ケーススタディ
奄美パーク

宮崎緑氏を園長に迎えた
奄美群島の観光情報発信拠点

データ宮崎緑園長 対談

 鹿児島県の奄美大島に2001年9月30日、「奄美パーク」がオープンした。奄美の美しい自然や多様な歴史・文化をわかりやすく紹介した「奄美の郷」と、奄美の自然を描き続けた孤高の日本画家・田中一村の作品を収蔵した「田中一村記念美術館」の2つの施設を中核に、奄美群島全体の新たな観光拠点として旧奄美空港跡地に整備されたものである。
 
 奄美の郷(地上一部2階建て、延床面積約3200m2)は、白い貝殻をモチーフにした外観で、建物内の梁などは琉球松の大断面集成材でソテツの葉をイメージした造形となっている。施設内容としては、奄美独自の文化や歴史をわかりやすく紹介する「総合展示ホール」をはじめ、奄美群島各島の情報を提供する「アイランドインフォメーション」、奄美の自然等を美しい映像で紹介する「奄美シアター」、島唄や八月踊りなど地元芸能のほか各種イベントを開催する「イベント広場」、レストラン、売店などで構成。なかでも総合展示ホールは、奄美の暮らしの中に息づく豊かな「奄美のこころ」をグラフィックで紹介する「テーマウォール」をはじめ、「海の道」「シマの道」「森の道」の各テーマごとに工夫された展示で構成、特に同ホール出口に設けられた「遊びの庭」には昔の奄美の民家が再現され、縁側に座る本物そっくりのおじいさん(愛称:奄爺=アマジイ)の人形が来園者の人気を呼んでいる。
 
 また田中一村記念美術館(延床面積約2000m2)は、奄美の海をイメージした池に3棟の高倉が浮かぶユニークな設計で、収蔵された田中一村の作品151点(寄贈4点を含む)のうち45点を展示する常設展示室(作品の入替えを年3、4回実施予定)のほか、企画展示室、一村の人となりを映像で紹介するガイダンス室、一村作品や日本画等の書籍を備える図書資料室、喫茶室、ミュージアムショップ等で構成する。  さらに、約7.3haの奄美パークの園地内には、多目的広場(約3780m2)や野外ステージ、展望台、一村の路、駐車場(約240台収容)がある。
 
 奄美パークで特筆されるのが、元NHKニュースキャスターで現在もジャーナリストとして活躍し、しかも大学で教鞭も執る宮崎緑氏が園長に就任されたこと。「月に1〜2回はパークにお越しいただき、大島紬を着て来園者を迎えられる姿には本当に頭が下がる」(鹿児島県商工観光労働部観光課参事・小山 卓氏)というように、奄美への思い入れが強く、パークの事業展開に豊富なアイデアをもつ宮崎園長は「奄美パークにとって最高」と高い評価を得ている。
 
 同パークでは年間来園者目標12万人(うち有料8万人)を掲げるが、オープン後1か月ですでに約2万6000人を集客、「島内リゾートホテルの予約も目に見えてふえている」というから、奄美群島の観光客増加に多大な貢献を果たしている。ただし、8つの島が点在しており、また島内最大の都市・名瀬市から車で40分ほどかかるため、「イベント広場の活用などで地元住民にも何度も足を運んでもらえる施設を目指す」(奄美パーク事業課長・神田忠男氏)ことが今後の課題であるようだ。
 


データ 2001年12月現在

[施設名] 奄美パーク
[所在地] 鹿児島県大島郡笠利町節田1834
[オープン] 2001年9月30日
[設置主体] 鹿児島県
[運営主体] 奄美群島広域事務組合
[敷地面積] 約7,3ha
[施設内容] ●奄美の郷(延床面積約3,200m2
総合展示ホール・奄美シアター(有料)、アイランドインフォメーション、イベント広場、レストラン、売店
●田中一村記念美術館(延床面積約2,000m2
常設展示室(有料)、企画展示室、ガイダンス室、図書資料室、喫茶・ミュージアムショップ
●その他の施設
多目的広場、野外ステージ、展望台、一村の路、駐車場(約240台収容)
[総事業費] 約76億円
[観覧料金] ●奄美の郷:一般300円(20人以上の団体は1人240円)、高・大学生等210円(同160円)、小・中学生150円(同120円)
●田中一村記念美術館:一般200円(同160円)、高・大学生等140円(同110円)、小・中学生100円(同80円)
●共通観覧料:一般400円(同320円)、高・大学生等280円(同220円)、小・中学生200円(同160円)
[開園時間] 9:00〜18:00(7、8月は19:00まで)
[休園日] 毎月第1・第3水曜日(4/29〜5/5、7/21〜8/31は開園)、年末年始(12/30〜1/1)

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