。
[開催時間] 9:30〜17:00(神代植物公園への入園は16:00まで、フェスタ施設への入館は16:30まで)
[休館日] 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
[来場者目標] 100万人


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