ケーススタディ
リバーウォーク北九州

緑豊かな自然と歴史に囲まれた絶好のロケーションの中に誕生した、
分化・情報発信・商業などの高度な機能を持つ複合空間
周辺環境との調和を図った施設づくりが訪れる人に潤いを与える

データ

 商業と文化と情報発信という3つの機能を複合した「リバーウォーク北九州」は、北九州市の基本構想である「北九州市ルネッサンス構想」に基づく「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」と連動し、市街地再開発事業「室町一丁目地区第一種市街地再開発事業」として開発された。
 
 再開発地域は、紫川や小倉城、勝山公園など、緑豊かな自然と歴史的遺構に囲まれたエリアであることから、同施設の開発においては、そうした周辺環境と調和することが重要であるとの認識のもと、全体計画、外構計画、外装計画等の建築施設計画をまとめるとともに、北九州市景観アドバイザー協議会に諮って計画を説明し、了解を得ている。
 
 こうして開発されたリバーウォーク北九州だが、再開発事業の施設としては、きわめてユニークな形状をしている。
 一見すると、5つの異なる建物で構成されているように見えるが、これは同施設を訪れる人に、建物としての楽しさを感じてもらうとともに、東西方向に広く長い敷地の特徴を活かして、1つの建物を個性ある複数の建物に見せることで、外観に威圧感を持たせないように工夫したものである。
 
 紫川に面した半球体の棟には、NHK北九州放送局、北九州芸術劇場中劇場、専門店街などを配置。北東角に位置する高層棟には、朝日新聞西部本社、北九州市立美術館分館、北九州芸術劇場小劇場、専門店街などを配置している。
 
 また、中央に位置する逆円錐を冠した棟は北九州芸術劇場大ホールと専門店街とで構成。同棟の西側に隣接する棟には、専門店街、シネコン、駐車場等を配している。
 北九州市は、1963年に門司、小倉、八幡、若松、戸畑の五つの市が合併して誕生したが、リバーウォーク北九州の5つの幾何学的建物は、それぞれ北九州市の5つの地区を表わしており、「5つの地区が1つ」になって北九州市が一体化することを表現している。これら5つの建物は、遠方から眺めると静物的オブジェのように見えるが、近くで見ると、それぞれ力強い緊張感があり、エネルギッシュで活力に満ちた感動を与える。
 
 リバーウォーク北九州では、色もデザインの重要な要素と位置づけられており、活気のあるスペースと静かなスペースのバランスをとり、訪れる人にユニークな感覚と情緒的な感動を与えるように配色されている。
 
 半球体の棟の薄茶は「大地」、高層棟のグレーブラックは「日本瓦」、逆円錐状の部分の赤は「漆」、逆円錐の低層部の白は「漆喰壁」、シネコン・駐車場棟のハーベストイエロー(黄)は「収穫前の稲穂」を表現しており、大胆でモダンな印象を与えながらも、日本の伝統的色彩美との融合が試みられている。
 
 彫刻的なデザインが特徴の同施設の建物のなかでも、訪れる人の目を惹きつけているのが、施設の東西に設けられた2つの広場、エナジーコートミスティックコートである。ダイナミックな噴水のショーを実施するほか、ストリートパフォーマンスなどのイベントなどにより街の楽しさを創造しているが、三次元曲線で創出された、その吹抜け空間は来街者に圧倒的な迫力で迫る。
 
 これら2つの広場を結ぶアーバンウォークキャニオンウォークには、北九州市や九州に初出店となる高感度なセレクトショップ、トータルライフスタイルショップ、リラクセーション、カフェ、デリなどが集積され、北九州最大級のショッピングモールを構成している。
 
 リバーウォーク北九州は、都心を形成する周辺街区との一体感を生み出すこと、また、自然環境・歴史的環境との調和を図ることを考えて、人々が集まり、また別れていくような結節点となる公園のような空間として整備された。
 
「明確な来場目的を持っていなくても、この施設、エリアに来れば、何か楽しそうだというイメージを定着させたい」と、リバーウォーク北九州デコシティ支配人の佐竹弘之氏。  紫川対岸の小倉駅前地区から小倉城周辺、そしてリバーウォーク北九州の回遊は定着してきている。今後「リバーウォーク北九州では、こんな楽しみ方ができるということを、より理解していただく活動に力を入れていきたい」(佐竹氏)としている。
 
 
関連サイト:
リバーウォーク北九州 ( http://www.riverwalk.co.jp/ )
 


データ 2003年9月現在

[所在地] 福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1
[オープン] 2003年4月19日
(北九州芸術劇場は8月11日、NHK北九州放送局は8月26日、北九州市立美術館分館は10月4日オープン)
[事業主体] 室町一丁目地区市街地再開発組合(北九州市、(株)ダイエー、福岡地所、朝日新聞社、北九州紫川開発(株)、日本放送協会)
[総合監修] エフ・ジェイ都市開発(株)
[敷地面積] 約22,000m2
[延床面積] 約162,000m2
[構造・規模] S造+SRC造 地下2階地上15階建
[施設内容] ●商業施設(店舗面積約3万3,000m2
リバーウォーク北九州デコシティ(102店舗)、リバーウォーク北九州フードパオ(46区画)、グルメシティリバーウォーク店
●業務施設
NHK北九州放送局、朝日新聞社西部本社、事務所等
●文化施設
北九州芸術劇場、北九州市立美術館分館
●駐車場(約800台)
[総事業費] 約500億円
[初年度集客目標] 1,000万人
[初年度売上目標] 約200億円(商業ゾーン)

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