ケーススタディ
市民の足として活躍した市電の姿を
後世に伝えるべく保存・展示するとともに、
鉄道文化を親しみやすい展示で紹介

 
横浜市電保存館
 

 
「トラムポート」の愛称で親しまれている横浜市電保存館は、1972年に全廃された路面電車の実物展示をはじめ、時代とともに変遷する市営交通の歴史や横浜の交通事業などについて広く資料展示を行なう施設として73年8月25日にオープン。このほど開館後初の大きな改装工事を経て、今年1月18日にリニューアルオープンした。
 
 館内は、歴代の市電車両を実物展示した「市電体験ステージ」のほか、鉄道模型パノラマやミニ鉄道コーナー、シミュレータなどからなる「横浜交通プラザ」「市電歴史ホール」、鉄道模型収集家であった故・吉村栄氏から寄贈された「鉄道コレクションルーム」の4つのコーナーで構成されている。
 
 今回のリニューアルにより、市電体験ステージに展示されている市電車両のひとつでは、運転席と客席の窓外を当時の街並み映像が市電の速度に合わせるように映し出され、音声による解説も加わって、あたかもタイムスリップしたかのような臨場感を味わえる演出がなされ、また、昔懐かしい売店を再現した休憩コーナー「電停カフェ」が新設されたほか、利用しやすさを考慮したいくつかの改良が行なわれた。
 
 地下鉄やJRなどが走る現在の街並み景観と、市電が走っていた昭和30年代当時の横浜の景観とで構成される大パノラマコーナーは日本で有数の規模を誇るもので人気が高いが、ミニ鉄道コーナーで自分の鉄道模型を持ち込んで走らせることができるのも、鉄道模型好きの子どもたちにとって大きな魅力といえ、同館には市内、県内から多くのリピーターが訪れている。
 
 
(左)●市電車両が実物展示されている「市電体験ステージ」。リニューアルによって、車内へ乗り込む際の段差を解消するためにスロープが設けられた
(右)●「大パノラマコーナー」はHOゲージ(実物の1/80)やOゲージ(同1/45)専用のパノラマとして日本有数の規模を誇り、1日5回のデモ運転ショーが行なわれる

 
(左)●横浜市内のみなとみらい地区をはじめ湾岸風景が再現された「ミニ鉄道コーナー」には人気のNゲージ(実物の1/150)が揃い、運転操作をすることができる(3分100円)。自分の模型を持ち込むこともできる
(中)●市電体験ステージに展示された「523号車」では、窓外に昔懐かしい風景がCG映像により映し出され、運転席では、運転しているような体験をすることもできる
(右)●「市電歴史ホール」では、横浜市民の足として長年活躍してきた「ちんちん電車」の誕生から廃止に至るまでの歴史を写真や年表、映像などを活用して紹介する

 
(左)●「電停カフェ」(休憩コーナー)には、市電が活躍していた当時の趣を漂わせる売店がつくられている。いまの子どもたちにとっては新鮮に映る
 
(右)●横浜市電保存館は市営滝頭第三住宅1階に位置している。もともとは旧・滝頭電車修理工場跡地に建設されたもので、1983年8月に、市営住宅の建設に伴い移転、大パノラマコーナーの原型となる鉄道模型を新設して新装オープンした

 
関連サイト:横浜市電保存館
 

データ 2003年9月現在

[所在地] 神奈川県横浜市磯子区滝頭3-1-53
[リニューアルオープン] 2003年1月18日
[事業主体] (財)横浜市交通局協力会
[運営主体] (財)横浜市交通局協力会
[敷地面積] 2,741m2
[延床面積] 1,868m2
[施設内容] 市電歴史ホール/市電体験ステージ/鉄道コレクションルーム/横浜交通プラザ
[入館料] 大人300円、高校生200円、小・中学生100円(65歳以上、未就学児は無料)
※高校生以下は毎週土曜日無料
※20人以上の団体は2割引
[休館日] 年末年始

 


このページに掲載の内容、写真などの転用をお断りします。
Copyright 2003 TANSEISHA.co.,ltd.
All right reserved.